リピンスキーの法則
リピンスキーの法則(Lipinski's rule of five)とは、1997年にリピンスキーらによって提唱された、経口投与された薬物が体内に吸収される割合(バイオアベイラビリティ)が高いかどうかを予測するための経験則です。この法則は、以下の3つの基準を満たす化合物は、バイオアベイラビリティが高い傾向にあるとしています。
* 分子量が500以下
* 水素結合ドナーが5個以下
* 水素結合アクセプターが10個以下
これらの基準を満たさない化合物は、バイオアベイラビリティが低い傾向にあるため、薬物として開発される可能性が低くなります。
リピンスキーの法則は、創薬研究において広く用いられています。この法則は、薬物候補化合物をスクリーニングする際に、バイオアベイラビリティが高い化合物に絞り込むのに役立ちます。また、リピンスキーの法則は、薬物設計の際に、バイオアベイラビリティを高める化合物を設計するのに役立ちます。
ただし、リピンスキーの法則はあくまで経験則であり、すべての化合物に適用できるわけではありません。リピンスキーの法則を満たしていても、バイオアベイラビリティが低い化合物や、リピンスキーの法則を満たしていなくても、バイオアベイラビリティが高い化合物も存在します。
リピンスキーの法則は、創薬研究において重要なツールですが、あくまで一つの指標として使用し、他の評価方法も併用して薬物候補化合物を選択することが重要です。
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