著:やまももけんじ
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第十七章 〜 スメル ライク イブ 〜P.1
第十七章 〜 スメル ライク イブ 〜 「い・・・いいよ。も、もちろん。でも、け、ケガ大丈夫なの?」 小さくうなづきながら申し訳なさそうに立っている磯野さんはまるで空みたいだった。空がヘルメットをかぶって、白いシャツとスカートを穿いて僕の目の前にいるようだった。 「お、お母さんに声かけてくるから、ちょっと待ってて。すぐ戻るから。」 慌てて玄関を開けてスニーカーを脱ぐ。片方のクツが玄関の上に上がる。それぐらい僕は慌てていた。
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