十一月三十日
散歩に出かけた帰り道、狭い歩道でお母さんと小さな女の子の親子が前を歩いていた。歩くペースはほとんど同じだったのだが、お母さんが後ろに気づいて丁寧に先を譲ってくれた。すると譲ってもらった手前これはのろのろ歩いていてはいかんのではないかということになり、親子を引き離すように無理してペースを早めるはめになった、その時のやりきれなさ。
早いものでもう師走。毎度新しい月も半ば過ぎてからめくっていたカレンダーであるが、今回はすぐにめくってみた。何かしら変わるといい。
十一月二十九日
津田沼の我が家にきて初めて、浴槽にお湯を張った。実家から届いた荷物にひとつだけ入っていたゆずを浮かべた。やはり湯船は気持ちよい。この冬は何度かお湯を張ろうかなと思った。
十一月二十八日
仕事帰りの電車で寝ていたらよだれをたらしてしまった。周りの人に見られてないかヒヤヒヤしていたら、対角線上に座っていたお姉さんと思いきり目が合った。気をつけたい。
明日から二連休。天気悪そうだし予定もないけれどなるべく出かけたい。図書館に行こうと思う。
十一月二十一日
昨日の初日はとりあえず無事に終わった。お互いにいい気持ちはしないものだ。この犠牲の上に守られる利益とは一体なんだろうと考える。明日からまた慣れていこう。
ここ何日か、舌の先がぴりぴり痛むのはなぜだろう。
十一月十八日
デンジャラ楽しかった。感謝の気持ちをもっと形にする努力をせねばなあと思った。久々に見れてうれしい顔があった。
明後日から審査の制度が変わる。思い通りにいかないことがいくつかある。器は今までになく小さくなり、なかなか受け止められなくなっている。
十一月十五日
ボーイズハート閉店の知らせを受けた。閉店する前になんとかして行きたい。帰省して店に行くたび「彼女できたら連れてきます」と言い続けて結局無理だったなあなどと考えていたら、彼女できないことは別にいいのだけどなんだか無性に情けなくなってすごく泣けた。
いろいろあって今日はだめだ。腐ってはないけど平気ではない。
十一月十二日
夜勤明け、職場の有志で成田の牧場に行きバーベキューをした。閑散とした平日の牧場で、前掛けをした大人五人が西日を浴びながら肉を焼く。シュールな絵でよかった。
食事のあとヤギたちに餌をやった。後からきたヤギが先にいたヤギのケツに本気頭突きを食らわしたのを見てひいた。みんな目が恐かった。
そして牧場で味わう牛乳とソフトクリームはやはりうまい。また行きたい。
十一月八日
スピッツの新しいアルバムを聴きながらぶり大根を作った。気持ちよい音とうまそうな匂い。そういうのとくっついた記憶はしぶとい。
十一月四日
夜勤で気力と体力を使い果たしたあとに食べるうなぎは、それはもう格別にうまい。昼間からビールを飲んで、帰りの電車でまどろむのは最高の幸せだと思う。それもどうかと思う。
またピープル聴きに行きたいなあ。
十一月二日
電車で横に座ったおじいさんがうつらうつらしながら寄りかかってきた。でも肩から伝わる彼の重みのなさに驚き、なるにまかせておいた。いつか自分もこんなふうに軽くなってしまうのかなと思った。すでに軽いけど。
出国していくNOVAの講師のみなさんは一様に元気がない。そりゃあそうだよな。なんとかしてあげたいものだ。
十一月一日
めでたいことは何もないのだが、金目鯛が安かったので買って煮付けにした。いい魚は身がしっとりとしてうまい。ビールがすすんだ。そんな休日だった。おやすみなさい。