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女子ボート部は退屈な陸トレにうんざりして、勝手にボートをこぎだして遭難騒ぎをひき起こした。おかげで仁美(石田ゆり子)からはコーチを断られ、男子部からは艇庫の使用禁止を言い渡された。悪いのは自分たちだから女子部員は顔を見合わせてはため息ばかり。キャプテンの悦子(鈴木杏)が男子部に謝るしかない。いざとなれば浩之(錦戸亮)が口ぞえしてくれるはずと部室の前まで来たら、中から悦子のことをけなす浩之の声が聞こえてきた。「ジャングルジムのてっぺんから突き飛ばしたんです」。じつは悦子との仲の良さを先輩たちにからかわれて、昔のケンカのことをとっさに口走ってしまったのだ。そんな事情とは知らない悦子はいきなり浩之の胸ぐらをつかむと「許さん!」と投げ捨てた。「あんたらのボートなんか、絶対借りん!」。怒りのあまり悦子は叫んでしまった。
これでは話をつけるどころか逆効果。「余計こじれてしもたがぁ」。近くの堤防に座った悦子、利絵(相武紗季)、敦子(佐津川愛美)、多恵子(岩佐真悠子)、真由美(藤本静)の5人はうなだれた。浩之もひそかに心配していたが、上級生の窪田(田中琢磨)に代わって第一クルーに抜てきされたプレッシャーでそれどころじゃない。ラグビー部で補欠にまわされて「いまどき年功序列か」とボヤく三郎(田口淳之介)とは大違いだ。男子部コーチの大野(池内博之)も元気がないのは、口論になった仁美が実家に帰ってしまったからだ。つまりボート部はコーチも部員もバラバラの状態にあった。
悦子はいつまでも落ち込んでいなかった。みんなで仁美の実家のうどん屋に押しかけて「また練習みてください」と頭を下げて、半ば強引に再びコーチをしてもらえることになった。仁美はまず男子部との関係を修復させようとするが、大野と顔を合わせるなり「ガキっぽい真似するな」「ガキっぽいのはどっちよ」と夫婦ゲンカ再燃。だから女子部も練習を再開したものの、男子部とは意地の張り合い。男女両部のボートは抜きつ抜かれつで海上を暴走していったが、前方への注意を怠った瞬間、女子部のボートににぶい衝撃音が走った。 >>
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