走行メーター改ざんに気を付けよう
物を売買することで利益を得るといった商売をしている場合には、物を安く仕入れて高く売ることで利益が大きくなります。
これは車の場合も同様ですが、特に中古車を購入する時には、この安く仕入れて高く売るといったビジネスモデルが色濃く出ているため注意が必要です。
中古車は保証が付いていないことも
日本であれば、日本のメーカー車や日本で正規販売店を持っています。
海外メーカーの車であれば、全てはメーカーが関与している販売店で売られているので、どのような車であっても、一定の水準の保証を受けることができますし、またそれらの正規販売店以外から購入しても、新車時に受けられる保証が付いてきます。
一方で中古車の場合には、そのようなメーカー保証が付かないこともあり、また保証制度も販売店が独自に付けるためバラバラであり、注意が必要です。
走行距離の改ざんはやろうと思えばできてしまう
車売る際にも走行距離の長い車は安く買い取られます。
本来、安く買い取られた車は相応の値段で販売されるわけですが、このさいの値段を決めるのが走行距離や年式になります。
年式に関しては車検証に記載されているため改ざんの余地はありませんが、走行メーターに関しては、残念ながら改ざんの余地があります。
特にアナログの走行距離を採用していた時代において、走行距離の巻き戻しといった悪質な行為を行っていた中古車販売店も多くありました。
このような問題に対処するために、近年ではデジタルメーターを採用しており、簡単には走行距離の誤魔化しができないようになっていますが、それでも行おうと思えば可能です。
ただ何もかも疑って掛かっては中古車を購入するということができませんし、また業界団体も健全な中古車販売をするために一定のルールを決めていますし、それらを防ぐための工夫も行われています。
過走行車だと高額で売るためにメーター改ざんされることも
一般的に中古車販売店で売られている車の殆どはオートオークションで販売されている車になります。
一部には自社で下取りしたものや買取ったものも売られていますが、それだけでは中古車販売店として、車を用意するには数が足りません。
オートオークションは全国のオークション会場で行われていますが、主催者は各都道府県の公安委員会が認可している卸売市場ですし、また出品される車もチェックされています。
殆どは買い手が付くであろう車が出品されていますが、中には問題のある車も出品されています。
問題のある車は買い取る側にとってもリスクが高いので安い金額でしか取引されませんが、一方で売られる値段は必ずしもこの安い金額に比例したものではありません。
問題のある車として考えられるのが過走行車、走行距離不明車、事故車、粗悪車、不動車などです。
過走行車の基準としては一般的な乗用車の走行距離が1年間1万キロと設定されており、年式に対して遥かに走行距離が長い車を指します。
また走行距離不明車は走行メーターが改ざんされた可能性がある車で、正確な走行距離がわからないものです。
事故車は見た目は問題にないにしても、フレームまでに影響がでる事故によって修理交換をしたものです。
走行に問題がない車も中にはありますが、多くのケースでは何らかの癖が付いており、運転時に違和感を感じる車です。
また粗悪車や不動車というのは、何らかの理由によって車が著しく傷ついていたりエンジンがかからないといったものです。
オートオークションでメーター改ざん車を掴まないために
いずれにしても問題のある車はそのまま販売しても、やはり素人目にも高く買おうという気にはなりません。
そのため悪質な販売店は高く売れるように工夫することになります。
そのひとつが過走行車のメーター改ざんです。
また事故車であるにもかかわらず、その事実を通知しなかったり、無事故車として販売するといったケースです。
このような行為は、中古車販売業の信頼を失わせる行為であり、まっとうに販売しているお店も信用が傷つけられる恐れがあります。
このためオートオークションでは問題のある車は出品できないように制限を掛けているところもあります。
しかし、これらの努力を行っても不正がなくなったわけではありません。
特に走行距離の改ざんは簡単に行えます。
ただ対策が行われていない時代に比べてその程度はやや軽減しています。
というのも、車検証には車検時の走行距離が記載されるようになっているからです。
このため車検時の距離よりもマイナスになっているというのは、メーターの巻き戻しを行った証拠になります。
現在ではこの制度のおかげで、少なくとも新車同然の走行距離まで巻き戻されるといったケースはほとんどなくなっています。
このような走行距離の改ざんは行われている可能性のある車は大手の中古車販売店であれば購入することはありませんが、中小の販売店では紛れ込む可能性も否定できませんから、購入するさいには優良販売店を選ぶ必要があります。
特に中古車はその性質上、自動車メーカーよりも販売店に責任を持ってもらう必要があるため保証を付けてくれるところを選ぶのもポイントです。
<関連項目>