小説

著:やまももけんじ

『 方舟がキミを運ぶね 』

第十八章 雨のち・・・

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第十八章 〜 雨のち・・・ 〜
P.5 

「なんだか久々みたいな気がする。二人でいるの。」

「そうだなぁ、磯野さん来てからずっと三人だもんな。」

「うん。・・・いつきには感謝してるよ。磯野さんと話せるようになったのは、いつきのお陰だって思う。いなかったら今頃どうなってたか分からないよ。」

「はは、絶対一言も喋らずに1年過ごしてると思うよ。」

「そうだね・・・本当にありがとう。」

「やめろよ、気持ち悪いな。」

「あのさ、人って精神的にショックなことがあると白髪が出来るんだって。知ってた?」

「・・・知ってる。それ俺も気になってた。っていうか気にならない訳ないだろ、俺だってそりゃ見ちゃうよ。」

「そうなんだ、そりゃそうだよね・・・・」

「なんだよ、その質問。まどろっこしいなぁ。何だよ。何かあったんだろ?」

「・・・うん。」

「何だよ、別に無理して言わなくてもいいって。」

「いつきって磯野さんのお弁当見たことある?日の丸弁当なんだ。毎日・・・毎日だよ?それで、一口くらいのおかず。たぶんアレ、晩御飯の残りだと思う。僕だって、好きで見たんじゃない。でも、見えちゃったんだ。そしたら気になって・・・・それに・・・それに・・・」

「・・・うん」

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