二月二十八日
サワディーカッ。三日前、無事にタイから戻りました。バンコクは予想以上に都会だった。空港からホテルに向かう車中、高速道路から見渡す夜景は、新宿あたりと遜色なかった。高速の足下にはボロ小屋のような家々が建ち並んでいた。都心の交通量がすごい。空気は排気ガスでよどんでいた。道路では十歳にもならん少年が、母親と仏具を売り歩いていた。町中に犬が多い。彼らはペットではなく、住民であった。悲しい目は、現地の人間以上に多くのことを語っているように思えた。
旅行はものすごく楽しかった。象に乗った。泳いだ。飲んだ。食った。現地の女性から電話番号をもらった。クラブに潜入した。タイ式マッサージを体験した。寺院を巡った。街並みを歩いた。人と言葉を交わした。タイに来てまで、自分はときめいていた。温度、風、におい、味、日射し、地面、空、いろんな感覚や景色が、確実に風化していくのは怖い。なんとなくでも残り続けたらいいなと思う。
今日はバイトだった。最後のまかないは黒豚の柳川風。二年生の十月、初めてのまかないはおでんだった。帰り道、頂いた品々で両手はふさがった。感謝は足りるということはない。
おやすみなさい。
二月二十日
昨日。ライブに向かう途中で下北沢に寄った。よく行った二つの店が相次いで閉店する。ひとつはすでに閉店、もうひとつは奇遇にも今日で閉店。なので行ってみたが、一旦閉めてそのうちまた開くらしい。よかった。でも豚Tの店がつぶれたのは悲しいことだ。カステリッサライブはかっこよかった。たぶん今までで一番。ただ渋谷屋根裏の音はなんだかモコモコして好きになれん。無茶をしてみた。
今日。昼からの練習に寝坊で自分が嫌になる。明日が不安だ。バイト先はここ最近危機的な状況だ。辞めてもしばらくは客として行けんかもしれん。店はいつまであるのだろうか。おばさんはタイとタイワンとタイペイを最後まで混同していた。やはり大事な場所だ。
追いコンを五曲でよしとする、まーひーの潔さに今日は救われた。よくわからんくてごめんなさい。明日からタイに滞在です。おやすみなさい。
二月十六日
昨日で試験とレポートがすべて終わった。あとは先生方の寛大な評価を信じるのみだ。卒業発表までの一ヶ月、長いようですぐだろな。大事に過ごしたいものだ。それにしても今日は寒い。おやすみなさい。
二月十四日
今日はピッグライブ。下北沢ERA。Queではピーズがやっていて、うおーとなった。ライブはしんどかった。照明とか、チューニングとか。しかしべらぼう楽しかった。何度もおろそかになった。あれが、ただ下を向いて真面目に弾いているだけと映ったなら、逆にありがたいことだ。もっと精進しよう。
こんなにたくさんチョコを頂いたのは小学生以来かもしれん。ありがたや。でも毎年恒例の実家チョコが一番安心して、よかった。皮肉だ。鼻血出さぬよう気をつけよう。おやすみなさい。
二月十三日
高谷とシェリーが大遅刻。遅刻どころか。まあどっちも反省した風なのでよいんでないかね。ライブは意外と楽しかった。でも高谷は厳しかったぽいので、この借りは企画で返さんまいけ。練習しよう。
シロップの「月になって」という曲がすごく好きだ。よく眠れる。今日の満月はよかった。月が二つあった。困ったものです。おやすみなさい。
二月六日
昨日のピッグライブは楽しかった。やはりサイクロンはいいハコだ。あのステージは燃えるし、スタッフの方々と話してまた燃える。雰囲気もピッグに合うようだし、たくさんの刺激をもらえると思う。バンドにとっていい一日だった。ただ昨日は、自分の変化が少しでも伝わったらしいということが、最高の喜びだった。
スマイルのパスばかり貼られた収納ボックスに、初めてピッグのパスが並んだ。すでに、来週のスマイルライブがものすごく待ち遠しい。どう反映させることができるだろう。確実に、バンドが自己表現になっている。いいことだと思いたい。
夜から雪。明日の朝の景色が楽しみです。おやすみなさい。
二月二日
スマイル練。死ぬほど楽しかった。遅刻がもったいなかった。でも遅刻がよかった気もする。ごめんなさい。
シェリーとトドルのライブを観に行った。いいバンドである以上に、いい人たちだった。すごく感動した。あまりにも感動していた。周りの客はそうでもなかったかもしれん。何より、三日前の自分なら、なにをばかな、と思ったかもしれん。ただ、何に躍らされていたとしても、今日の感覚は嘘ではない。忘れないようにしたい。行ってよかった。
昨日のグレイプバイン練が楽しくて、まっすぐになろうと思った。行動に移しても、すぐにうまくいくわけもない。それでも、少し心に余裕をもちたいと思う。よし。おやすみなさい。