第十八章 〜 雨のち・・・ 〜
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「なんだか久々みたいな気がする。二人でいるの。」
「そうだなぁ、磯野さん来てからずっと三人だもんな。」
「うん。・・・いつきには感謝してるよ。磯野さんと話せるようになったのは、いつきのお陰だって思う。いなかったら今頃どうなってたか分からないよ。」
「はは、絶対一言も喋らずに1年過ごしてると思うよ。」
「そうだね・・・本当にありがとう。」
「やめろよ、気持ち悪いな。」
「あのさ、人って精神的にショックなことがあると白髪が出来るんだって。知ってた?」
「・・・知ってる。それ俺も気になってた。っていうか気にならない訳ないだろ、俺だってそりゃ見ちゃうよ。」
「そうなんだ、そりゃそうだよね・・・・」
「なんだよ、その質問。まどろっこしいなぁ。何だよ。何かあったんだろ?」
「・・・うん。」
「何だよ、別に無理して言わなくてもいいって。」
「いつきって磯野さんのお弁当見たことある?日の丸弁当なんだ。毎日・・・毎日だよ?それで、一口くらいのおかず。たぶんアレ、晩御飯の残りだと思う。僕だって、好きで見たんじゃない。でも、見えちゃったんだ。そしたら気になって・・・・それに・・・それに・・・」
「・・・うん」