がんばっていきまっしょい
reports/一高ボート部通信
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 やっと5人がそろったものの、海に落ちるし、オールは揃わないしでまだまだ前途多難な女子ボート部。ですが、ボートシーンはご存知のとおりすべて吹き替えなしで本人たちが頑張っているのです。そして、撮影前に合宿を行ったのも有名な話。まったくゼロからのスタートだった彼女たちのボート合宿の様子、ちょっとのぞいてみましょう。

 まずはスケジュール。計5日間行われた合宿ですが、1日の練習スケジュールは朝10時〜昼1時〜夕方4時〜3部構成になっていて、1部につき約1時間の練習に2時間の休憩。練習時間が短いように見えますが、「初心者の練習にしては体がぼろぼろになるくらいのハードな内容。そのときに頑張れると無理をしても後々になって体に響いてくるからこのペースを守るようにと、先生が立ててくれたスケジュールでした。現にスケジュール通りに練習しても帰りのバスではみなさん話す元気もないくらいクタクタになっていてよく眠ってました。ボートって傍目から見ると優雅に見えますが、濃いでる人にはかなりの重労働のようです。オールを握っている手じゃなく、足で漕ぐようにと注意が受けたこともあったので、足をずいぶん使ってたように思います」(合宿同行スタッフ・豊福陽子さん。以下、同)。

 練習内容は、短期間で習得しなくてはならないため実践が中心。講義のみの時間はなく、途中で動きを指導する度に理論を説明して頭に入れたら即実践して動きを体にしみ込ませる…の繰り返し。まずはオールを持って台に乗り、オールの握り方、漕ぎ方、などを練習。「漕ぎ方は非常に難しくて、オールがこの位置にきたら手の中で返してとかの細かい手首の動きに加え、その動きに対する下半身の動きがばらばらにならないようにとの指導がありました。先生はこちらでお願いしていたほかにも、ボート部のOBやOGの方がご協力していただき、ほぼマンツーマンでビッチリと教え込んでくれました」。



 連日ハードな練習が続きながらも確実に上達していた5人。「全体的にみると最初から5人とも上手でしたよ。先生も勘がいいねとおっしゃってくれたほどでした。3日目には、漕いでる彼女たちを見て『遠目からでも上達がはっきりとわかる』と言ってましたから。途中、仕事の関係で岩佐さんが1日だけ抜けたんですが、その遅れを取り戻すため最後に1日居残り練習をしてました」


 劇中の悦子たちは初めてのボートを前にかなり苦戦していますが、実際もいろいろ苦労をしたようです。「最初はかなりグラつきがありました。数人でボートを支えてはいるんですが、なにぶん細いボートなので片足を入れるだけでもグラつくんですね。練習の湖は桟橋みたいなものがあり際にくっつけてさらに押さえる人もいましたが、でも撮影の海では支えがなかったため乗り込んでバランスを取るまでにまず苦労しました。ただ、沈(水面に落ちること)はなかったです。それはすごいなと思いました。そしてやっと乗り込んだら、今度はオールが揃わなくて上手く進めない、方向転換がうまくいかない…とまた次なる課題が。オールをどう動かせば行きたい方向に曲がれるのかとか、頭でわかっていても4人の動きが合わないとうまくいかないんです。でも、そこで一番勘が良かったのは杏ちゃんでした。最初から『こうじゃないかな?』なんていいながら、的確に指示を出して先導してましたね



 ボート競技に大切なチームワーク。こちらに関しては、技術とは違い最初からまったく心配がなかったとか。「いやー、驚くくらいあっという間に仲良くなって賑やかでした。むしろ騒がしいくらいです(笑)。練習の時は、ボートの先頭と最後尾を実際のボート部員の方で間の2人が演者というのを2艇出してもらっていて、漕いでる間も常に様々な指導があるので真剣で笑顔はありませんでした。陸に上がってくるときにやっと少し笑顔が見られるくらい。ただ、練習以外の時は常に笑顔と会話の絶えない5人でした。合宿終わる頃には、女優さんというより本当にいつもここで練習をしているボート部員みたいでしたね。劇中のように5人そろって最初に漕いだのは合宿最終日でしたが、最後の最後に自分たちだけで乗れたのは感動もひとしおだったようです。ボートはやればやるほど上達するスポーツと聞いていますが、それは実感します。今も撮影を通して、かなりの量のボートを漕いでもらっていますが、素人の私から見ても上達がわかりますから」

少しづつ、確実に上達を続ける女子ボート部員。これからも応援してくださいね!
 


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