十月二十九日
木原と三軒はしごした。くだらない話や真面目な話をして、楽しかった。たまたま同じ津田沼になったのが木原でよかったと思う。津田沼からいなくなったら都合よく寂しくなるんだろうな。その前にまた飲みたい。まだまだ話したいことがある。気がする。
十月二十六日
初めて仕事上のミスが発覚した。といっても二ヶ月前のこと、何千何万という案件の中、記憶に残っているわけもない。でも電算記録に残っていたのは確かに自分の名前だった。しかも十歳とかの子どもに教授の資格を与えてしまったから笑えない。審査の力量うんぬんではない、ただただ愚かな不注意。頭を下げたい。こういうミスはある程度の件数が職場内で常に発生しているが、自分のこととなるといきなり正念場だ。この次は無いという気持ちで働きたい。
秀吾から珍しく長いメールがきた。これを意気に感じないわけがあるまい。正念場だ、仕事もバンドも。それ以外のことなど考えていられない。そう言ったら、それはやっぱり嘘かもしれない。
十月二十五日
「〜らしいです」とはさすがに言ってなかったと思う。自分にとってそこは大きい。でも俺個人について言えば、企画の回数が増えて、うまくいかない事も増えて、かける気持ちが薄くなってきていたのはたぶん事実で、図星だった。本当のところ、ここ最近はピッグの音源ばかり聴いていた。感じたことを正直に話してくれるスタッフのいるアンチノックが、俺は好きです。そんで、やっぱりスマイルが好きだ。借りはライブで返したいと思う。
十月二十四日
いきなりさかのぼるが、金曜のホンコンスタアはよかった。ギタボの人を見るのは二回目で前回は別のバンドのギターだったんだけども、別人でないかっていうくらいに今回のほうがかっこよかった。やりたい事をやるのは大事で、それをやれるのはすごく幸せなんだろうと思った。
昼間、夜勤明けで外界に出てみたら空気が冷たくなっていた。風を受けて歩いているとテンションが上がって、「うひょお〜」と変な声が出る。吐く息が白くなるのももうすぐかもしれん。こうやって季節が深まっていく感じというのはとてもよろしい。とりわけ冬。鍋がしたい。
明日はスマイルライブ。明らかに練習不足。がっつりやる。
十月十七日
休日。風呂を掃除して夕方から出かけた。銀行で家賃の振込と通帳記入をしたあと、イオンで洋服を買って、さらにシチューの食材を仕入れて帰った。こないだのカブを入れたシチューは成功だった。今日初めての食事だったこともあって、うまかった。夕食のあと、バイトの先輩とまた近々飲む約束をした。
そういえば今月から新聞をとり始めた。面白い。夜勤の日は職場まで持っていって、夜中にまる一日遅れの記事に見入る。チラシをぱらぱらめくるのも楽しい。とりあえず、ネットをつなぐ意欲は完全に失せてしまった。まあそのうち。おやすみなさい。
十月十三日
スーパーで安売りしていた地元産のカブを衝動買いした。味噌汁に入れてみたらうまかった。残りは今度シチューに入れてみようかと思う。
もうすぐ紅葉の時期がくる。その後には冬がくる。秋のままでしばらく止まっていてほしい。ピッグの録音日が決まった。がんばりたい。
十月十一日
はるばる日本にゴルフをしに来たアメリカ人女性に「一緒に来る?私が教えてあげるわよ」(和訳)と言われ、なぜか赤面。いや、もちろんゴルフをね。勝手に返答に困った。
そんなわけで仕事は楽しかったものの、泊まりのために寝間着になったとたん最高に気だるい。疲れたわけではない。我ながら、いつまでこんなにわかりやすいんだろうか。明日の朝には戻りますように。おやすみなさい。
十月八日
朝の上陸で、アメリカ人のおじさんに「18くらいに見えたよ」と言われた。よし。仕事帰りにスーパーでビール買おうとしたら年齢確認された。よし。
今夜はよく晴れて気持ちよい。満月の下にありのままの自分がある。化けることはないが、狼男やサイヤ人に共感する。何が言いたいのかよくわからない。とくにない。おやすみなさい。
十月七日
大雨の影響は今日も続く。夜勤でなかなか大変だったが、乗客やスタッフの方々はもっとだろう。空港というのは何が起こるかわからない場所で、でもだからこそ働く面白みもあると感じる。
初めてお客様と軽くやりあった。入国管理は外国人の権利と深く関わっていて、ものすごくデリケートな側面がある。普段の仕事のなかでこれでいいのかと自問自答することも多い。でも、差別とかいう言葉を簡単に使って自分の主張を通そうとする態度に、どうしても違和感をもたざるをえなかった。こちらが間違っているのかもしれない。ゆっくり考えていきたいと思う。
十月六日
自然の力というのはすごいもんやね。空港の中にいれば外の雨風の強さを肌で感じることはないけども、フライトの遅れやキャンセルの続出で否応なしに知らされる。珍しくけっこうな残業だったが、トラブル続きに一人お祭り気分でテンション上がっていた。
昨日はピッグのライブだった。楽しかったがまだ全然足りない。むこう三ヶ月はオケの正念場だと思う。がんばりたい。
十月二日
はや十月というわけで職場は衣替え。気に入っていた夏服のあじさい色の開襟シャツが着れないのは残念だが、さらに嫌なのは普通のワイシャツに戻ってネクタイをせねばならんことだ。いまだにうまくできない。めんどくさい。
衣替えのほかにも人事やら審査の方式やら細かい変化がいくつかある。早くも後輩が入ってきたりする。人事はいい。ただ現場のやり方について、現場の人間が口を出せないのはなぜだろう。説明責任を果たすべき我々が、誰よりも説明を欲している。皮肉なもんだ。
仕事の愚痴はよくない。この次は三ヶ月後くらいにしよう。おやすみなさい。