日記 Dr
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3月1日(水)外界との久しぶりのコンタクト
今日は渋谷に行ってスマイルのスタジオ練習をした。
というかその前にふれるべきは、もう3月だということだ。はえー。NASAかどっかの手違いで2月がすっとばされたみたいだ。ライブドアの強制捜査が1月17日とかその辺だったと思うのだが、あの事件が昨日のことのようだ。それはたぶん2月の半月分、自分がひきこもり同然の生活をしていたからなのであって、その間に小説という数多くの「異時間」の空間にいたからなのであって、自分が2月の間この現実世界に生きていたという証拠がどこにも残されていないからなのである。コンビニのレシートすらないのである。というわけで今日は久しぶりの外界とのコンタクトになった。
スマイル練習は楽しかった。もちろん演奏も楽しいのだが、メンバーとの会話が楽しかった。タイに行って(あきらかに柳楽くんを意識して)象に乗ってきたらしいヤンがおみやげをくれた。ハードロックカフェバンコクのTシャツだ。ぴちぴちだったがそれは太った俺のせいだった。やせれば着られる。ありがとうヤン。
ヤンが現地の女の子の電話番号の書かれてある紙切れをもらったらしい。ヤンが詳しいことを日記に書かないので代わりにおれが書くけど、ヤンがプールだかビーチだかで泳いでいたところ、そこで働いている女の子が「私の友達があなたに好意を持っている。もしよろしければこの電話番号に電話をかけてくれないか」といってその紙切れを渡したそうなのだ。ヤンはチキンゾンビーなのでかけなかったらしいが、おれが想像するに、もしヤンがその電話番号にすぐ電話をしてその女の子との予定が合い、次の日に食事をすることになっていたとしたら、ヤンの向かい側のイスに座っていたのは、紙切れを渡した女の子の「友達」ではなく、紙切れを渡したその女の子「本人」だったんじゃないかと。そして彼女は言ったと思う。「私、自分で言うのもなんだけど、あんまりかわいくないじゃない?もし私と食事してくださいって言っても、あなた来てくれなかったでしょう?だから私嘘ついたの。ごめんなさい。がっかりしたでしょう?」それを聞いてヤンはキュンとした。かわいいと思った。そしてこう言ったんだ。「君は自分自身を勘違いしている。君をみたら世界中のほとんどの男がかわいいと言うだろう。少なくとも日本では君のような女性のことを『かわいい子』と呼ぶ慣習になっている。君は僕がこの旅行中に見た中でもっとも美しい景色だ」と。これが切ない遠距離恋愛の始まりだった。
始まりであったはずなのに、ヤンったら何もしないで日本に帰ってきちゃったのね。残念だね。まあその番号がぼったくりバーの据え付け電話の番号だったらというオチも考えられなくはないけどね。
はあ、携帯のキーを打ちすぎた。上腕二頭筋が痛い。寝る。おやすみなさい。
3月2日(木)「エモ」っていう音楽ジャンルの定義がよくわからないけど
今日はまた渋谷に行き、コールミーピッグのライブを観に行った。一言でいうとエモかっこよかった。アンガールズが「キモかわいい」ならば、あるいはこうだくみ(漢字が出てこない)が「エロかっこいい」ならば、あるいは今井メロが「メロ(のラップは正直)かっこわるい」ならば、コールミーピッグは「エモかっこいい」だ。ライブのテンションがとてもエモーショナルだった。特にフロントマンのぶーたくんがエモーショナルだった。ギターの音色もぶーたくんのボーカルの次くらいにエモーショナルだった。ドラムはうまくてエモーショナルだった。ヤンの髪の毛はエッセンシャルだった。
特にラスト2曲は「おっと思わされた。「おっと思う」はどういうことかというと、「バンドの演奏にひきこまれそうになった」ということである。「しばらくライブできないから自分達のすべてをぶつけ尽くさなきゃ」みたいな衝動が感じ取れて(彼らがそう思っていたかは知らないが)、ひきこまれそうになったということである。そして最後には実際にひきこまれた。「ひきこもり」から「ひきこまれ」になった今日であった。今日も上腕二頭筋が痛い。おやすみなさい。
3月3日(金)D&H(御内裏様と御ひな様)
H&Mについて書かれたツネの日記を意識して。O&Oにしようかとも思ったんですが。
それにしてもいやー。いやー。ear。今日は何の日。今日は「耳の日」。もっと耳を大事にしなければいけない。が、今日は爆音スマイル練習。
若干しゃべりすぎた感があったが、ずっと入れようと思っていた『桃色』の間奏のフィルが初めて決まったのでオールOK。ダブルOK。
しかし疲れた。実は自分は昨日の夕方から起きっぱなしだったのだ。その状態で練習して、その後重いスネアを片手に、青森に送る予定だった銘菓ひよことユーハイムのバウムクウヘンを買うため高島屋などをうろうろしているとどっと疲れが来て、とにかく家へ帰りたいと思ったのだが、電車を降りると想定外の雨が降っていたのでさらにいやんなっちゃって、四時半に家へ帰ると泥のように眠った。
起きたのは八時。これはまずい。というのも今日は八時から横浜でゼミの飲みの予定があったからだ。だから今電車。もう本当にやんなっちゃう。
3月4日(土)
今日は長姉の誕生日。直木三十五歳である。だが、歳のわりに若いと思われる。成人式の写真を見せてもらったことがあるのだが、そのときからほとんど変わっていない。まあ成人式の写真が老けてるっていうのもあるんだけど。まあとにかくおめでとう。
昨日はゼミの飲みだったが、昨日の日記を書いた後に駅のエスカレーターでつまづいて手と膝をついてしまった。まあ、比較的たまに、乗り換えに焦ってつまづくことはあるのだが、今日は二回連続でつまづいちゃった。すんごく恥ずかしかった。穴があったら入りたかった。「穴があったら入れたいね」っていうのは高校のときに野球部のおもしろツートップの二人が言ってたギャグである。
明日は、確かに、お口の中が、デンジャラ祭りじゃー。デンジャラ祭りだわっしょいわっしょいデンジャラ祭りだわっしょいわっしょい。
3月6日(月)デンジャラ祭りvol.3
おれらの前に演奏したシェリーズの『浮く足』を聴いている最中、おれは泣きました。音楽を聴いて泣いたのはブルーハーツの『TOO MUCH PAIN』以来だと思います。『浮く足』を聴いていたら、ただいつものように聴いていただけなのに、身震いして、ついにぶわっと涙が出たのです。それからスマイルというバンドに関わってから今までのことがフラッシュバックして、気づいたら涙は止められなくなっていました。止めようとすると頬が痙攣して情けない顔になってしまうので思い切って泣いちゃうことにしました。好きだった人の顔とかも。どうやら『浮く足』を聴きすぎていたようです。デンジャラ後、家に帰って即『浮く足』を聴いてみました。したらまた泣いちゃったよ。このシェリーズのいじめっこめー。今度はおれらが泣かせてやります。がんばります。
3月13日(月)
青森に帰っておりまして日記をかなり休んでおりました。すみません。
今回の帰省は充実していた。路上の雪が溶けていて車が楽に運転でき、いろんなところにいけたというのが大きい。ボウリング。三回行った。ハイスコアが出た。190点。これはうれしかった。パチンコ。これも三回行った。負けて勝ってトントンになった。単なるひまつぶし。ひまだったからいいのだ。温泉。三カ所行った。フラワー温泉と徳の湯と湯〜ぽっぽ。他の二カ所はだめだったけど湯〜ぽっぽの泉質は僕の肌に合った。たまごの殻を剥いたみたいな肌が一日持続した。あんなことは初めてだった。岩盤浴というのをした。さらさらの汗が出て気持ち良かった。また行きたい。マエダストア。地元のスーパー。広い駐車場で駐車の練習をした。うまくなったと思う。車が欲しい。バッティングセンター。一日目にサッカーの的当てでパーフェクトを出した。気分は最高。バッティングもした。次の日は足のつま先から頭のてっぺんまで筋肉痛だった。つま先や頭のてっぺんに筋肉はあるのかはわからないけど、とにかく体中が痛かった。二日目。さすがに体が動かずサッカーの的当ての前に屈服した。三日目。友達と行って、コンビでやるゲームをクリアした。県観光物産館
のアスパムにいった。小学生時代以来だ。そのときよりずいぶんこじんまりとしているように思えた。元気もない。そこで女子カーリングの岡山県チームを目撃した。この人等がトリノ代表だったら今よりもカーリングは注目されていなかったと思った。青森チームに比べて見た目がきれいではなかったのだ。以上が車で行ったいろいろな場所。
他にも行った。スイミングスクールに九歳になったばかりの姪を連れていった。ちゃんと泳いでいた。背泳ぎ。びっくりした。バタ足の力が強いらしく無意識に他の生徒を追い抜いてしまっていた。ボウリングにも姪を連れていった。彼女は77点だった。九歳にしてはうまかった。姪と姪の友達のユウカちゃんと家で三人で遊んだ。ジェンガで負けた。
ばあちゃん家に母親と二人で行った。早朝、バスで行った。ばあちゃんは野田の居候先に米を送るといって聞かなかった。八回くらいは言っていた。しあさってで八十歳。まだまだいきるだろう。しこたま。いとこ達とボウリングに行った。
野球部に二回顔を出した。部員たちは僕のことを一応おぼえていたらしい。よかった。彼らは黙々とウェイトトレーニングをしていた。僕も一緒にベンチプレスをしたらまた次の日に筋肉痛になった。まだ若いということらしいな。
今回は二日しか飲みに行かなかった。別に行きたくなかったからだ。ただ会いたい人がいた。会った。自分が彼女を好きだということを再確認した。間違いなく大好きだ。予期していなかった人とも飲んだ。案外話せる。地元の銀行で働くらしい。
美容師をやっている友達にタダで髪を切ってもらった。彼女はまだ見習いなので僕はかっこうの練習台だった。でも頭はかなり満足な出来だった。これからもきっとうまくなる。がんばってほしいと思った。
そういうことで今日の23時に野田に帰宅した。疲れてはない。今回はいつも以上にリフレッシュできた帰省だった。おやすみなさい。
3月14日(火)
ホワイトデーだった。基本的に関係ない。僕にとってはスケジュール帳がホワイトな日だった。と思いきや、スマイルのスタジオ練習が入っていた。全然ホワイトデーじゃない。
フィリピンに帰っていた、いや、タイに旅行に行っていた荒井がおみやげをくれた。トリガリコーンのようなお香が50個くらいとあっちのインスタントラーメン。どうやら辛いらしい。荒井はあっちで辛い料理を食べて、痔になりかけたという。カプサイシンはたまに恐ろしい。僕はいつかの寒い冬の夜に、唐辛子をさやごと靴下の中に入れて、横浜の街を「ふんふんふんふん、あったかいぜい」とか思いながら歩いていたら、そのうち唐辛子のさやが割れて細かい唐辛子の子分たちが暴れてしまい、つま先をやけどしたことがある。低温やけど。本当に痛くて風呂に入れない。かといって水は冷たい。カプサイシンがいつまでもつま先に滞留する最悪な夜だった。
今日の練習はなかなか集中してやれた。メトロノームを半分にしてやったらいろいろな曲が楽しくやれた。学生生活最後のライブの曲決めもしたし、あとは個人練あるのみ。
練習のあと、荒井、しゅうごと一緒にマイクを見に行った。それは荒井の日記参照ってことに。二人が帰った後僕は渋谷に残り、買い物をした。久しぶりの買い物。新しい麻生地の靴、新しい眼鏡(ダテ眼鏡としては結構払った)、新しいジッポに、新しいスウェットシャツを買った。すっきりした。
明日は会うべき人と会って、それから飲むべき人たちと飲む。早く寝たかったが、飲みが僕主催なので店を決めたりしなくてはならなくて時間がかかった。
荒井のくれたお香をさっそく焚いてみたら煙がすごくてむせた。思わず窓を開けた。寒い。タイ→お香→寒い。風が吹けば桶屋が儲かる。タイは寒い。
寝る。明日、是非「笑っていいとも」をみて下さい。僕が映るかも。おやすみなさい。
3月18日(土)
昨日携帯を替えた。お知らせメールをするのが大変だった。新しい携帯で使い勝手がよくわかってなかったし、メールの数が多くてくたびれた。風呂にも入らず寝てしまった。
今日はスーツを買いに行った。家のお母さんが就職祝いに買ってくれると言うので家族総出で買いに行った。自分の気に入ったものと、家族(おそらく一般社会人の代表)のそれとは少なからずズレがあった。イライラしたがお金を出してくれるのだからしょうがない。早く自立したい。
3月19日(日)
今日は暦によると「ミュージックの日」らしい。由来はわからない。そして「トークの日」でもあるらしい。たぶん19日だからだろう。でも別に三月じゃなくていいんじゃないか。
ワールド・ベースボール・クラシックで日本が勝って韓国が負けた。六回までの日本は嫌な流れの中にいた。点が取れそうで取れない展開。前の試合もそうだった。しかし七回福留のホームランで先制。2対0。ここまでなら韓国も追いつけていたかもしれない。しかし野球はたったの一球で、流れが大きく変わることがある。次の小笠原に対する初球のデッドボールが今日のキーポイントだった。
眠い。本当は延々と野球の話をするつもりだったが、それが面倒になってきた。江川か誰かに聞いて欲しい。
明日は箱根に男だらけで温泉旅行。非常に楽しみだ。おやすみなさい。
3月20日(月)
今日は男だらけの大箱根祭りの初日で、これは明日まで続く。我ら七人の侍。最初は四人で現地(ホテル)集合で七人になった。まだ一日目だが、お天気良好、体調良好、具志堅良好で、さらにハプニング満載、笑い満載、食いしん坊満載で素晴らしい旅となっている。
まず朝の十時半の東海道線に乗って小田原まで行った。初めてグリーン車に乗った。他の客が無口だからなのか、それとも車両自体の静粛性がいいからなのかわからないけど、とても静かで話し声がよく通った。ビールで乾杯して、湘南の海がキラキラ輝いているのを眺めながら旅を満喫し始めた。しかし電車はあっという間に小田原に着いた。小田原がもっと遠かったらよかったのにと思った。
時間がたっぷりあったので小田原城に行くことにした。小田原城に向かう途中で友達の一人が、工事の囲いにしてあったビニールテープに脚をからめて転んだ。「転んだ」というよりは「転んでいた」という感じだった。先を歩く僕らが「ドタ」という音を聞いて後ろを向くと、彼は脚を二本ともからめてうつぶせに転んでいた。彼はまるで貧血で意識を失い倒れてしまったかのように、「気を付け」の姿勢で転んでいた。しかしどうやったら脚を二本ともからめられるのだろうかと感心した。今でも想像するだけでおかしくてしょうがない。
小田原城には動物園がある。僕らは動物の写真を撮りまくった。毛付くろいしている猿の親子、中途半端に羽根を開いている(あるいは羽根を閉じれなくなった)孔雀や、座ったまま寝る山羊や、どこにいるかわからないアライグマ(従って檻しか撮れてない)や、アホほどいる鳩達を携帯電話のカメラにおさめた。
小さな動物を一通り撮り終わったあと、僕らはメインイベントの象に取り掛かった。小さな雌の象。砂浴びをしない春の象。とても温厚そうな目をしている。こちら側にある池にゆっくりと歩いてきた。どうやら水を飲みに来たらしい。僕には前から疑問があった。「象は鼻から水を飲むのか、それとも鼻で汲んできて口に運び飲むのか。」それを確認してやろうと目を凝らした瞬間、ビシャッ!はっはっは。ハプニング。象に水を掛けられてしまった。水の量は大量だったらしく俺らの服と鞄はびしょ濡れになってしまった。しかも獣臭い。これは象の鼻水の匂いなのか。象の目はしてやったりのニヤニヤした目に見えた。結論。象は水を飲まない。人にかける。
一時三十五分にホテルの近くを通る路線バスに乗った。湘南の海と同じく、川がキラキラしているのを眺めながら僕らはビールを飲んだ。前の席に座った女連れの白人男がチラチラこちらを見てきた。東洋人がビールを飲んで何が悪いか。バスは一時間と少しでホテル前の停留所に着いた。素晴らしくうらびれたホテルだった。その名も「ホテル箱根パウエル」。誰もが中日ドラゴンズのパウエルを思い出した。部屋に案内されたがまあまあの部屋だった。部屋に着くなり一人が寝た。どうやら箱根の葛折りとアルコールに酔い潰れたらしい。
そいつを置いてパターゴルフをしにいった。通常は六百円の料金を取られるらしいが、先日の暴風で芝生がめくれたらしく無料で遊べることになり、僕らはそれぞれパターとボールを持ち意気揚々とパターゴルフ場へ向かった。うむ。ひどい。大体のホールはどこかしら人工芝がめくれていて、第3ホールは穴しかなかった。それに標高800mの夕方は寒かった。手がかじかみそうだった。それでも少額の賭けをしながら日没まで遊び続けた。
凍えた体を温めるに温泉に入った。白濁した湯ですごくいい風呂だった。現地集合の奴らが到着し全員そろったところで飯を食い、食後に賭け卓球をし、ビールとウィスキーと焼酎を飲んだところで眠くなった。都合のいいことに賭けで負けた額を忘れてしまった。他のみんなも忘れてしまった様子だ。ということで寝る。おやすみなさい。明日は十時チェックアウト。
3月21日(火)
しゃっくりが止まらない。C-C-Bの「ロマンティックが止まらない」ばりに止まらない。「だ・れ・か、ぼくのしゃっくりと・め・て、ぼくのしゃっくり胸が胸が苦しくなるぅ♪」といった心境である。実は昨日の朝からずっと止まらない。まあたまには止まるけど、忘れた頃にまたやってくる。1日86400秒、2日で172800秒。だいたい十秒に一回。止まっているときがあることを想像しても昨日と今日で一万回以上はいっている。苦しい。
今日は男だらけの大箱根祭りの最終日。八時に叩き起こされ朝食へ。軽い二日酔いだったが食欲は落ちていなかった。小田原特産(?)のアジの干物でご飯四杯食べた。ホテルにしては味噌汁もおいしくてうれしかった。朝食後風呂に入り、十時にチェックアウト。そして芦ノ湖に行った。芦ノ湖ではスワンボートを漕いだ。三十分漕いで地上に戻り、おかしくなった平衡感覚と戦いながらバス停まで歩き、バスに乗った。小田原に戻り駅前のビルの鉄火丼屋でWBCを観戦しながら飯を食った。店の大将に「最後まで観ていっていいよ」というありがたいお言葉をかけてもらったが、そうなると帰りが遅くなるので店を出た。そうして僕らの男だらけの大箱根祭りは幕を閉じた。
横浜に戻って大学に行き、卒業者名簿をみた。自分の学籍番号を確認し安堵したものの、学生生活もあと十日で終わってしまうと思うとどこか哀しくなり、キャンパスを改めて見て回ろうと思った。講義棟は締まっていたので野外音楽堂に行って枯れた芝生に寝そべってみた。ここでシュウゴが衝撃的なキスを見せてくれたなあなどと思った。野音のステージのほうをじっくり見てみると池があった。こんなところに池なんてあったかな。たぶんなかったはずだが、以前までそこになにがあったのかは全然思い出せない。切ないものだ。二十四日は卒業式。
3月22日(水)
今日は学生生活最後のライブだった。場所は渋谷サイクロン。来てくれたみなさんありがとう。やはりライブは最高に気持ちいい。ミスしてもお客さんがのっていなくても気持ちいい。恥ずかしい話、自分たちに酔っている。僕はもはや重症なのである。しかし、前にも書いたがこれでは自慰行為だ。もしくはアメリカだ。下手すぎる。うまくならなければならない。たぶん、もっともっとリズムやテンポやフィル(全部だ)を安定させたら、お客さんに満足顔で帰ってもらえるんではないかと思う。ごく簡単に書いたが、決して簡単なことではないというのはわかっている。練習しよう。
打ち上げはスマイルとエクセラのツネとピッグのぶーたくんとで飲んだ。リリーフランキー似のツネは明日模試なのに飲み過ぎてくれた。そこに彼の生き様を見た。素晴らしい。ものっすごいイケてるメンのぶーたくんは半年前から傷心なのに終電を逃してくれた。ナイス。ステージ上(咆哮)と飲みの席(温厚)とのギャップがすごい。もっと前に飲むべきだったと思った。そしてスマイルメンバー。荒井が結婚したいと言っていたような気がする。シュウゴが僕に対してすごくアツいことを言ってくれて、僕もわざわざメールで「おれも」って送ったんだが残念ながらなにが「おれも」なんだかはっきり覚えていない。ヤンが言ったことは覚えているが切なすぎて書けない。だから、しおりちゃん合格おめでとう!
明日は代々木でシェリーズワンマン。楽しみだ。おやすみなさい。
3月23日(木)
まず今日はシュウゴカップルの三年目の記念日だ。すごい。おめでとう。これからも僕らを楽しませてください。シュウゴラヴ語録に新たな頁を期待しています。
そしてシェリーズのワンマン。また泣きそうになったが後ろでヤンが泣いていたので我慢した。やっぱりね、曲が感動的なんだな。一曲の中に映画が一本見える。すごいよシェリーズ。
3月24日(金)
今日は卒業式。ついに小学校以来16年の学生生活が終わった。なんだか物悲しい。
卒業式、卒業パーティのあと、アートスクールのライブを観に行った。木下理樹とあと二十センチの位置まで行ったけど、彼は小さかった。ライブ前は暗いオーラが出ていた。ライブはフレンドリーで意外だった。ライブ中隣りの女子高生が貧血かなんかで倒れて焦った。頭を打つと危ないので抱き締めてあげた。ライブは古い曲がイントロを中心にアレンジされていて乗り切れなかったが、サビに行くとやっぱりグッときた。アートスクールはやっぱりいいな。
ライブのあと、ゼミの飲みの三次会に行った。野田と中山が感きわまって泣いた。感動的だった。やっぱり仲間はいい。
3月26日(日)
卒業式が明けて、ぼーっと土日を過ごしていたら、僕のだらしない学生生活もあと一週間なわけです。最後の一週間はすることがいっぱいです。
明日は市役所に行って卒業証明書を出し、奨学生支援機構に電話して奨学金の返還手続き、郵便局へ行って友達に公務員学習の教科書を送りつけ、部屋のかたづけをする。出来れば模様替えもしたい。
二十八日火曜日は映画かなにかを見に行って、桜木町に飲みに行く。朝まで。
二十九日水曜日はオール明けの時間を潰しつつ、夕方に足袋´sを見に行って帰る。
三十日木曜日はフリーなので読書でもしよう。
三十一日金曜日は檸檬の会に出席予定。
一日土曜日は青森から姉貴たちと姪たちがディズニーシーに来るので接待する。
二日日曜日は前日の流れを受けてなにかあるに違いない。
そしてその夜が明けたら、社会人だ。満員電車に乗る時は手を上にあげて痴漢と間違えられることを回避し、迫って来る未成年の女子には誘惑されないようにし、飲み屋ではあまりドンチャン騒ぎしないようにし、セクハラで訴えられないように働く仲間との会話でも軽々しく下ネタを言ったり「女の子」などと言ったりしないようにし、インサイダー取引の誘惑に負けないようにし、髪は刈り上げにし、ネクタイを真っ直ぐにし、シャツの襟の汚れには気を付け、勤務中に携帯電話を使わないようにし、どんな場所でも席次に気を使って生きなければならない。大変だ。
3月29日(水)
昨夜は(というか今日の午前0時半から)、二年前に辞めたはなの舞桜木町店の飲み会に行った。おれをはじめ既に辞めている人、また今月で辞める人、それにいま働いている人が参加した。久しぶりに昔のバイト仲間に会えたことはうれしかったし、楽しかった。
八時間におよぶ飲み会のあと、まだヤンにしか言っていないようなことで時間を潰し、足袋´sのライブをみるために中華街のリザードへ向かった。足袋´sの前にマリコフというバンドを観た。以前夜間押しボタン式のイベントでご一緒させていただいたハニーレモンティジンクスのギターボーカルさんの他のバンド。曲がかわいくて、声も遊んでいて、アレンジも柔らかで、コーラスが効果的だった。ものすごく親密な雰囲気で聴けた。正直に言うと、ハニーレモンティジンクスはそんなでもないなと思った記憶があるけど、マリコフは素晴らしかった。好みの問題だ。また観たい。かわいらしいダンスをもう一度。CDなどがあったら寝る前に聞きたい。
足袋´sはやっぱりシュウゴがいるということもあり、観ていると「おれらにもライブやらせろ」という気持ちに直結した。「くそう杉田、そんなところでバッチシおかず決めやがって」と何度も思った。キックもよかったし。ベースは男らしい音で、ものすごく好きだ。ロックンロールって胸のあたりに心地いいんだな。ギターのことは、おれにはわからない。ボーカルは二人ともいい声だ。
シュウゴのロックンロールの曲はリフがかっこいい。曲始まりだけでテンションが上がってしまう。でも本当に正直にいうと、サビが少しさびしい気がした。急に爽やかになったりするでしょう?そこをもっとロックンロールでごり押しする曲があってもいいんじゃないかと思ってみたりした。まあ、ちょっと感じただけだから気にしなくてよし。
もう寝たい。おやすみなさい。けどまだ電車。
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