第十五章 〜 ホーム 〜
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「聞いたよ、母さんから。磯野さんの娘さんのこと。」
「うん・・・色々あったみたいなんだ。僕も知らないんだけど。」
「磯野さんと今日も話したけど、娘さんのことは何も言ってなかったな。てっきり普通の娘さんかと思っていたけどな・・・大変な思いもしてきたんだろう。」
「お父さん、しっかり聞いて下さいよ、せいたろうもちゃんと話しなさい。」
「だから言ってるでしょ、僕だって知らないんだよ。昨日転校してきたのに知る訳ないじゃないか。」
「先生は何か言ってなかったの？理由だって話さないと皆困るでしょ？」
「言ってないよ、自分で考えろって言ってた。」
「いや、磯野さんはしっかりした人だよ。今日だって、早速作ってきた新しいプログラムを試したんだが、それはスムーズだった。燃費も抑えられるし、作業効率だって、今までのと比べ物にならないものだよ。」
「ふーん・・・・スゴイ人なんだ・・・見かけはどんな人？」
「そうだなぁ、痩せているけど、芯はしっかりした人だな。父さんとは違うタイプだ。うーん、厳しい感じだな、まだ笑ったところを見ていないなぁ。」
「そうなんだ・・・離婚してて磯野さんがご飯作ってるみたいだけど。」
「・・・離婚だって？」
父さんと母さんが同時に喋った。僕と同じで離婚なんて、知ってはいるけど、身近にしている人がいないこの町では、きっと皆が同じ反応をすると思う。