2002.1.29 〈オープンスタジオ・アカペラ〉

1月26日、珍しく(歌うわけでもないのに)allspice総出で県外へ。
広島市西区民文化センターへ、「オープンスタジオ・アカペラ」を聴きに行きました。
昨年までは県外バンドも参加していたこのイベント、今回は広島勢ばかり6バンドが出演。
ちょうど1年前のこのイベントで、RENTは「H's(温泉みかん)」の一員として、
初めて県外で、初めてマイクを使って歌ったのです。
あのときずいぶんと広く感じた会場は、今回はとても狭く見えました。
場慣れしたせいかな。なんとなく感慨にふけってしまった。

それにしても、昨年は出演者も客席で見る余裕があったのに、
今年は開場直後から満席状態で、立ち見の列も壁際にびっしり。計240人ぐらいが入場したらしい。
アカペラブームの成せる技か、SSテレビ出演の効果か。大変な時代になったものですな。
では、出演順にステージ感想と行きましょう。行数の差はご容赦のほどを。

◆ブレーメン◆
初めて聴いたオールディーズ系バンド。衣装がすごい。黒ドレス、赤ベストに一瞬目が点。
PONさんのVPは音が鋭くてGood。木琴(?)の音も動きと合ってていい感じでした。
ゴスカル氏のベースは、やはり本来の音域でないのか苦しそう。
女声陣は和音の微妙な狂いが気になりましたが、リードでは生き生きしてて楽しそうでした。

◆広島工大グリークラブ◆
粗削り。それだけに今後に期待が持てそう。
オリジナル曲も持ってるし、意欲的に活動してくれそうだ。
ベースがとっても苦しそうな表情。いや、実際苦しいんだろうけどさ。
The Girl in Whiteの前半のリードを歌ってたロン毛のにーちゃんの声がよかった。

◆Singers-K◆
総勢9人で、曲ごとに編成が変わる。
全体としてオトナっぽい、落ち着いた演奏でした。バーとかで聴きたい感じ。
コーラスの音圧の弱さが気になるものの、そつなくまとめておられました。
マントラの曲、もっと歌ってほしいな。若いベースの人の声がとてもよかった。

◆All at once◆
この数カ月ですっかりお友達になってしまったA@Oは、今回の目玉バンドの1つでしょう。
個々の技量の高さ、全体の安定感は出演バンド中随一。
聞き慣れている「Drive My Car」「So Much in Love」にもやっぱり唸らされた。脱帽。
独自のアレンジが効いている「Quiet Place」。原曲を知らないであろう観客も聴き入ってました。
今回の主役は間違いなくMOTO。素晴らしい安定感を誇るベースだけでなく、
ラストの「You Go Your Way」ではリードも披露。なんとも味のある、シブくて深い声。
もっとステージアクションがつくといいな。
Na@oのベースは線が細いのが残念。もうちょっとPAいじってもいいかも。
アレンジのすばらしさもあいまって、客席からは「あの人たち、持って帰りたい」との声も。
このグループは曲中に持ち回りでパーカスを入れるのですが、
「音色にそんなに凝らなくても、リズムをしっかり刻めばちゃんとうまく聞こえる」
という良いお手本を示していたのではないでしょうか。

◆Go just accidentS◆
密かにRENTが熱烈に支持する福山のグループ。
今回は「あくしでんつ」も起こらず、順調にステージが進行していた模様。
とにかく独特のパワーを誇るこのバンド、決してノリがいいとは言えなかったこの日の客に、
しっかりと手拍子させてしまうあたりはさすがです。
女声陣が大幅にパワーアップしていました。リードだけじゃなく、コーラスでも。
線が細くてハーモニーがキレイな混声バンドはいくつもあるけど、
男声バンドにも負けない音圧を出せるところはなかなかないのでは。
カドノのMCはこれまでのステージの中で一番面白かった。
隣のELLEさんと2人で「かっこいいぞカドノ!」とウケてしまった。
彼女がリードをとる「Higher Higher」は(以前もそうだったが)RENT的にかなりツボ。
たろうのステージ上での動きは今回も見てて飽きませんでした。カメラマン的に被写体大賞。
「Lookin' for the echo」のリードもかっこよかった。
きくちゃん、「Come Go With Me」のリードがさわやかで、歌いまわしも◎。
まっつぁん、ちょっと調子悪かった?だいぶ凹んでたね。次回頑張って。
かわもとリーダー、ステージ上ではおとなしかったね。でも打ち上げでは期待通り(笑)

◆SS◆
真打ち登場。トリをつとめるのは、このステージを最後に解散する、スーパー・グループSSです。
中四国アカペラ界にひとつの時代というか、ジャンルを作り上げたSS。
一片の悔いも残すまいという、メンバーの気迫が伝わってくるステージでした。
「Shinin' for you」「約束」とアップテンポなオリジナル曲をたたみかける。
満員の客が手拍子で演奏に彩りを添える。
続いて「MELODY」「いつまでも」のオリジナルバラード連発。
「解散」の2文字が頭から離れないため、歌詞が今までになく心にしみてくる。
なかちゃん体操は毎回アイデアをひねってくるね。すっかり名物。
振り付けを客に仕込んでカバー曲「イノセントワールド」。
『♪またどこかであえるといいな』
すっかり定番となったカバー曲「アリガトウ!!」。SSのオリジナルと錯覚するぐらい馴染んでる。
『♪名前も知らない あなたと出会えたこと 神様に感謝して』

演奏後、allspice一同から花束贈呈。そして当然アンコールは……「きせつ」。
なんていい曲なんだろう。なんていい歌を歌う連中なんだろう。
大サビでオフマイクで声を張り上げる彼らの胸に去来するものはなにか。
それを推し量る術はない。できるのは、ただ、深々と頭を下げる彼らに、惜しみなく拍手を贈ることだけ。

Kim!はちょっと調子悪そうだった。風邪でも引いたのかと思ったら、「練習で歌いすぎた」とのこと。
……お前なあ。よくある話だけど。それだけ気合も入っていたということか。
Yo-Hey!のベースパーカッションはこの日も絶好調。客も驚いていた。
髪を下ろしてなんかかっこいいぞ。カメラ写りがめちゃめちゃいい。
Nomyはとにかく楽しそう。ボーカルギターがとてもよく聞こえていた。
「あきらめず」が聴きたかったところだが。時間が短かったもんね。
Araki、相変わらず安定してる。やっぱりSSの音を支えてるのはArakiだね。
「イノセントワールド」のAメロのリードは最後まで垢抜けなかったけど、それもまたArakiの味というもの。
なかちゃん、なんて楽しそうに歌うんだろうね、君は。
「きせつ」のオフマイクの高音フェイク、そしてその後のわずかな静寂の時間、何を思っていたんだろう。

こうして「オープンスタジオ・アカペラ」は、SSファイナルステージは幕を閉じたのでした。
打ち上げはそりゃもう、楽しかったさ。
わざわざ広島まで来てかたまって座ってる身内の愛媛勢を後目に、広島勢との交流をとことん楽しみました。
1次会終了後にはアクシデンツのメンバーに「ロシアンコーヒー」に混ぜてもらったりもした。
(ちなみに敗北者はたろう。その後風邪を引いたらしい)
2次会ではNomy、がず、Na@o、Kim!、Yosukeらとセッションもした。
みんな酒が入ってて、けっこう適当に歌ってても、「Thank You」とかがそれっぽく聞こえるのがすごい。
途中中断を余儀なくされたが、また思いっきり歌える場所でやってみたい。
仕事で広島に来たその日の夜に「Mo'Beat」のストリートに遭遇したというイタリア人ルカとも、
めちゃくちゃテキトーな英語でコミュニケーションをとってみた。
「RENTさん(英語がしゃべれて)かっこいいっす」(by Kim!)……誤解だ。いっぱいいっぱいだ。
最後はラーメンを食べて、Nomy邸に屍の群れが横たわったのだった。

とても疲れた。それは、力の限り楽しんだから。この上なく素晴らしい体験ができたから。
出演者のみなさんに、がず、なるちょ、ayappeはじめ裏方のみなさんに、
そして何よりSSのみんなに、月並みな感謝の言葉を贈りたい。

「ありがとう、そしてお疲れさま」

2002.1.25 〈新年初ステージ〉

今回は1月20日にあった新年初ステージのご報告です。
といってもRENTは出ていないので、リーダーにしくぼんのレポートです。

2002年最初のステージは、おめでたいことに結婚式!
で、MCにでも使えるかなと思って、1月20日が何の日か調べてみたら、
ケネディ大統領が就任した日。なるほど。クリントン大統領が就任した日。ほう。
ブッシュ大統領が就任した日。えっ!?

何でも、アメリカ大統領の任期は夏季オリンピックの次の年の1月20日毎と、
憲法で決まっているそうだ。なんだ。で、MCに使わず。

RENTが来られないということで、Sageが代打ベース。
通算3回目。緊張していたので、「ミス1回につき、ギャラをマイナス1000円ね」と、リラックスさせてあげた。

さて、今回のステージは、新郎新婦の希望で5曲奮発。
入場時にオフマイクで「ひとり」。お色直し前に「Rock」「So Much」「Loco−mo」、退場時に「Stand by me」。
「by me」以外は先方のリクエストだった。しかし、オレ、「結婚式でリード歌ったことないなあ」なんて思って、自分のリード曲を考えてみると、「Rawhide」「ヤングマン」「Come go」・・・。1人で納得しました。


待ち時間、控え室(?)でぼーっとしてると、式に出席する子供たちがつばえる、つばえる(伊予弁:はしゃいで騒ぐ)。
プラスチックのボールは飛び交うわ、うっかり置いていた名刺入れはシャッフルされるわ・・・。
「何や、落ち着きないなあ」と思って見ていたけど、式が始まって子供たちがいなくなると、
しっかりボールでジャグリングして遊んでしまった。
そういえば、直前の練習で、ろびこに「にしくぼん、ステージ上で動き過ぎ。落ち着きなさい」
と説教喰らったばかり。ああ、オレって若いなあ。

さて、新郎新婦のプロフィールを何気なく見ていると、洋楽好きとある。確かに新婦選曲のBGMも、
洋楽ばかり。なぜ「ひとり」だけ日本語曲を選んだのかなあと疑問に思っていたが、見つけてしまった!!
何と、新郎の名前が「一人」さん! 詠み方は「かずひと」さんらしいけど。
結婚式のMCはシックにろびこと決まっているのだが、これは黙っておれまい。
ということで、ちゃんとMC時に突っ込んでおきました。新郎さんが苦笑いしている以外は大受けだった。

なんて長い前振りはさておき、演奏報告。
入場時の「ひとり」は、2階のバルコニーから1階に向けてオフマイクで歌うということで、
低音に不安があったけど、ボイパのミッチーにもベースをさせて解決。でも、屋外だったらダメだろうなあ。
あと、下向いて歌うわけにもいかず(オレはちょろちょろ見てたけど。ああ、落ち着きない)、視線に苦労した。

ミニステージ。結婚式で「Rock」!はどうなの?という心配はあったが、手拍子もあり、受けは上々。
モニターがなくて、しかもちょっと奥まった空間にステージがあったので、
はね返りや肉声を頼りに微調整するのが面倒だったけど、程よい天然リバーブが掛かっていて、
いい具合に聞こえていたのではないだろうか。

結婚式では珍しいボケ突っ込み(前述)も功を奏したのか、お客さんも終始ノリノリで楽しんでいた。
終了後は、控えに戻る途中で出席者に呼び止められて、お褒めの言葉を頂いたり、激励されたりと、
後味のいい結婚式ライブになりましたとさ!

2002.1.18 〈素晴らしき連休 その3〉

3日連続で書いてみる。今回でようやく連休ネタも終わりかな。やっぱり敬称略ね。
声の箱&SSのJOINT LIVE後は、ちか@HONKY TONKとともにしぶざる邸に泊めてもらい、翌朝、しぶざるの運転で陸路神戸へ。
途中のサービスエリアで、RENTが助手席に乗るはずみでバックミラーが外れるというハプニング(笑)GSでドライバーを借りて直す。

午後2時から、新神戸オリエンタル劇場で、CASH BOXレギュラー陣によるライブを観る。
トップバッターはVELVET-PAW。最近スーツ姿を見慣れていたけど、今回はカジュアルなジーンズ姿。
いつものごとくリズムセクションの安定感がお見事。オリジナル、カバーとも素晴らしかったです。
今回は特に、頭脳警察のPANTA氏がつくった曲が良かったです。
GENリードのラストの曲(「さようなら世界婦人よ」?)が痛いほど胸に響きました。

続いて1年半ぶりに見るPYLON。現在の編成では初めて。
ラメの衣装で歌う、踊る。のっけからメドレーで一気に客の心をつかみ、
オムニバスCD収録のカバー曲や、らたが感動的に歌い上げる「明日に架ける橋」などで盛り上げる。
ZINGのLip Drums(ボイパ)は迫力満点。ついでに体の動かし方も激しい。
ラストはオリジナル曲「Take a chance」。客もいっしょに振り付けを楽しみました。

トリを務めるのは日本有数の女声バンドQTハニー。女声なのにベースがすごいんだ。
今回は「オブラディオブラダ振り付け選手権」など、ネタも凝ってました。
解散したThe Unitからもらったという新オリジナル曲も披露。
女性シンガーのカバー曲は文句なしにすばらしいので、今後は男性シンガーのカバーにも挑んでほしいところ。
終演後、しぶざるの「もう俺はQTのとりこ」というコメントがGood(笑)

続いて近くのCASH BOXに足を運ぶと、岡山期待の若手バンド「Voice Limited」の演奏が始まっていた。
客席には「ぽち」のなかちゃんやのりちゃん、「こすへらす」のダイスケらの姿も。
いつもながらえんどうのボイパは凄い。ひさしのベースもなかなか。
選曲がいいよね。新旧偏らずに、楽しめる構成でした。

続いてゲストのPsycheがオリジナルを2曲演奏。メンバーチェンジ後初の演奏を聴けてラッキーでした。
久々に聴く「自転車こいで」はやっぱりいい。JIMO、間奏の語りがちょっとのんびりしたのか、最後は早口。
新曲「おねがい」はさわやかでノリがよくて良い感じでした。KENのボイパはもっと音量があっていいかな。

次にハモネプで人気者になった女声バンド「HATCH」。
テレビで見たときよりうまくなってるね。ベースはやっぱり苦しそうだけど。
それにしてもみんな大人びている。「CAT'S EYE」が良かったな。

インターバルでは元Phew Phew L!veのKWANIの新バンド、「ダイナマイトしゃかりきサーカス」が登場。
14 karat soulのカバーを1曲聴いたところで、次に行くライブの時間が迫っていたので、
Psycheのメンバーに挨拶してCASHを出たのでした。

さて、再び新神戸オリエンタル劇場に戻り、今度は女声バンドChanter、男声バンドBaby booのライブ。
初めて聴くChanter、QTに比べれば迫力では劣るけど、ハーモニーはとってもきれい。
ボイパはスネアやハイハットのキレがいまいちだったけど、
バスドラの音は女性とは思えないほど効いている。リズム感もいい。
オリジナル曲がいいんだ。またもっと狭い空間で聴いてみたい。

そしてBaby boo。女性ファンの声援がものすごい。すっかりアイドル状態。
演奏の方は、メジャーデビュー直前とあって、脂の乗り切った感じ。
安定感のあるBass、ソウルフルなボイパをはじめ、気になるほどの粗さはまったく見受けられなかった。
人気者になっても、メジャーデビューが決まってても、路線が変わってないのがうれしい。
インディーズシングルとしてバックトラックつきでリリースした「明日への予感」もアカペラバージョンで披露。
やはり楽器付きでリリース予定の「プラネタリウム」もアカペラで。メロディーもコーラスもとても美しい。
「うれしいたのしい大好き」などお馴染みのカバー曲も忘れない。
メジャーになるからといって、メインボーカルのCherryが過度に目立つこともなく、
KAZZリードの「NEW HORIZON」で盛り上げ、Yu:sukeリードの「Skyward」「歩いて帰ろう」でエンディング、
アンコールはShinobuリードの「おやすみのうた」という流れも変わってない。
来月メジャーデビューするBaby boo、成功を願ってやまない。
楽器付きの楽曲も増えるだろうけど、アカペラ魂を忘れずに、俺たちの心を震わせ続けてほしい。
KAZZが掲げた「本物をつくる」というコンセプトは、確実に実行されている。

さて、これだけ立て続けに素晴らしいライブを聴いて、自分が歌いたくならないわけがない。
14日は朝の飛行機で松山に戻り、成人式イベント「はたちのパフォーマンス」で歌ってきました。
今回はallspiceではなく、男声企画バンド。その名も「Voice Gathe」。
メンバーは社長、支配人、おーぎ(元「うたひや」メンバー)、にしくぼん、RENT、みっち→。
「夜空ノムコウ」(アカペラ虎の巻バージョン)、「Stand by me」「ヤングマン」(14 karat soulバージョン)
計3曲を披露。PAもばっちりで、気持ちよく歌えました。
このバンドは今後しばらくお休み。次の披露はおそらく3月のギャザパーティーでしょう。
こうして、アカペラ一色の素晴らしき連休は幕を閉じたのでした。

3回に渡る長文レポ、お付き合いいただきありがとうございました。

2002.1.17 〈素晴らしき連休 その2〉

前回に引き続き、12日の声の箱&SSライブのレポートです。今回はSS編。やっぱり敬称略。
全曲紹介の前にひとつ、思ったこと。
これまでSSは、多少ハモってなくても、ステージングやMCでそれを感じさせないバンド、と思ってました。
しかし今回は、Yo-Hey!のベースパーカッションがとてもよく聞こえてて、
コーラスが3声になることが多かったこともあり、安定感が格段に増していました。
それを踏まえて、全曲紹介行ってみましょう。

★「Shinin' for you」
Kim!アレンジのアップテンポなオリジナル曲。短いながらもノリがよく、オープニングにうってつけですな。
なかちゃんの妙にさわやかなリードとNomyのボーカルギターが冴え渡っていた。

★「夢のカタチ」
シックなオリジナル曲。オープニングとは一転してしっとりしたミドルテンポ。
間奏での全員縦1列になってのダンスに客席から歓声。
演奏後のKim!この日もMC絶好調。
「目玉焼きにいろんなものをかけることも、決して『あきらめず』挑戦するということ」という強引な次の曲へのつなぎ。

★「あきらめず」
初披露。ミドルテンポのオリジナル曲。Nomyのリードがさわやか。
『♪少し昔に見てた 夢はあきらめずに』
夢を忘れがちなサラリーマンへの応援ソング?内声の溶け具合が絶妙。
Kim!、集合場所を間違えるというチョンボをMCで披露。

★「メロディー」
バラードのオリジナル曲。リードはKim!。ここでようやくNomyが初Bass。
Yo-Hey!がフルタイムコーラスという珍しい編成。
泣かせます。聴かせます。短い曲だが、客席はしんみり。
『♪君の笑顔も 君の涙も 君の優しさもすべて 僕の笑顔と 僕の優しさに いつか変わるまで』
バラードの後にKim!の陽気なMC。「なかちゃんがうちのメンバーの誰かと結婚するんです」
打ち合わせがなかったのか、なかちゃん、ブルー入ってるかすれ声で「誰とですか…」(笑)
メンバー紹介ののち、次の曲へ。

★「イノセントワールド」
ご存じMr.Childrenの大ヒット曲のカバー。とにかくさわやか。
何回聴いてもいいアレンジだ。なかちゃん、サビのリードがちょっと上がりきってなかったか?
MCでNomy、「テロの直後にアメリカに行ったら、ペルー人に間違われた」
Kim!「きょうの皆さんとの出会いをいつまでも大切にしたいという気持ちを、『いつまでも』という曲にこめて……」

★「いつまでも」
初披露のオリジナルバラード曲。Yo-Hey!がパーカスなしでBass。ちょっと苦しそう。
ベースパーカッションのときの方がBassっぽく聞こえた。
でもリードが回ってきたときのYo-Hey!は照明の妙もあってとてもかっこよく、
女子高生ウケも上々だった模様。独特の声の震え方がいい味を出していたようだ。

ここでSSファンにはおなじみ「なかちゃん体操」のコーナー。
客を強引に立たせて次の曲の振り付けを仕込む。
★「約束」
今回のSSはしっとり系かと思いきや、ようやくアップテンポなオリジナル曲。
なんとVELVET-PAWのメンバーも一緒に振り付けをしていた。
高音リードを歌うNomyはやっぱり楽しそう。そのまま流れ込むように次の曲へ。

★「ヒーロー」
今回数少ないカバー曲。マライア・キャリーではありません。そう、あの「スクールウォーズ」のテーマ曲。
ここでも「約束」のフリを引用。客も総立ちのままノリノリ。
なかちゃんのハイトーンリードが冴え渡る。多少音が怪しかったことは、この際どうでもイイ(笑)
客に絡む、にしくぼんに絡む。爆笑と拍手の嵐。
MCでNomyもKim!のMCと同じように「来てくれてありがとうという気持ちを込めて、次の曲……」

★「アリガトウ!!」
Phew Phew L!veのアップテンポなカバー曲。手拍子も自然発生。
Kim!リードで、最後まで手拍子の嵐。コワイぐらいそろってる。
メンバー全員の元気さ、ステージを楽しんでる様子が伝わってくる。
終わってもすぐにアンコールの手拍子。ここでNomyから「SS解散」の衝撃発表。
アンコールは、やっぱりこの曲でしょう。

★「きせつ」
SSの代表的オリジナルバラード。名曲です。
『♪ずっとこの愛は 何があっても きっと どこまでも 歩き続けられる』
信じられない解散発表の余波も手伝って、客席もしんみり。
最後はやっぱりオフマイクで聴かせてくれました。

最後は、声の箱のメンバーらも再びステージに上がり、
総勢11人での大セッション。Real Groupの「Substitute for life」。
美奈子、やじ、よっしぃの女声ハーモニー、和音の仕事人Araki。うにらん&Kim!、Nomy&しぶざるの絡み。
Yo-Hey!のパーカス、やまのベース。なかちゃんと女声陣の掛け合い、すべてが最高。
今後、この曲を聴くたびに、この素晴らしい2グループのことを思い出すでしょう。
バンド編成が変わっても、解散しても、同じ時間を共有した人に残るもの。
それは確かに存在するのです。

迫力のセッション演奏後は拍手鳴りやまず。
RENTは打ち上げにもお邪魔させてもらいました。
このライブに立ち会えたこと、少しでも成功に貢献できたこと、心から誇りに思います。
声の箱とSSのみんな、本当にありがとう。
そしてこれからも歌仲間としてよろしく。

さて、次回は神戸でのプロライブ+α鑑賞編です。

2002.1.17 〈素晴らしき連休 その1〉

12日からの3連休は、やはりアカペラづくしでした。
素晴らしき体験の数々を、数回に分けてご紹介します。

12日は午前中、松山で男声企画バンドの練習。
午後、JRで倉敷入り。声の箱とSSという、RENTが大ファンであるアマチュアバンドのJOINT LIVEのためです。
倉敷駅で石川から来たちか@HONKY TONKと合流。開場約1時間前に会場の倉敷Cookie Jarに到着。
出演者らに挨拶して、予約者への前売り券販売のお手伝い。
開場前から行列が出来てて、開演時には100人ぐらいのお客さんで会場は大盛況。さすが。

とにかく、このライブは最高だったんです。
言葉ではとても伝えられないけど、気合を入れて全曲紹介と行きましょう。
まずは声の箱のステージ。敬称略。

★「ピンクレディーメドレー」
6声版で聴くのは初めて。うーん、すばらしい。
聞き慣れている5声版とは使っている曲も違うし、いろんな仕掛けがあって面白い。客のノリも上々。
よっしぃ、演奏後のMCで次の次の曲の紹介をしてしまい、大いにボケる。

★「Trickle Trickle」
マンハッタン・トランスファーでお馴染みのこの曲、うにらんリードでリズミカルに歌い上げました。
ハーモニーがおしゃれでした。こういうスピーディーなジャズ、歌ってみたい。
しぶざる、曲後のMCでシニカルさ全開。

★「Daydream believer」
モンキーズの大ヒット曲をベースリードのアレンジで。かっこいい。
リードはちょっと単調だったかな。歌詞を朗読しているような印象があったので、
もっと表情豊かにしてほしい。やまの声はとてもいいので、今後に期待。
やま、妙に冷静なMCが大いにウケる。

★「ホワイト」
オリジナルのバラード曲。よっしぃのリード、めちゃめちゃうまい。
すばらしい出来栄えで、アンケートの評判も上々だったらしい。
とにかくメロディが美しいんだ、この曲。詞もいいしね。ソングライター美奈子万歳。必聴。
やじ、MCで自己紹介を忘れる。うにらんとよっしぃの結婚が発表され、拍手と花束で祝福。

★「赤いスイートピー」
初めて聴くやじのリード。自称「あがり症」だそうで、最初は緊張のせいか声が震え気味だったが、
徐々に安定し、後半はばっちり。いい声してるよね。もっとリード曲を聴いてみたかった。
メンバーの結婚を祝福する気持ちにあふれた微笑ましい演奏でした。

★「ひとり」
お馴染みのこの曲、美奈子の6声アレンジ。しぶざる熱唱。
ベースラインはRENTが歌い慣れている原曲とは微妙に違うんだよね。
ちょっと和音が崩れて聞こえたのが残念。
うにらん、「今年は『時』、すなわち時間や時期(チャンス)を大事にしたい」と長いMC。

★「Run Run Run」
アカペラ界のカリスマバンド、Real Groupのカバー。
ハーモニーバンドの本領発揮という感じ。フリもそろってていい感じ。
メンバーの曲に真摯に取り組む姿勢が伝わってくる。この安定感、allspiceにはマネできません。
美奈子のMCでやじの「卒業」が発表されて、しんみりした雰囲気になる。
RENTも知らなかったので、かなり驚いた。

★「君がいるから」
最後は、旧5声編成のころから歌っているオリジナル曲。
アップテンポに、しかし切々と歌い上げるメンバーの心境やいかに。
『♪君がいるから ここにいるから そして何よりも こんなステキな 仲間たちがいるから』
6人で歌うのはこれが最後とのことで、客席で聴いていても胸を打つものがありました。
何回も聴いたことのある曲だけど、何回聴いても名曲です。

今後は5人で活動していくという声の箱。
6人での演奏が聴けなくなるのはさみしいですが、
これからどんな歌を紡ぎだしてくれるか、ファンとして楽しみにしたいと思います。
そしてやじ、本当にお疲れさまでした。

それでは次回、SS編をお楽しみに(?)

2002.1.10 〈P2Lが教えてくれたこと〉

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
さて、新年最初のSpicy Notesは、いきなり昨年の話です。
来年の話をすると鬼が笑うと言いますが、昨年の話をすると何が笑うのでしょうか。
いや、どうでもいいんですけど。

2001/12/28。この日は、日本アカペラ界で一時代を築いたスーパーバンド、
Phew Phew L!ve(P2L)がラストライブを行い、解散しました。RENTもライブに行きました。
オールスタンディングで約1600人が詰めかけた会場で、
午後7時過ぎから日付がかわるギリギリまで、実に約5時間のライブ。
いやはや、すさまじい熱気でした。

「End of the road」(BoyzUMen)の一節から「Sing A Song」に突入して幕を開けたライブは、
「ねっ!」「100万の言葉よりも」「Yes or No」などノリのいいオリジナル曲、
「Freedom」「Station」「Tell Me Why」「11月の雨」など聴かせるオリジナル曲に
「Fun×4」「That I would be good」「め組のひと」などのカバー曲も織り交ぜながら進行。
圧巻だったのは終盤間際で演奏された「究極(9曲)メドレー」。
「Oh! Pretty Woman」「Good Old Acappella」「Destination Love」「Mr.Bassman」「Sixty Minute Man」
などアップテンポなカバー曲の短縮バージョンを立て続けに演奏し、
最後は「ダンス天国」フルバージョン。会場のボルテージは上がりっぱなしでした。
ラストからアンコール(5回ぐらいあったか?)では、
「On And On」「Take me to the stadium」「Love Potion No.9」「YMCA」「Sugar baby love」など、
オリジナル、カバーを問わず人気の高いナンバーが続き、
「アリガトウ!!」「Come rain or come shine」で幕を閉じたのでした。
「Come〜」を歌ってる途中、リーダーTACが、
中二階で見守っていたプロデューサーの幾見雅博氏に手を振って、
幾見氏がイスから立ち上がって手を振り返していたのが印象的だった。
Wookieの「これからもアカペラ好きでいてください」というMCが耳に残った。
「ぼくたちは『日本一うまいアカペラバンド』じゃない。ぼくたちよりうまい人はたくさんいる。
でもこれだけたくさんの人が聴きにきてくれるP2Lは、日本一『いい』グループだと思う」
「ぼくたちのオリジナルソングをカバーして、歌い継いでいってほしい」
そんな言葉が心にしみた。

PAはいい感じだったが、VPの音が大きすぎた気がする。
アップテンポな曲ではベースが聞こえないこともあった。
それだけならまだしも、ダンス天国の最初の和音までかき消してしまうのはいただけない。

それはさておき、ベースマンRENTが、このライブで改めて教えられたことがあります。
それは、「ベースは歌うものだ」ということ。
当たり前のようだけど、普段はどうしても「低音を鳴らす」「刻む」といったことに気をとられがち。
P2LのベースマンHEROは、特にバラード系の曲のとき、
ただのロングトーンでも、感情たっぷりに歌い上げ、
歌詞があるわけでもないのに、時にリードボーカルより雄弁に、歌にこめられた想いを表現していた。
ピッチを保つことは大事。音圧も、リズムを刻むことももちろん大事。
でも、アカペラのベースはまず何より「歌」であり、「歌心」を忘れてはいけない。
ともすれば忘れがちな大切なことを、HEROが、P2Lが思い出させてくれました。

P2Lのメンバーはこれからそれぞれ新しいバンドなどで活動するとのこと。
アカペラの新境地を切り開いたメンバーらがどんな歌をつくっていくのか、純粋に楽しみにしたいと思う。
そしてまた、彼らのライブに足を運びたい。
アカペラが、彼らの歌が好きだから。きっとそれが、自分の糧にもなるから。