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悦子と浩之を仲直りさせようと三郎が仕組んだ。マラソンの授業で勝てばカツ丼をおごる。悦子はマラソンが大の苦手だが、利絵の手前逃げるわけにいかなかった。2人は抜きつ抜かれつを繰り返しているうちに、悦子は突然倒れた。真っ先に駆け寄ったのは浩之だった。悦子を背中にしょって保健室へ向かう浩之。その後姿を利絵は胸をしめつけられる思いで見ていた。幸い貧血と分かって、キヌ(花原照子)や帰省してきたばかりの法子(浅見れいな)は一安心したが、悦子本人は部活を1週間禁じられたのがショック。仁美は代理キャプテンに利絵を指名した。一方、三郎は安田(北条隆博)たちに根本(小日向文世)のお好み焼き屋に呼び出されてボート部に勧誘された。じつはラグビー部は先輩たちとの折り合いが悪くて辞めたばかり。三郎がいつになく困惑すれば、浩之も「まじですか?」と絶句。ただ1人、緑(友近)だけが「この部には美形が必要や」とすっかりその気になっていた。
悦子は見舞いに来てくれた仲間たちから利絵の代理キャプテンを知らされた。内心ショックだったが「リーならしっかりしとるけん」と明るくふるまった。ダイエットを始めた真由美は新海との試合までに5キロ落とすと誓った。「はよう戻ってきてや。私らのキャプテンは悦ネェやけん」。多恵子の励ましが悦子はうれしかった。かたや重責を任された利絵は張りきっていた。これまでのトレーニングをチェックし直すと、大野(池内博之)が参加する選抜メンバーの強化練習を見学させてほしいと頼んだ。「もっと気持ちが上に向くようなこと考えないんかて」。利絵の読みは当たった。日本代表の座を争う選手たちの力強いこぎっぷりは、女子部員たちの瞳に輝きを呼び戻した。男子部員たちは「篠村よりよっぽどキャプテンらしいなぁ」と利絵を持ち上げたが、そのやりとりをこっそり自宅を抜け出してきた悦子に聞かれているとは知るはずもなかった。そして利絵は「本物はすごい。ありがとうな」と浩之からかけられた一言がなによりうれしかった。
悦子が浮かない顔で帰宅すると三郎が待っていた。マラソンを言い出した責任を感じて見舞いに来てくれたのだ。「お前はボート部の大黒柱じゃ。はよ体直して、またニコニコしてくれや」。三郎の優しい言葉に悦子の顔に笑いがよみがえった。三郎が帰ると法子が「あれは恋や」と決めつけたから幸雄(大杉漣)は不機嫌になってしまった。 >>
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