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三郎は宿泊ホテルに戻っても「どうしても会いたいんや」と小百合のことで居ても立ってもいられない。真由美たちはなんとか話をそらそうとするが、悦子はますます落ち込むばかり。翌日ついに三郎は浩之にフォローを頼むと小百合に会いに行ってしまった。悦子は「ほうなんや」と言ったきりぼう然となったが、浩之もそんな悦子を複雑な思いで見た。ところがその夜、三郎は沈んだ表情で戻ってきた。久しぶりに会えた小百合は派手な外見でまるで別人のようだった。「夜の仕事」。さらに小百合は悪びれた様子もなく恋人と同棲していると打ち明けた。三郎は「ま、そういうこっちゃ」と平静を装ったがショックの色は隠しきれなかった。
翌日悦子は利絵から小百合に会いに行こうと誘われて驚いた。三郎が捨てたアパートの住所メモを拾っていたのだ。「実物すぱっと見てしもた方がえぇんよ」。利絵に引っ張られるように悦子はアパートに着いたが小百合は留守だった。ところが隣りの老婦人によれば、小百合は働きながら寝食を惜しんで絵の勉強を続けており、生活ぶりも慎ましやか。同棲相手などいないという。小百合はどうして三郎にあんな偽りの姿を見せたのか。悦子は早速三郎に伝えようとするが、多恵子に「嘘ついたのは理由あってのこと」と反対されて困惑した。
悦子は小百合のことを黙ったままの自分が後ろめたいまま、旅行最終日を迎えた。一方、松山では代表枠レースの当日。大野は練習のオーバーワークで体調を崩したまま、本番にのぞむことになった。仁美(石田ゆり子)は心配しすぎて応援にいく気になれなかったが、友子の「夫婦ってそばにいるだけでええんよ」の一言でふんぎりがついた。仁美がダム湖に着くと、すでにレースは抜きつ抜かれつのデッドヒートの真っ最中。「がんばって!いきまーしょいっ!」。最後の競り合いを制したのは大野だった。「勝った!ようやった」。根本と幸雄は喜びを爆発させた。 >>
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