連言錯誤
連言錯誤(ごうせつのごびゅう、英: conjunction fallacy)とは、一般的な状況よりも、特殊な状況の方が、蓋然性(確からしさや発生確率)が高いと誤判断することである。リンダ問題としても知られている。形式的誤謬(formal fallacy)の一つである。
連言錯誤の典型的な例は、次のような問題である。
> リンダは31歳の女性です。彼女は明るく、親切で、賢いです。彼女は哲学を専攻し、差別や社会正義に深く関心を持っています。彼女は反核デモにも参加しました。リンダは銀行員です。
この問題に対して、多くの人は、「リンダは銀行員であり、またフェミニスト活動家である」と回答する。しかし、これは正解ではない。リンダが銀行員である確率は、リンダが銀行員であり、またフェミニスト活動家である確率よりも高い。なぜなら、リンダが銀行員であり、またフェミニスト活動家であるためには、彼女がまず銀行員でなければならないからである。
連言錯誤は、私たちの認知バイアスによって引き起こされると考えられている。認知バイアスとは、私たちの思考や判断を歪める傾向のことである。連言錯誤を引き起こす認知バイアスのひとつに、代表性バイアスがある。代表性バイアスとは、私たちが、ある事柄が他の事柄と似ていると、その事柄が起こりやすいと考えてしまう傾向である。リンダ問題の場合、リンダのプロフィールは、私たちが持っているフェミニスト活動家の典型的なイメージと似ているため、私たちは、リンダがフェミニスト活動家である可能性が高いと考えてしまう。
連言錯誤は、私たちの意思決定や判断に大きな影響を与える可能性がある。たとえば、私たちが、ある商品を買うかどうかを決めるとき、その商品の特徴や価格を比較するだけでなく、その商品が他の商品と似ているかどうかも考慮してしまう。結果として、私たちは、他の商品よりも特徴や価格は劣っているが、代表性が高い商品を選んでしまうことがある。
連言錯誤を避けるためには、代表性バイアスなどの認知バイアスを認識し、それらの影響に注意することが重要である。また、私たちは、事柄を判断する際には、可能な限り多くの情報を集め、それらの情報を客観的に評価することが重要である。
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誰もが知りたい心理学用語