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2002.7.19 〈著作権にご注意〜コピーコントロールCDにもの申す〉

ハモネプ効果などで、1年前からは考えられないくらい、アカペラが世間に認知されるようになりました。
中高生を中心にグループも急増しており、それらのグループのHPや、
アカペラに関する情報を扱うHPもたくさんできました。
それはとても喜ぶべきことなのですが、その一方で、
「著作権」についてあまりにも不勉強な人たちをネット上で見かけることが多く、
危惧を感じてもいます。

上記のようなHPなどでは、「楽譜をコピーする」「CDを焼く」などの表現がしばしば見られます。
悲しいことに、ギャザ関係者の間でもこのような書き込みがたまにあります。
もちろん悪気はないのでしょうが、賢明な読者のみなさんはご存じの通り、
これらはほとんどが「音楽著作権」に抵触する違法行為です。

アカペラに限らず、楽譜のコピーは法律で禁じられています。
ピアノ演奏時などに「譜めくりの人がいないので一部をコピーする」程度なら認められるようですが、
1曲まるまるコピーするのはやはり違法です。
グループの誰かが市販楽譜を購入して、それをコピーしてメンバーに配る、というのも実はNGです。
事実、合唱団などで市販楽譜を使用する場合は、団員全員が購入するのが普通です。

また「CDを焼く」場合、個人で楽しむために、自分が所有するCDをコピーすることは違法ではありません。
(カーステレオで聴くためにコピーしたり、自分だけのベスト盤を作る場合など)
しかし、それを他人に譲渡したり販売したりするのは、やはり違法行為なのです。
MDやカセットにダビングする場合も同様です。
(日本の場合、レンタルショップの存在は合法的に認められているようです)

これらは作詞者や作曲者、編曲者、演奏者の利益を守るために法律で規制されています。
コピーが横行すれば楽譜やCDの売れ行きが悪くなり、アーティストの印税が減り、
ひいては音楽産業そのものの衰退につながる、というわけです。
特にアカペラのように、認知度が上がったとはいえまだまだマーケットが限られているものの場合、
その影響をもろに受け、貴重な音源や楽譜が不採算商品として廃盤、絶版に追い込まれる危険性が多分にあります。
アカペラが本当に好きなら、楽譜やCDはできるだけ自力で購入しましょう。
それがアーティストの利益につながり、ひいてはアカペラそのものの発展につながるはずです。
またそれを別にしても、世界に開かれているインターネットで「楽譜をコピーする」「CDを焼く」などと不用意に発言するのはやめましょう。
日本音楽著作権協会(JASRAC)は違法行為を取り締まるべく、小規模なHPにまで目を光らせています。とっても危険です。

・・・とここまで、音楽著作権擁護の立場から書き連ねて来ましたが、
そんなRENTにとっても気に入らない最近の風潮がひとつ。
それはエイベックスなどが推進している「コピーコントロールCD」。
その名の通り、パソコンに録音したり、CD-RにコピーしたりできないようにされているCDです。
上記の通り、個人で楽しむためにコピーすることは違法ではないのに、それさえできないのです。
MDやカセットに録音するのはこれまで通りできるのに、です(それさえ出来なくされたらたまったもんじゃないが)。

ポータブルプレーヤーで聴くためにMDに録音するのと、カーステレオで聴くためにCD-Rに焼くことに、何か違いがあるのでしょうか?
違法コピーを防ぎたいのは分かりますが、そのために合法的に利用している音楽ファンの楽しみを制限していいものでしょうか。
「違法コピーがまかり通っているのだから仕方ない」「日本には世界に対しても恥ずかしいレンタルショップがあり、業界として対策が必要」
などとメーカー側は主張しているようですが、そのような状態を招いた責任は消費者側よりも、
むしろ未然防止策を講じてこなかった業界側にあるのではないでしょうか。
今さらそのツケを消費者に転嫁しようというその姿勢が気に入らない。

さらに気にくわないのは、このコピーコントロールCDは、全てのCD再生機器での再生が保証されていません。
一部のプレーヤーや、CD-ROMドライブなどでは不具合が生じるおそれがあり、マッキントッシュには未対応。
しかも「一部のプレーヤー」には、MP3対応CDプレーヤーやポータブル、カーステレオ、
CD-R/RW対応のCDプレーヤーなど、当然CDが再生されてしかるべきものが含まれていることもあります。
これに対するメーカー側のいいわけは「既存のCDとは違う規格。実際『disc』という(既存のCDについている)ロゴは記載されていない」となります。
では、メーカー側で把握している未対応プレーヤーの機種名やメーカーを公表するのが当然の責務であるべきですが、
「営業妨害になるので公表できない」などと言ってのけるのです。
自社製品を購入した消費者が未対応プレーヤーを愛用していて、代価に見合った娯楽を享受できないかもしれないのに、、
結局は業界内での体裁の方が大事ということでしょうか。売るだけ売ったらあとは知らない、といわんばかりの態度です。

さらに言うなら、コピー防止機能を付加する関係で、既存のCDより音質が劣るとの情報もあります。
本来なら高音質で提供出来るものを、一方的にメーカーの都合で質を落として、しかも既存のCDと同じ値段で販売する。
こんな消費者をバカにした話があってたまるか。

アーティストの利益を守ることはもちろん必要だし、大事なこと。
だがその利益は消費者あってのものだ。
業界は違法行為の駆逐に躍起になるあまり、根本的な、大切なことを見失っているのではないか?

2002.7.14 〈太陽の下、海の向こう〉

ああ、気がつけばだいぶここを更新するのをさぼってました。
6月は2回しか書いてないじゃないか。
たまにはライブレポ以外も書きたいのだけど、書くことがたまってるので、
やっぱりアカペラ観戦&出演レポです。

まずは6月29日。久々にしまなみ海道をわたって広島へ。
男声グループAll at onceを聴きに行きました。実に5か月ぶり。
会場は輸入車販売店セレクト。店内に普段転じされている車を外に追い出し、
PA機材を店内に持ち込んでのライブでした。
2000円のチケット代にはワンドリンクのほか、
バイキング形式の食事も含まれていて、かなりお得な気分。

久々に聴いたA@Oの演奏はやはりお見事。
メンバーらには納得のいかない出来だったようですが、
聴いている分には聞き苦しい部分も特になく、ゆっくりと楽しめました。
合わせ練習を(ほぼ2か月ぶりに)当日やっただけとは思えない。
強いて言うなら、遠距離メンバーのリーダーKEIはやはり声を出し切れていないという感じはしたが。
初めて聴く「Smile」ではバリトンRYOの美声に感動してしまった。
打ち上げにもお邪魔して、久々にメンバーやマネ様とゆっくり話せて楽しいひとときでした。

その1週間後、今月6日。allspiceは「七夕ライブin黒島海浜公園」に出演。
記念すべき東予地方初進出は、新居浜市での野外ステージでした。
アカペラステージ1番手は、地元の高校生グループ「ワンタッチ」。
できて3か月のグループとのことですが、なかなかどうして、堂々としたもんでした。
「Garden」とか若者向けの選曲かと思いきや、「君が好きだと叫びたい」って・・・。
BAADなんて覚えてるヤツいるのか?
「airyroad」は安定感が増してましたね。新ベースマン畝山の加入が大きい。
素人らしいが、その声質、リズム感とも、素晴らしいの一語。素質ではRENTも完敗です。
「歌娘。」はやはりチャイナで登場。と、ステージに上がるやいなや、
主催者である新居浜青年会議所のスタッフらから歓声の嵐。
さらに「ラムのラブソング」で拍手喝采。ある意味、くーにゃん史上最大の盛り上がり?
「どんふぉげ」はやっぱりReal Group路線。「Everybody needs somebody to love」がすごい。
うちがやったらイントロの練習だけで1か月かかりそうだ。

さて、この日のallspiceは、Topろびが仕事で欠席のため、
急遽かおりーなをヘルプに迎えてのステージ。「ひとり」「Surfin' USA」以外は14KSナンバーで
なんとかやり通しました。と、予期せぬアンコール。もうホントに歌える曲がない。困った。
しかしここで引き下がるわけには行くまい、と、5人で「Rawhide」敢行。
なんかやっぱりおじさんたちにウケてたみたい。
それにしても暑かった。途中、雨が降ったりもしたけど、
太陽の光は雲の隙間から容赦なく降り注ぎ、やっぱりしっかり日焼けしましたとさ。

さてその翌日の7日、RENTはまたしても海を越えて、今度は奈良へ。
奈良県民の奈良県民による奈良県民のためのアカペライベント、「ならペラ」を聴きに行きました。
奈良県民が所属するバンド、というのが出演バンドの参加資格なのですが、
ふたを開けてみればBREEZE、Noir、apres-midiとKAJa!2002参加バンドが3つも。すごい。
トップバッターのならアカペラサークルは、曲ごとにメンバーを変えて出演。
コーラスの安定感がいまいちなのは仕方ないか。縦をそろえるために、VPがいるといいかも。
メンバー交代後間もないaffini。よりアイで聴いたときより数段良くなってたなあ。
全体の一体感は失わず、あっこのリードの声が立つようになってました。「How deep is your love」が聴けたのがうれしい。
男声のリードはもっと主張してもいいかもしれない。
久々に聴くPsyche。ステージの奥行きを生かした動きのある演出がいい。
VPがややパワー不足。バスドラとスネアのメリハリを出したい。
We will rock you、何も言えなくて・・・夏、チャンピオンという選曲はいかにも男声!という感じでGood。

クレイジークレフ所属の「ぐんぐん」は夏らしい衣装とさわやかなハーモニーが魅力。
VPがいてもいなくてもグルーヴ感のある演奏がいい。
Noirはモノトーンの衣装で、女性陣の「ヘソ出し」がほかの出演バンドからも大好評(笑)
カバーの「Come on over」、オリジナルの「心の翼」がやっぱりいい。
BEAT SHELFは全員浴衣で登場・・・と思いきや、約1名甚平が(笑)
「星のかけらを探しにiいこうagain」など、七夕らしさを意識した選曲がいい感じ。
apres-midiはKAJa!で聴いたときよりずっと良かった。
KAJa!での演奏が悪かったわけではなく、環境の違いが大きかったのでは。
ホールでの演奏で、PAのバランスも良く、ハーモニーで勝負するバンドの本領発揮。
Real Groupをいともたやすく歌いこなすその技量には脱帽。
トリはBREEZE。このステージ以降、TETSUがしばらく休業するとのこと。
「大好きな音楽を一生続けていけるようにするための休業。必ず戻ってきます」
そんなMCが感動的だった。
演奏もさながら、激しいフリや金色の衣装で、視覚的にもガンガン攻めてくる。
やはり「Kiss×3」や「Crazy beat goes on」の印象が強烈。
フィナーレは出演者全員とお客さんとで「上を向いて歩こう」の大合唱でした。

打ち上げでは久々に関東の608のメンバーらとも再会。
そこかしこから歌声の聞こえてくる楽しい打ち上げでした。
出演者をねぎらったり、BREEZEのメンバーにもあいさつしたり。
NoirのVPistアヤト君とも知己を得ました。
いろんな人といろんな話をして、また新しい知り合いを増やして、刺激を受けて。
お金にはかえられない貴重な時間。だから、しんどくたってお金がかかったって、
遠征はやめられません。行くたびに「RENT!」と声をかけてくれる人が増えていくのが、純粋にうれしい。

さて、次は(20日にもステージがあるけど)28日の野外イベント、
そして8月24日の単独ライブに向けて、また再始動です。夏のallspiceに乞うご期待!