第十四章 〜 S極とN極 〜
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「・・・世界ズ?」
隣りでいつきが小声でつぶやいた。その下に僕らの名前が書いてある。
『 せいたろう君の「せ」
磯野かんなの「か」
いつき君の「い」。
三人だから「ズ」がついて世界ズ 』
「・・・世界ズ・・・そうだよ・・・世界ズ・・・メチャクチャいいよ!!世界ズ!そうだよ!すっごいイイじゃん!世界を変える、俺が方舟でさ、せいたろうがアダム!磯野さんがイブ!それで新しい世界を変える!それに三人の名前でセ・カ・イなんて運命みたいだ!世界ズ!すげー!磯野さん才能あるよ!言葉を探す才能ある!世界ズ、いいじゃん!世界ズにしよう!」
「・・・うん、かっこいい・・・かっこいいけど・・・」
僕が入ってるいるのが嬉しい反面、僕がギターを弾くなんて出来る訳無いって言おうとしたけど、いつきはもう、それはすごいテンションだった。
すげーすげーを繰り返してメチャクチャなギターを弾いて喜んでた。磯野さんはどうか分からないけど、ドラムに座ったまま、ジッとしていた。