小説

著:やまももけんじ

『 方舟がキミを運ぶね 』

第十三章 ハグルマ

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第十三章 〜 ハグルマ 〜
P.11 

「そろそろ行くか、次の時間プールだし着替えないと駄目だし。今日は平泳ぎだっけ?そういや、せいたろう泳ぎも下手だよな。はは。」

「うるさいなぁ、泳ぐのとか体育は昔から好きじゃないんだ。もうすぐ遠泳のテストあるし憂鬱だよ。また体育は2だよ、きっと・・・」

「磯野さんって泳ぎは得意?今日初めての体育でしょ?」

磯野さんが鉛筆で書いている時、なぜか変な違和感を感じた。

『 私、体育はできないんです。先生にもつたえてあります。

僕が口に出して呼んでいるといつきが起き上がって答える。

「えっ?そうなの?じゃぁ、ドラムって叩けるかな、けっこう激しい運動だったりするんだけど・・・・」

『 ドラムは大丈夫です。

「よかったぁ、早く一緒に練習したいよなぁ・・・」

ドラムは大丈夫?体育は出来ないのに?

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