小説

著:やまももけんじ

『 方舟がキミを運ぶね 』

第十八章 雨のち・・・

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第十八章 〜 雨のち・・・ 〜
P.6 

「僕の父さんさ、磯野さんのお父さんと同じ部署なんだ。あと、カセットデッキ貸したあの日、重いから家まで届けに行ったんだ。それで、今朝、磯野さんの顔少し見えたら、少し腫れててさ。それで話聞いたら、転んだって。それで・・・いつきのカセットデッキ・・・壊れちゃったって・・・で、でさ、僕ん家もカセットデッキあるだろ?だから今日の帰り、ピストルズ一緒に聞くことになって・・・・それで帰りに磯野さんの家に送っていったらお父さんいて、それで、それで・・・・」

「はは・・・話ゴチャゴチャだな・・・」

「でさ、別れた後、家の中から音がして・・・磯野さん・・・お父さんに・・・お父さんにだよ・・・顔・・・あの磯野さんの顔が・・・自分のお父さんに顔・・・でさ・・・でさ・・・自分を変えたいって・・・世界ズで・・・震えながら・・・じぶんを・・・かえ・・・」

「もういいよ。分かった。」

「磯野さん言ってた・・・じぶんを・・・」

「せいたろう。分かったよ。」

「僕、初めてなんだ。知り合ってまだ、たったの数日なのに、たぶん磯野さんのこと・・・僕・・・なのに・・・僕・・・磯野さんがそんなことに・・・・なにも出来なくて・・・ぼく・・・」

「ストップ!」

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