究極的な帰属の誤り
究極的な帰属の誤り(fundamental attribution error)とは、他人の行動を説明する際に、その人の内的な性格や能力などの要因を過度に重視し、外的な状況や環境などの要因を軽視する認知バイアスです。
究極的な帰属の誤りは、1968年にアメリカの心理学者ノーム・アンダーソンによって提唱されました。アンダーソンは、他人の行動を説明する際に、私たちは2つの異なる要因に注目していると指摘しました。1つは、その人の内的な要因、つまり性格や能力などの要因です。もう1つは、外的な状況や環境などの要因です。
アンダーソンの実験によると、私たちは他人の行動を説明する際に、内的な要因を過度に重視し、外的な状況や環境などの要因を軽視する傾向があります。例えば、ある人がテストで良い点を取った場合、私たちは「その人は頭が良いから」と考えがちです。しかし、その人がテストで良い点を取った理由は、勉強をよくしていたから、あるいは良い先生に教えてもらったから、など、外的な要因も考えられます。
究極的な帰属の誤りは、日常生活の中でよく見られる現象です。例えば、遅刻した人に対して「あの人はいつも遅刻する」と決めつけてしまうことがあります。しかし、その人が遅刻した理由は、交通渋滞に巻き込まれたかもしれないし、急な用事ができたのかもしれないし、様々な可能性があります。
究極的な帰属の誤りは、私たちが他人を理解する上で、大きな障害となることがあります。他人の行動を理解する際には、内的な要因と外的な状況や環境の両方を考慮することが重要です。
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