第十七章 〜 スメル ライク イブ 〜
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『 初めてこういう音楽ききました。不思議な唄。 』
「不思議?そ、そうかもしれないね。僕も最初はよく分からなかったんだ。いや、今も分からないけど・・・なんかかっこいい感じだっていうのは分かるんだけどさ。僕なんか校歌くらいしか唄っていう唄を聴いたことがないから、ビックリしてさ。」
『 かっこいいです。ドラム、できるか不安です。 』
「いや・・・出来るよ!だ、だって、音楽室でやった時、ちゃんと叩けてたじゃない。すごいよ、本当にかっこよく見えたんだ。いつきと磯野さんだけで、もうバンドみたいだったよ!」
『 野崎くんはやらないの? 』
「ぼ、僕?・・・やりたい気もあるよ?でも・・・何度も言うけど、僕が歌ってギターを弾くなんてやっぱり出来ないよ・・・だって僕だよ?」
『 野崎くんだからいいと思う。 』
「僕だから?僕なんかが?」