心理学用語

マタイ効果

マタイ効果とは、新約聖書のマタイによる福音書の13章12節にある「持っている者は、さらに与えられ、豊かになる。持っていない者は、持っているものまでも取り上げられる」という一節に由来する社会現象です。この一節は、富や成功が、すでにそれを持っている人にさらに集まり、逆に貧困や失敗は、すでにそれを持っている人にさらに集まることを意味しています。

マタイ効果は、様々な分野で観察されています。例えば、教育では、優秀な生徒はより良い教育を受け、それによってさらに優秀になる傾向にあります。一方、不利な環境で育った生徒は、より良い教育を受けることができず、それによってさらに不利な状況に陥る傾向にあります。また、経済では、裕福な人はより多くの資産を持ち、それによってさらに富を増やす傾向にあります。一方、貧しい人はより少ない資産を持ち、それによってさらに貧困に陥る傾向にあります。

マタイ効果は、社会の不平等を拡大させると考えられています。なぜなら、マタイ効果によって、すでに富や成功を持っている人は、さらに富や成功を得ることができる一方、貧困や失敗をしている人は、さらに貧困や失敗に陥ってしまうからです。これにより、社会の格差は拡大し、貧困や犯罪などの社会問題を引き起こす可能性があります。

マタイ効果を克服するためには、社会の不平等を是正することが重要です。そのためには、教育や経済などの分野で、富や成功を得る機会を平等に提供することが必要となります。また、貧困や失敗に陥った人々を支援する制度を整備することも重要です。

マタイ効果は、社会の不平等を拡大させる危険な現象です。しかし、社会の不平等を是正することで、マタイ効果を克服することは可能です。

参考URL:

マタイ効果 - Wikipedia


誰もが知りたい心理学用語

Copyright(C) 2012 身近な心理学用語 All Rights Reserved.