心理学用語

保有効果

保有効果とは、自分が所有しているモノに対しては価値が上がり、手放したくない思いを抱く心理現象です。これは、1970年代にノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラーによって提唱されました。

保有効果は、様々な場面で観察されています。例えば、ある商品をもらった場合、それを自分で購入した場合よりも価値を高く感じることがあります。また、ある商品を所有している場合、それを売却する際には、自分が払った金額よりも高い価格を希望する傾向があります。

保有効果は、いくつかの要因によって生み出されます。一つは、所有することで得られる満足感です。人は、自分が所有しているモノに対しては、愛着や満足感を抱く傾向があります。この満足感は、モノの価値を高く評価する要因となります。

もう一つの要因は、損失に対する恐怖です。人は、自分の所持品を失うことを恐れています。この恐怖は、モノを手放すことをためらわせ、モノの価値を高く評価する要因となります。

保有効果は、マーケティングにおいても重要な概念です。企業は、保有効果を利用して、消費者に商品をより多く購入させることができます。例えば、企業は、消費者に商品を試用してもらうことで、保有効果を高めることができます。また、企業は、消費者に商品を返品可能であることを伝えることで、保有効果を低減することができます。

保有効果は、消費者の意思決定に大きな影響を与える心理現象です。企業は、保有効果を理解することで、消費者の意思決定を促進し、より多くの利益を得ることができます。

参考URL:

保有効果とは?行動経済学者による実験を紹介


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