がんばっていきまっしょい
Story/あらすじ
はじめに
第一艇
第二艇
第三艇
第四艇
特別艇
第五艇
第六艇
第七艇
第八艇
第九艇
最終艇
第四艇
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   とりあえず仁美を歓迎した悦子たちだったが、いざ合宿が始まってみると思惑は違った。というのも仁美は艇庫の2階でボートの講義を始めたからだ。しごかれても思う存分ボートをこげるものと期待していた悦子はぶ然となった。講義が終わって、いよいよ海に出れると思ったら、今度はエルゴメーターによるイメージトレーニングだ。「さっき教えた理論、よく思い出して」。悦子が我慢できずに「いつになったらこげるんですか?」とたずねると、仁美は「あんたらのオール、変なクセがついとる」とぴしゃりと指摘された。力の効いたオールはフィニッシュの後、海面に透明な渦巻きができるという。「フォームを直さんと、ボートに乗るのは百億光年早い」。辛らつな言葉に悦子たちは黙りこんだ。

 初日の練習が終わると利絵たちは早速復習を始めたが、悦子だけは「あー腹たつ」と板間に寝転んだ。面白くなくて廊下に出ると大野がいた。「どんな指導しよるん?」と仁美のコーチぶりを聞かれたので、悦子は「わくわくせんのです」とつぶやいた。仁美の指導が正しいのは判っていても、悦子は初めてボートに乗ったときの胸の高鳴りが失われていく気がしていた。大野は「子供には個性あるけん」とそれとなく悦子たちの不満を仁美に伝えたが、仁美は「わかってる」とだけ言葉少なに応じた。

 合宿2日目も悦子たちはエルゴメーターを命じられた。陸トレのできない男子部員たちはレギュラー、補欠そろって海にこぎだした。「こっちの練習、邪魔されとる感じじゃ」。男子部員にうっ憤がたまりだしたので安田(北条隆博)は女子部員たちと花火を一緒にしようと提案した。三郎のいるラグビー部員たちも合流した花火大会。最初は照れあっていたが、やがて打ち解けた雰囲気に。その夜悦子たち5人はそろって銭湯に出かけた。、悦子は5人が湯船の中でもボートと同じ順番に並んでいることに気づいてうれしくなった。湯気に包まれながら「明日こそ、こげるといいなあ」と思わずつぶやきがもれた。

 ところが合宿最終日も仁美は「フォームに気をつけて」とエルゴメーターを命じた。たまりかねた悦子が「もう陸トレはうんざりです。ボートに乗せてください」と訴えると、他のメンバーも口々に「こぎたいよね」と同調した。けれど仁美は「一度だした指示は変わりません」とぴしゃり。思わずカッとなった悦子は「ほやったらもうコーチえぇです!あなたの指導は受けとうない!」と叫んでいた。 >>
 
 
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