がんばっていきまっしょい
Story/あらすじ
はじめに
第一艇
第二艇
第三艇
第四艇
特別艇
第五艇
第六艇
第七艇
第八艇
第九艇
最終艇
第七艇
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   一方、放課後になっても暇をもて余していた利絵は三郎(田口淳之介)に誘われて軽音部の練習をのぞいた。騒音さながらの演奏に三郎はすぐに退散したが、利絵はあっさり入部を決めてしまった。浩之(錦戸亮)も元気がなかった。今度の対抗戦はBクルーのキャプテンになって初めてのレース。そのプレッシャーもあるが、やはり利絵の告白をすげなく断ってしまったことが気にかかっていた。友達の話と偽って男子部コーチの大野(池内博之)に相談してみたら「ほどほどに接したらええ」の返事。これでは浩之のモヤモヤした気分は晴れるわけない。

 三郎から利絵が軽音部に入ったことを知らされた悦子はショックを受けた。「なんでそんな簡単にボート辞められるん?」。三郎が浩之とのいきさつをほのめかすと、悦子は「わかるよ私だって」ともらすと三郎から顔をそむけた。利絵は軽音部に入ったものの手持ちぶさたでボンヤリしていると浩之から呼び出された。「俺にあんな言うてくれてありがとう」。浩之はボート部へ戻るよう勧めたが、利絵は「私にはもう必要ない」ときっぱりと断った。

 新海との対抗戦にむけて特別メニューの練習が始まった。スタートダッシュで差をつける作戦だ。仁美が砂浜から指示をとばしていると、堤防から遠巻きに見ている利絵に気づいた。「本当はボート、やっぱり忘れられん。でも戻ったらドロドロする」。利絵は悦子に対して負い目を感じていたのだ。初めて知る利絵の本音に仁美は思わず笑いをもらした。仁美も高校生の頃、似た経験があったからだ。「でもな、もう流れてしもた。時間が全部流してしもて、あるのはボートだけ」。仁美の告白を聞いて、利絵はたまらなくボートが恋しくなった。

 対抗戦当日がきた。レース会場の山あいのダム湖には次々と応援客がつめかけた。友子、法子、キヌ(花原照子)はもちろん、前夜いつものごとく悦子とぶつかってしまった幸雄もやはり気になって駆けつけた。根本にいたってはお好み焼きの出店そっちのけで応援に夢中だ。「頑張れっ、浩之!」。浩之率いるBクルーはゴール間近で差をつけられて敗退。しかし安田(北条隆博)率いるAクルーは壮絶なデッドヒートを制して、新海に勝った。「ようやった、松山第一!」。わき返る観客席の中には、安田たちのボートを憧れの目で見つめる三郎の姿もあった。 >>
 
 
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