車のエンジン廻りの名称やパーツ、症状についての解説
セルモーター
エンジンを始動させる為にクランクシャフトを回転させる電装部品です。
セルモーターには、ピニオンギアに直接のモーターの動力を伝える直結方式とアイドルギヤを利用するリダクション方式、プラネタリギヤを利用するプラネタリ方式があり、リダクション方式が主流です。
セルモーターは、一般的にバッテリーの電力を使用しますが、マニュアル車の場合には押しがけでもエンジンは始動します。
バッテリー
エンジンコントロールユニットやセルモーター、エアコン、ランプ類、カーナビなどに必要な電力を蓄電しておく蓄電池であり、濃度35%前後の希硫酸に鉛及び鉛合金の電極を浸した鉛蓄電池が主流です。
プラグインハイブリッド車やハイブリッド車にはリチウムイオン電池が搭載されています。
バッテリーは、性能ランク、短側面サイズ、長側面サイズ、端子の位置の順で品番が表示され、バッテリーの品番の先頭の数字が大きい程始動能力や蓄電量が大きくなります。
オルタネーター
一般的にエンジン回転を動力源として交流電力を発電する電装部品であり、ダイナモにより交流電力が直流電力に変換されバッテリーやコンデンサーに蓄電されますが、オルタネータを搭載していないプラグインハイブリッド車やハイブリッド車も増加しています。
オルタネータには、内部ファン式のコンパクト型オルタネータと外部ファン式のシャーシ型オルタネータの2種類があります。
ダイナモ
オルタネータで発電された交流電力を整流子を用いて直流電力に変換する整流子発電機の事です。
エンジンマウント
エンジンを固定する為の金属部分とエンジンの振動を大幅に軽減する為のゴム部分で構成される左右2箇所の連結部分です。
現在では制振効果を有する液体を封入した複数のチャンバーや電子制御型などもあります。
FF車両は、特に経年劣化によるマウントのゴム部分の性能低下が大きく、5年及び走行距離6万kmが目安とされています。
イグニッションコイル
一般的な国産自動車の12Vのバッテリーの電圧をスパークプラグの放電に必要な20,000〜35,000Vの高電圧に変換する変圧器であり、約0.3〜0.6mmの電線を約100回〜200回巻いた1次コイルと1次コイルの10分の1に相当する約0.03〜0.06mmの細い電線を1万回〜2万回巻いた2次コイル、1次コイルと2次コイルを巻きつける鉄系の軸で構成されています。
O2(オーツー)センサー
エンジンコントロールユニットがエンジンの燃焼状態の確認及び燃料噴射量、混合比などを適切に維持するだけで無く、燃費性能や環境性能などを向上させる為に排気ガス中に含まれる酸素の量を測定する装置であり、エキゾーストマニホールド直後の排気ガスを綺麗にする触媒の前に設置されています。
インジェクター
エンジンの内部に取り付けられているガソリンや経由を噴射させる装置のことであり、内部で酸素と燃料を混合させる前段階で噴射を実行します。
1分の間に噴出される量を500ccという数値で表現し、数値が大きくなるほど消費量が多くなるという仕組みです。
エアクリーナー
車のエンジン吸気部分に付いている装置で空気中のゴミを取り除く役割をし、汚れたら定期的に交換する必要があります。
交換の目安は2万km〜5万kmで、空気の汚れ具合によっては交換時期が早まる場合も。
エアーエレメント、エアーフィルターと言われることもあります。
エアクリーナーが無く、ダクトから直接的に吸い取ってしまうと、埃やゴミも取り込んでしまうので心臓部が破損し走行はおろか始動すらままならなくなります。
ラジエーター
エンジンルーム内において最前部に設置が行われており、循環によって高温状態にある冷却水を冷却する意味合いで設けられています。
走行時の向かい風を利用し冷やしオーバーヒートを予防する目的があるため、渋滞時などはオーバーヒートに見舞われやすく注意が必要です。
インタークーラー
インタークーラーとは主にターボ車に搭載されていて、空気を冷却して酸素の密度(充填効率)を高める役割をしています。
ターボは一度燃焼させ排気ガスになった物質をタービンで圧縮しコンプレッサー側で空気を圧縮し燃焼させることでエンジンパワーを上げています。
その圧縮された空気は高温になり酸素の密度が下がるために、インタークーラーで冷却して充填効率を上げています。
ラジエターと同じく前部に取り付けられていることが多いため誤った捉えられ方をされることも。
水冷式と空冷式がありますが、現代では空冷式が大半を占めている状況です。
コンプレッサー
コンプレッサーとはインタークーラーと一対になっており、空気を圧縮させるための要として無くてはならない存在です。
おもにターボやスーパーチャージャー搭載車に使用されています。
タイミングベルト
タイミングベルトとはシャフトをギアに対して伝達する作用があり、10万キロを到達した段階で交換するのが目安です。
ベルトが切れたらエンジンへのダメージによって走行不能になる事が多いので、古い車両に長年乗っていると業者からタイミングベルトの交換を勧められることが多くなります。
タイミングチェーン
エンジンのクランクシャフトつまり芯の回転を、エンジンヘッドにあるカムシャフトバルブと言う給排気に関わるパーツに伝えて同期するのがタイミングチェーンの役割です。
エンジンにおいてはかなり重要な役割を担っている部品で、以前はタイミングベルトが主流でした。
タイミングベルトも静かでエンジンをバラす事無なく外から交換できるメリットはありましたが、10万kmを目安に交換する必要がありました。
タイミングチェーンは30万kmくらいまで持つとも言われており、国産車に限らず世界的にもタイミングチェーン式への移行は進んでいます。
ピストン
車の燃料と空気を混ぜたものをエンジン内部で爆発または燃焼エネルギーを動力に伝達するものです。
簡単に言えばエンジンは、燃料が点火または圧縮され燃焼爆発しピストンに力を伝えます。
ピストンが動くとクランク軸が動き変速機などを経てタイヤの駆動の力となります。
パワーステアリングオイル
ハンドルを軽くするためのパワステ用のオイルのことで、パワステポンプの潤滑として使用します。
交換時期の目安としては、5万kmから10万kmと言われますが、異音や違和感を感じた時には直ぐに交換します。
オイルフィルターエレメント
エンジン内部を循環するオイルは最初にフィルターを通ってから循環し、その際にオイルの汚れを取り除く役割を持っています。
フィルターが詰まっているとオイルの汚れが除去できないので、汚いオイルが循環する様になりエンジンを傷めます。
交換時期としては、オイル交換をする2回に1回の割合でします。
オイルレベルゲージ
その名の通りエンジンオイルの量を確認するためのものです。
オイルの残量を見る以外にも汚れなどを確認する時にも使用されます。
フラッシング
エンジン内に溜まった汚れを外に排出すると言う意味です。
エンジンオイルは使用しているうちに汚れオイルに吸収されないスラッジと呼ばれるヘドロや固形分がエンジン内部に溜まっていきます。
この量が多すぎると軸受け部の潤滑不要や放熱性の悪化などを招いてパワーダウンやエンジンノイズの増大または、燃費の悪化を招いてしまいます。
つまりこれらの汚れをオイル交換時に落とし新車時の状態に近づける事がフラッシングの目的となります。
クーラント
エンジンを冷やす目的があり、クーラント液を内部に通す事で発生した熱を吸収します。
吸収した熱はラジエターで冷やされ再びエンジンルームに戻されていきます。
正式にはロングライフクーラント(LLC)といい、寒冷地の凍結防止のためエチレングリコールが主成分の液体でできています。
普通の水道水でも代用可能ですが冷却効率は落ちます、凍結にも注意しましょう。
サーモスタット
温度調節をする装置の事で、設定された温度を保つような働きをします。
自動車はエンジンによって動きますが、エンジンが高熱になりすぎると故障してしまいます。
それを防ぐために、エンジンの周りには冷却水用の水路が用意されており、そこを冷えた冷却水が通ることでエンジンを冷ましています。
冷えた冷却水が常に流れていると、今度はエンジンが冷えすぎて効率が悪くなりパワーダウンにつながります。
冷却水を冷やし過ぎないために、エンジンが高熱になった時だけ冷えた冷却水を送る処理が必要です。その役割を担っているのが、サーモスタットです。
ガスケット
部品と部品の合わせ面に挟んで使用する薄い板状のもので、液体やガスなどが隙間から漏れるのを防ぐものです。
エンジンのシリンダー、シリンダーヘッドの合わせ面、マフラーの接合部、ウォーターポンプの締め付け面など、多くの箇所に用いられています。
オーバーヒート
エンジン本体の温度が熱くなりすぎた状態のことです。
正確には、エンジンの冷却水の温度が熱くなりすぎて、エンジンに障害が生じた状態です。
エンジンの冷却水であるラジエーター液は、エンジンを冷却してオーバーヒートしないようにすることと、エンジンが錆びるのを防ぐことの2つの役割を担っています。
オーバーヒートしてしまうと、エンジンが故障してしまい、最悪エンジンを総取り替えしなければならないので、かなり深刻なトラブルです。
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