第四章 〜エレクトリック〜
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そうだ。いつきじゃなかったんだ。カギだ!カギのことだったんだ。方舟のパスワードだ!そうか、そういうことだったんだ。でも、方舟が出来たのはいつきが生まれる前のはず・・・じゃぁ、あいつの名前って・・・あいつって・・・方舟って・・・・なんなんだ、あの工場は、なんなんだよ。方舟は本物の方舟なのか?なんなんだよ、なんなんだ?
結局、僕が学校へ着いたのはお昼だった。なんとか間に合った。自分がどう学校へ歩いていったのか覚えていない。でも、なんとか午後の体育の授業前に間に合うことが出来た。この学校では校庭でお昼を食べる人もいるから僕は自然な流れで学校へ入ることが出来た。下駄箱で靴を履き替え、いつきに会いに教室へ向かう。みんなは楽しそうに話していたりお弁当を食べているけど僕はクタクタで食欲もまったくなくて、ただただ、教室へ歩いて行ったんだ。たぶん、何人かは僕の異様な雰囲気を感じて振り返ったりしていたと思うけど。いつきのいるクラスへ着いた。中をみるといつきが一人外を眺めていた。めずらしく取り巻きがいない。僕はいつきの机へ向かう。いつきが僕に気づく様子は無い。
横に立ち、いつきを呼ぶ。
「色々と聞きたいことがあるから。」