心理学用語

割引原理

割引原理(discounting principle)とは、社会心理学者のハロルド・ケリーが提唱した理論で、ある現象を生み出す原因が複数存在する場合、そのうちの1つの原因を重視すると、他の原因の果たす役割は小さくなるというものです。

例えば、ある人がテストで良い点数を取った場合、その原因は、その人の勉強量、テストの難易度、運など、様々な要因が考えられます。しかし、その人が「自分は勉強をたくさんしたから良い点数を取れた」と考える場合には、他の要因の果たす役割は小さくなります。

割引原理は、人間が日常的に行う原因の推論に重要な役割を果たしています。例えば、私たちは、他人の行動を理解する際に、割引原理を用いて、その行動の原因を推測します。例えば、ある人が怒っている場合、その原因は、その人が疲れている、ストレスを感じている、何かに腹を立てているなど、様々な要因が考えられます。しかし、私たちは、その人が「仕事で失敗したから怒っている」と考える場合には、他の要因の果たす役割は小さくなります。

割引原理は、マーケティングや広告にも応用されています。例えば、企業は、割引原理を利用して、消費者に商品やサービスを買わせようとします。例えば、企業は、新商品を発売する際に、割引価格で販売することで、消費者にその商品を試してもらうことができます。また、企業は、リピーター客を獲得するために、割引クーポンやポイントカードなどを提供することがあります。

割引原理は、人間の行動を理解し、効果的に働きかけるのに役立つ理論です。

参考URL:

割引原理と割増原理 | Dive into Myself


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