小説

著:やまももけんじ

『 方舟がキミを運ぶね 』

第十三章 ハグルマ

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第十三章 〜 ハグルマ 〜
P.13 


教室に戻る間も、皆が磯野さんを見る。僕もそうだった。髪の毛が灰色に見えること自体で珍しいのに、顔も隠れている、そして何より、他の町から来た初めての転校生。でも、本当に皆が注目する、皆が忘れられないことが起こるのは、まだまだ先のことだった。まだまだ先?一瞬のことだったような気もする。



第十三章 音源 /「雨が降る前の」を聴く


『 雨が降る前の 』

雨が降る前の 匂いが好きで

何か始まるようで 終わるようで


雨がやむ前の 匂い嫌いで

全てを持っていってしまうようで


雨が降る夜に 空見ると

流星のようで 無限を見るようで



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