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篠村悦子(鈴木杏)には夢があった。高校に入学して女子ボート部に入ること。しかし女子ボート部はすでに廃部していた。あきらめきれない悦子は、女子部を作るためメンバー集めに奔走する。彼女がそこまでボート部にこだわる理由。それは家出したときにはじめてボートを見たときの心がフルフル震えた、あの感動。そしてメンバーが集まった。矢野利絵(相武紗季)、菊池多恵子(岩佐真悠子)、中澤敦子(佐津川愛美)、中浦真由美(藤本静)。
この5人が後に伝説のボート部といわれるメンバーになって行くのだが、このドラマの撮影の裏には彼女たちの並々ならぬ努力が隠されていた。
このドラマを撮影がスタートする前、ボート部員を演じる役者のボート合宿が行われていた。出演者たちはもちろん全員がボート初心者。ボート協会からコーチを迎え特訓をすることになった。ボートを漕ぐことができなければ撮影に入れない。撮影開始から逆算すれば、練習時間は僅かしかない。限られた時間の中での特訓が始まった。
合宿初日。まずは陸上での機具を使った練習から。形を徹底的に叩き込まれる。ところがここで出演者にいきなり試練が訪れる。この日は陸上での特訓だけと思っていた出演者だったが、いきなりボートに乗れとの指示が…。不安を隠せないメンバーたち。「(ボートと足を固定する)足に巻いているマジックテープを閉めすぎないように。もしもの時に足が抜けなくなるから」とコーチのアドバイス。もしもの時とはもちろん船が転覆したときのこと。動揺を隠し切れない女の子たち。
不安をあおられながらの初めての船出であったが、出演者は驚きのオール捌きを見せた。ボートの前後にコーチを置いてとはいえ、すっかり自信をつけた出演者であったが、最終的には自分たちだけで、ボートに乗れるようにならねばならない。
朝から晩までボートを漕ぎ続ける出演者たち。かなりの疲労が見える中、ほっと安らぐひと時も。ある日地元の高校生たちが、バーベキューパーティーを開いてくれた。みんなに本当の学生のようにはしゃぐ。
そしていよいよ松山一高女子ボート部5人だけで、ボートを漕ぐ日がやってきた。出だしは順調と思った矢先、次々とトラブルが5人を襲う。悪戦苦闘するうちにボートは湖岸に流されていき動きが取れなくなってしまう…。
合宿最終日に向け、くる日もくる日もボートの練習に明け暮る出演者。手はマメだらけになりそのマメがつぶれた上に、またマメができていく。練習後はぐったりしてひたすら眠る女の子たち。
そしていよいよ最終日。ここでちゃんと乗れなければ、撮影に入れない。そして…そこには、バランスを崩すことなくぴったりと息を合わせて漕ぐ5人がいた。
つらい合宿を乗り越えた彼女たちの努力が画面に出ているのである。
そして、悦子たちは初めての大会での挫折を経験する。新しいコーチ仁美(石田ゆり子)と指導方法をめぐっての対立、幼馴染みの浩之(錦戸亮)らがいる男子ボート部との確執、そして悦子の中田三郎(田口淳之介)へのほのかな想い…。さまざまな問題に直面しながら、悦子たちの船は漕ぎ出していく。
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