第十七章 〜 スメル ライク イブ 〜
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「お、お母さんいる?!」
「なによ、そんなに慌てて。まだ何も出来てないわよ。」
「ち、違う。友達、連れてきたから家に入ってもいい?」
「あら、せいたろうが友達連れてくるなんて初めてじゃない?」
「違うんだって!あの・・・昨日話した磯野さんなんだ・・・」
「えっ?!あの、灰色の磯野さん?!」
「そうだよ、大きな声出さないでよ、外で待ってるんだ。カセットデッキで音楽聴くだけなんだ。普通の人なんだし、母さん絶対に変なこと言わないでよ!」
「ど、どうしたらいいのよ」
「いいから台所いればいいんだ。じゃぁ、呼んでくるから!」
「ちょ、ちょっと、せいたろう!」
後ろで何か言ってた気がするけど、僕は急いで戻った。