小説

著:やまももけんじ

『 方舟がキミを運ぶね 』

第十三章 ハグルマ

目次はこちら

第十三章 〜 ハグルマ 〜
P.7 

「そ、そっか。いいよ、待ってる。一緒にやってくれるならいいんだ。でもさ、パートってどうしよう、磯野さんやりたいのある?今のところ、俺ベースやるし、せいたろうはギターと歌だけど、あっ、でも、もう一人ギターでもいいんだ。 女の子だからドラムは難しいかなぁ。でもドラムさえいればもう練習できるんだけどな。」

「いや、だからまだ僕はやるとか・・・・」

「磯野さんってやりたい楽器とかある?」

僕の言葉をかき消すようにいつきは話す。そして磯野さんはしばらく黙ったままだったけど、ゆっくりと綺麗な文字で書いた。

『 やったことないけど、ドラムやります。がんばります。

いつきより僕がビックリした。女の子がドラム?しかも磯野さんがドラム?

「うそ!!ドラムやってくれるの?!聞いたかよ、せいたろう!!!磯野さんドラムやってくれるってさ!!」

「あ、う、うん・・・」

次のページ

ページ: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13