第十八章 〜 雨のち・・・ 〜
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第十八章 〜 雨のち・・・ 〜
「ただいま」
「おかえり、遅いから心配してたわよ。ちゃんと送ってあげた」
「あぁ・・・」
「なに、そんな青白い顔して。走ってきたの?汗が凄いわよ?お風呂作って入ったら?」
「・・・・あぁ、うん」
「どうしたのよ、お風呂出たらちゃんとフタしときなさいよ、せいたろう、いつも隙間作るから冷めちゃって大変なんだから。」
「うん・・・」
部屋のドアを開けて電気もつけずに畳みに座り込む。何も考えられない。ただ無心のまま、パンツとランニングを持って、お風呂場へ行く。お湯の蛇口をひねって、お湯がたまるのをジッと見ている。20分くらいたったころ、お風呂もたまる。服を脱いで鏡を見ると、自分でも分かるほど、汗が流れた後がわかった。・・・汗?洗面器でお湯をすくって頭から何度もかける。小さな湯船に入ると、ようやく少しだけ頭の中にスキマが出来た。