日記 Dr
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8月7日(月)
二週間ぶりの日記になるが、みなさんいかがおすごしか。しっかし暑イハ夏ネェ。いや、あのう、今のは「アツはナツイねえ」と言うのは定番なので、ちょっと変えて変な外人みたくなってしまっただけなのであって、ただ「暑いぃ」って言って気怠く生きていたって、えなりくんに「そんなこと言ったってしょうがないじゃないか」と言われるのがオチだなと、そこまで考えて少し工夫しただけなのである。若干考えすぎかとも思った。というかそんなこと言ってるあいだにもう八月じゃないか。
「八月といえばね」「ほうほう」「夏祭り、これね!」漫才みたいに話を切り換えるけれど、土曜日はうちの市の「踊り七夕」という祭りに行った。そこで二時間、盆踊り。水曜日に泉ピン子似の先生に踊りを習ったんだけどそれがまったく覚えられてなくて「絶対できねえ!行かねえ!」と言っていたらえなりくんに「そんなこと言ったってしょうがないじゃないか」と言われたため、僕の中の藤田朋子がメラメラと燃えたぎってきて、気付いたら服脱いでました。着替えね。服脱いで浴衣になって酒で気分を高揚させて踊ったよ、盆踊り。したらさ、踊れてるのね、さっきまで行かねえっていってたおれが汗だくで。で、周り見たらみんなの踊りがぬるくって嫌になって先頭から三列目で踊り猛って、朝目が覚めたら死ぬほどケツが筋肉痛、足の指の股が草履の鼻緒のとこで擦れててズルムケみたいな?ズルムケ的な?アルコールとアドレナリンってすごいよね。ああ、ねぶたで仲間と一緒に跳ねたいなと思った土曜日。
髪を切った。短くなった。あたりまえだ。長くなるわけがないから。髪を切った上に、土日中外にいたため顔が焼けたので、出勤したら課長に「そこに座ってるのは誰?」って冗談を言われた。なんか小さくガッツポーズ。五分置きに小さくガッツポーズ。これぞイメージ・チェンジの醍醐味。明日すぐに元の髪に戻せるなら人殺したってバレなそうなほどのイメチェンに大成功。高校三年のときの髪型に戻りました。興味ある方はあさってのライブへ来てください。興味のない方もシュウゴの眉毛、見に来てください。まあ見に来ても見れないけど。なぜならっ、…おぉっとそれは言えない。ある登山家がインタビューで「なぜあなたは山に登るんですか」と訊かれた時に「そこに山があるからさ」と答えましたということがヒントです。意味、わかりますかな。
ちなみに俳優のベンガルは本当の名前は(たぶん嘘だけど)「ベンジャミン・ガルシア」なんだって。ベンガル面白ーい。なんの「因みに」なのか僕にも分かりません。
おやすみなさい。明日の日記は多分「セ」です。痛くなったらすぐ「セ」です。メル「セ」です・ベンツです。「えっ?イワテさんですか?」「いや、イワ『セ!』でつ。舌ったらずでツイマテン。」あーよくあるよくある。
おやすみなさい。
8月9日(水)
今日は久しぶりに横浜でのライブだった。今日は何かのイベントらしく転換の間にビンゴゲームをやっていてなかなか活気がありいいイベントだった。なんといっても観たかった桃尻セシリアが出ていたし。いやあ変態的だった。ドラムによる自己主張。かわいらしい声の掛け合い。その反面絶叫。ベースってこんな音でるんだ的音。そしてステージ上の人格が好きだった。
スマイルも気持ち良かった。主観的に見てこの間のサイクロンと比べ、バンド感があった。シュウゴがみてる、ヤンがみてる、荒井もみてる、おれもみてる、あいつがみてる、みんなみてる、みんなが笑ってる、ルールルルルッルー、今日もいい天気。久しぶりに会う人々もお変わりなく、荒井がビーサンだったことが唯一のダメポイントだったくらい、いいライブだったと思う。
(涙)そうそう、8月9日で野球の日だとばっかり思ってたら今日はパンクの日なんだってね。なるほどね。
おやすみなさい。
8月13日(日)
アライから「なにも決めてないけど土日空けといて」と電話があったのはこないだの月曜日。二日とも空けといたのはいいが五日待っても連絡がない。ようやく土曜日の正午に「いまから北千住に来て」というメールが入り、「あー東武に乗って日光行くんだな」と勘づいておれは、瞬時に駅へ向かう。携帯の充電器を忘れるほど慌てて。脇に汗をためて北千住に着くと、アライとカツがいて、次の電車が四十分後だという衝撃的なことを言った。おまんら調べとけと!
マックで腹ごしらえしながら、さて電車の中でなにをするかと考えるが、「旅にはトランプ」という概念を持っている人間が誰もいなかったことに三人して唖然とし東急ハンズに走るが、なにせハンズは駅ビルの上の方の階にあってそこまでエスカレーターで上がる時間と、その広大なフロアにある何千点もの商品の中からトランプという小さな玩具を探す時間を考えると、また乗る電車を先延ばしにしたくない俺たちは日光行きのホームへ向かわずにはいられなかった。たまたま次の電車で鬼怒川温泉にも行けることを知って「温泉入りてえ」とカツが言い、俺も俺もでとりあえず行き先は鬼怒川に。本当になにも下調べなく、俺らは土日を有効に使えるんだろうか。
まず立ちはだかったのは、車中の二時間半withoutトランプ。しかも空は不穏な紫色。雨と落雷の中を電車は走る。鬼怒川はどうなっているんだろうという不安と、旅がうまくいかなくとも天気のせいにできるかなという期待で盛り上がりに欠ける。
しかし、俺らは勝ち組になった。二時間半は古今東西とおしゃべりで乗り切り、いよいよ鬼怒川温泉駅へ。駅前のだだっぴろい広場に一か所だけ集まる人だかりの中心には、足湯が!もう温泉だぜ。足を浸すとそれだけでぽっかぽか。ビバ足湯。その(ぽっかぽかの)足で観光協会へ行き、今度は宿の手配だ。何軒か提示された宿から選んだのは一泊二食付で1万円ちょっとの温泉は源泉掛け流しの宿。行ってみると少し古くてカビみたいな匂いのする旅館だったが、全然OK。なぜなら、風呂がいいから!掛け流しの温泉は温度が本当にちょうど良くて、ぽっかぽかの温泉には変な表現だけど、鳥肌が立つぐらい気持ち良かった。そして実は、全然知らなかったんだけど、ここの露天風呂は混浴だったのです。ムフフ。露天へ出る扉を開けるまで知らなかっただけに、あのBABAのだらしない背肉を見た時はびっくりして後退りしたけど、いつかは若い女の子が入って来るという淡い期待を抱いて長湯したりした。そういやあそこの張り紙、「あまり長湯すると湯あたりします」って書いてあったな。よくいるんだろう、おれと同じ期待をもって湯中りするやつが。結果的に女性は二人で、若い子なんて男含めたっておれら以外一人も来やしなかった。鬼怒川の客は年齢層高いんだろうな。飯を食い酒を飲んで二時頃就寝。
日曜日の朝、いつもの3倍飯を食ったあと、出かけた先は日光江戸村の近くにある巨大迷路。外から見ると子供騙しの安っぽいアトラクションに見えるので、クリアするとジュースを貰える目標時間である二十分なんて余裕で破れると思っていたのに、カツ30分くらいアライ34分くらい、そして俺、なんと一時間。いやさ、どこかのお父さんが「あのチェックポイントに行くためにはここを通らなくちゃだめなんだ」って息子に言ってるのを盗み聞きして、「こりゃええこと聞いたでぇ、要チェックや」ってその言葉を鵜呑みにしてたら、またほかの母親が違うこと言ってるのを聞いてしまい、本当最後はなにも信じられなくなって本当に迷った。おそろしいぜ、巨大迷路。
それを出た後は併設するちゃっちいパターゴルフ場へ。くそう、なかなか楽しいじゃないか、ちゃっちいパターゴルフ場め!とか思いつつ、本当に行き当たりばったりの旅、次はバスで二、三十分の日光東照宮へ。江戸時代に建立された建物たちはたぶんすごいんだろうな程度で終わってしまったが、感動したのはあの辺を流れる湧き水と樹々。やつらの魂は神社の存在感を超えていた。
日光・鬼怒川の旅、あとは帰るだけ。二時間半かけて鈍行は走る。おれらにトランプは必要なかった。アライ、カツありがとう。
最後におすすめ、東武日光駅前の蜂蜜入りソフトクリーム。あんまーいのに、さっぱりしていてめちゃめちゃうまい。機会があればぜひ。あと混浴もぜひ。
おやふみなさい。ひひひ。
8月14日(月)
「デモリションマン」。スタローンの出ている作品で、いや全てのアクション映画の中でも一番好きな映画なんだけど、昨日の日曜洋画劇場の制作のやつら、さらにその中で一番好きなシーンをカットしやがった。サンドラブロックの部屋でのシーンをさ。バーチャル化が行き過ぎる社会に警鐘をならすためのすごくいいアイデアで、それを抜きにしても、ラストの言葉に繋がる重要なシーンなのに、やっぱりテレビはだめだな。はっきりいってクソばかりだ。わかっちゃない。
今日は比較的暇だった。お盆だもん、役所にくる暇なんてないよね。ただ、すごい人がきた。内田有紀とかC-C-Bが使ってたノーハンドマイクっていうのか?耳掛けマイクっていうのか?名称がわからないが、とにかくあれをつけてる人。アホかと思ったら、でっかいホクロがあごの端っこにあるだけだった。アホかと思ってごめんなさい。
おやふみなさい。イシシ。
8月18日(金)
仕事を終えて電車に跳び乗り、青森に着いたのは午前0時。車中、隣りに座っていた退屈そうな長嶋美奈似のお姉さんに声をかけたら同い年の青森市民で、しかも一泊二日でジャイアンツ戦を観に行ったのに帰りの飛行機が青森空港上空まで来て濃霧のため着陸できず羽田まで戻ったという幸の薄さを披露してくれたため、退屈することなく帰って来た。名前もメールアドレスも訊いちゃない。お互いを退屈しのぎに使って一生会わない二人は、写真週刊誌のように潔かった。
「小雪」でただいまをいって、少し飲み、実家に帰った。
8月19日(土)
青森にいる高校の同級生と飲んだ。思い出話に終始するかと思いきや、実はそんなに思い出がないことに気付き(これは冗談)、今の仕事の話や人生について恋人について語り合ったりした。
そのあと閉店間際の青森ボウルへ行き、他の客がいなくなっただだっ広いフロアで、声の反響を楽しむように投げつづけた。
8月20日(日)
久しぶりに祖母の家に行った。いとこ(33 農家の長男)の結婚が決まったらしい。大変喜ばしいことである。
家族全員で自家製の枝豆を枝からはじき持ち帰った。
甲子園の決勝は駒大苫小牧田中、早実斉藤両好投手の投げ合いで引き分け再試合になった。斉藤は延長十五回での球速は147キロだった。とんでもないスタミナだ。それに対して田中はかなり球威が落ちていた。それにそもそも田中の左肩の開くフォームがあまり好きでない。明日は早実が勝つ気がする。
8月21日(月)
久しぶりに夜、車を運転したところ、カーブにかなりの高速で進入するはめになりガードレールにぶつかりそうになった。危ねっ、ってハンドルを切ったらキュキュキュイってさ。死ぬかと思ったー。そのあと、午前一時に仕事の終わった人と二時ころから飲む予定でそのひとの家まで気合い入れてチャリで行こうとしたら十分後パンクですよ。「ぷすーっ」て初めて聞いたあの音。また拾分かけて戻って二台目のチャリで走り始めたらぷすーっ。キュキュぷすーっぷすーっ。
準夜勤明けの相手は眠そうにしてたけど楽しかった。ほとんど現実とは思えない夢のような一日だった。
8月22日(火)
夜勤明けの人と今年七月にオープンした青森県立美術館に行った。十一時に入って出たのは確か三時くらい。シャガール特別展だけで二時間くらいかかった。常設展は青森コンプレックスということで青森に縁のある芸術家たち、奈良美智や棟方志功、寺山修司、沢田教一などの作品が並んだ。ナンシー関の作品がなかったのは残念だったがとてもいい時間だった。
美術館を出て家に帰ろうと決心するが、結局自分に嘘はつけなくて、帰らず、適当に作ってたはずなのに死ぬほどうまい親子丼を食べて飲んだあとは凄まじく濃密な時間。涙あり笑いあり。
なんか四百字で書けと指定されたが少ないよ。もしくは多いよ。
8月23日(水)
帰京。明日から仕事だ。まったくそんな気がしない。リアルが確かに昨日の晩と今朝はあったのに、こっちへ戻ってきたらなにが楽しみで生きてるのか分からなくなっている。いままさに、なぜ生きてるんですかの状態。なにも失っていないのに喪失感がある。ひどく憂鬱だ。
8月24日(木)
忙しかった。担当の仕事が山積みになっていて休む暇もなかった。鬱になんてなる暇もない。同僚のみなさんは新人のくせに五連休も取った生意気なおれに優しくしてくれたのでよかった。青森のおみやげがウケた。いいことだ。
8月25日(金)
仕事が終わって外に出ると、今年初めて秋の匂いがした。気付くと蝉の代わりに鈴虫が鳴いている。
そんな日に「タッチ」。どうせただのクソだろうと思っていたら、ちょっと感動した。斉藤兄弟の投球フォームが意外に様になっていたし、ユニフォームもドラマのH2より手をかけていたし、欽ちゃん球団が出たのは減点だとしても、ただのクソではなかった。でもやっぱり結局この映画のメッセージは「原作を読め」ってことだけだった。あと「長澤まさみがかわいい」「走る姿がパねぇよ」ってことくらいかな。
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