小説

著:やまももけんじ

『 方舟がキミを運ぶね 』

第十六章 グリーフ

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第十六章 〜 グリーフ 〜
P.12 

「また学校で変なこと言ってごめん。今日はゆっくり家で安静にした方がいいよ。明日は日曜日だし、一日休めば腫れも引くと思うよ。」

石を蹴りながら必死に感情を隠そうとしてた。いつもの自分。こんな僕がいつきと磯野さんと一緒にバンドなんて。しかもギターを弾きながら唄を歌うなんて。

僕の家が見えて来たころ。最後の石を水路へ蹴った。

「じゃぁ、磯野さん、げつよ・・・」

野崎くんの家で聴いて本当にいいんですか?

磯野さんのメモでまた僕の心臓は一層と早く動き始めた。全速力で走った時とかじゃないのに、同じくらい動いていた。

それが何なのか、その理由が何かなのか、分かるのはずいぶん先のこと。気付けたのは本当にずいぶん後だった。もっと早く気付いていれば何か変わっていたのかもしれない。



第十六章 音源 /「二重星」を聴く


『 二重星 』

今夜も星は キラキラ
その光はまるで killer killer

今日もアナタは 最高だね
今日もボクは Psychoだね

今夜も星は キラキラ
その光はまるで killer killer

今日もキミは 最高だね
今日も僕は Psychoだね



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