第十八章 〜 雨のち・・・ 〜
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いつきが突然、あぜ道を降りて田んぼの中へジャブジャブと入っていく。いつきの姿は見えないけど、移動するたんびに稲がワサワサと動いている、そして田んぼの真ん中に行って、「おっしゃー!」という声と一緒に稲から顔が出てくる。
「一番うるさかったの、コイツだと思う!」
握られてたのは、大きなカエルだった。僕ら二人で笑った。周りにはすごい数のカエルの声が響いていたけど笑った。いつきの顔が本当に嬉しかった。別れる時もカエルを手にいつきが帰っていく。
「じゃぁ、月曜日な!まさかなー、せいたろうが恋なんてなー!」
「やめろよ、分からないって言ったろ!」
「ぼ、ぼ、ぼ、ぼく、い、いそのさんのこと・・・」
「やめろったら!」
そんなやり取りも嬉しかった。いつきに今夜会えたのは何よりも嬉しかった。少し歩いたところで呼ぶ声がして振り返る。真面目な顔をしながらいつきがこっちを見ていた。