小説

著:やまももけんじ

『 方舟がキミを運ぶね 』

第十七章 スメル ライク イブ

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第十七章 〜 スメル ライク イブ 〜
P.12 

「い・・・いその・・・さん・・・」

戸をゆっくり開けると、散らばった茶碗を片付けている姿が見える。髪の毛が寝癖のように乱れていた。

「だ・・いじょうぶ・・・?」

僕が声をかけると、ゆっくりと立って、玄関へ来る。髪の毛の隙間から顔が少しだけ見える。目の横が赤く見える。それは、今出来たばかりの赤い色。玄関の横に置いてあったバッグからゆっくりとノートを取り出す。濡れて変形したメモ帳。その中のあるページを開いて僕に見せる。前に見たことのある文字。

自分を変えたい。

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