小説

著:やまももけんじ

『 方舟がキミを運ぶね 』

第十八章 雨のち・・・

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第十八章 〜 雨のち・・・ 〜
P.3 

その夜、夜中に目が覚めた。布団から外を見ると、星が出ていた。雲が抜けたみたい。半分よりも欠けた月が見えている。その月がちょうど、カーテンのスキマから目に入る位置で気になってカーテンを閉めようと窓に向かうと、遠くのあぜ道に誰か歩いているのが見える。こんな時間に人を見かけることは今まで無い。怖くなって、眠い目を何度も開いてよく見てみる。数十メートルごとにある薄暗い水銀灯の下をその人が通り過ぎる時、それは見えた。

「・・・いつき・・・・いつき!!!」

慌てて、階段を下りていく。二人を起こさないように注意しながら戸を開ける。小さくカタカタとなったけど、起きなかった。玄関を飛び出すと、あぜ道を走った。カエルの声が響く夜に僕の駆け足の音が一緒に響く。いつきが振り返って、ビックリしてこっちを見てる。

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