第十八章 〜 雨のち・・・ 〜
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「まだ泣いてないよな?・・・よし、間に合った。せいたろうが泣くのは世界ズが初めてのライブやった時だ。だろ?分かった。もう全部わかった。知ってるか?俺さ、結構勉強も出来るんだぜ?だから今ので全部分かったよ。大丈夫。ほら、笑えよ。安心しろって。俺が誰だか知ってるか?工場長の息子、御曹司だ!跡継ぎだ!・・・今は、だけどな。ははは。
教えてくれてありがとう。ホントありがとう。やっぱせいたろうはいいヤツだ。大丈夫。一人で抱え込むなって。大丈夫。な!だから泣くな!まだ泣く時じゃない。・・・だから、まかせろ。
ほら見ろよ!星がすっげー綺麗だ!夏の大三角が今真上。夏の星座なのに深夜に真上に来るんだな。知らなかった。すっげー綺麗。ほら、見ろって。あーバンドしてーなー!」
いつきが立ち上がって空を見ながらあぜ道を歩いていく。
「そうだね・・・僕も自分を変えたい・・・」
「・・・なにー?カエルうるさくて聞こえねー。」
「やる・・・僕も。」
「なにをやるってー?」
「こんな時まで茶化すなよ、やめてよ。世界ズだよ。僕もやる。唄は分からないけど、3人でやってみたい。磯野さんが変わるなら僕も変わりたい。こんな自分嫌いだ。」