心理学用語

文化的自己観

文化的自己観(cultural self-construal)とは、文化によって異なる「自己」の捉え方です。文化的自己観は、アメリカの社会心理学者、ハンス・アイゼンク(Hans Eysenck)によって提唱されました。アイゼンクによれば、文化的自己観には、独立的自己観と相互依存的自己観の2つのタイプがあります。

独立的自己観は、自己を他者から独立した存在として捉える自己観です。このタイプは、主にアメリカやヨーロッパなどの西洋文化で見られます。独立的自己観の人は、自分の能力や価値観を重視し、他人と比較して自分の優位性を示す傾向があります。また、独立的自己観の人は、個人的な目標や夢を達成することに重きを置いています。

相互依存的自己観は、自己を他者と密接に関係している存在として捉える自己観です。このタイプは、主に中国や日本などの東洋文化で見られます。相互依存的自己観の人は、自分の役割や関係性を重視し、他人と協調して行動することに長けています。また、相互依存的自己観の人は、集団の目標や成功を達成することに重きを置いています。

文化的自己観は、人間の行動や思考に大きな影響を与えます。独立的自己観の人は、自己主張や競争に積極的である一方、相互依存的自己観の人は、他者への配慮や協調に積極的です。また、独立的自己観の人は、個人的な目標や夢を達成することに重きを置く一方、相互依存的自己観の人は、集団の目標や成功を達成することに重きを置いています。

文化的自己観は、文化の違いによって生まれます。西洋文化は、個人主義を重視する文化であるため、独立的自己観が生まれやすいです。一方、東洋文化は、集団主義を重視する文化であるため、相互依存的自己観が生まれやすいです。

文化的自己観は、人間の行動や思考を理解する上で重要な概念です。文化的自己観を理解することで、異なる文化の人とより効果的にコミュニケーションをとることができるようになります。

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文化的自己観


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