観光!
ニューオーリンズ4回目の私も、そしてニューオーリンズ在住の美人妻柴田もまだ行ったことの無い所、それがアクエリアムだった。セント・チャールズ・ストリートカーに乗り込み、いざ出陣。と、リー・サークルに差し掛かったところで異変が。何でも線路の修復だか路線の拡張だかの工事のため、ここからカナルの方へは現在乗り入れを休止しているとのこと。で、ここで振り替え輸送のバスに乗り換えてカナル・ストリートに向かうこととなる。バスを降りてカナル・ストリートをミシシッピー川に向かって歩いた突き当たりにあるのが、目指すNew
Orleans Aquariumだ。ここには、アメリカで流行っている3Dの映画館Imax
Theaterもある。
入場券を買って中へ。平日の昼間ということもあって、小学生の見学ツアーみたいなのが有象無象いる。これがカワイイなんて生易しいレベルじゃない。何処へ行ってもこいつらがチョロチョロ、ギャアギャアするので落ち着いて見ちゃいられない。せっかく旦那の留守をいいことに美人妻とデートだというのに。写真は、上手く写らなかったがエントランスからすぐのところにある、水槽の中をくぐり抜けるトンネル内でのもの。葛西だか品川の水族館とかにも同様のものがある。このアクエリアム、最初は、10ドルも払ってそれ程のものじゃないんじゃないか、日本の水族館ほど充実してないんじゃないか、と感じていたが、やがてそれが間違いであることを思い知ることになる。件のトンネルを抜け、長いエスカレーターでグーッと上がると、そこには亜熱帯のジャングルを模した空間が。極力自然の物を使って内装されているこの空間、中を歩き回ってみるとなかなかの迫力。ここでの見物はやはり何と言ってもホワイト・アリゲーターであろう。結構シャイな奴みたいで奥の方で水上に顔を突きだしてじっとしていたが、子供たちの人気も高かった。
ニューオーリンズの水族館で気がついたこと、それは、甲殻類がいないことである。日本ではカブトガニはじめあらゆる種類のカニやエビというのはマスト・アイテムであり、これらなくしては水族館とは言えない程人気者でもある。ところがこちらではエビ・カニというのは食い物と言うイメージなのか、全く展示がされていなかった。そして意外な人気者が。それは、クラゲである。ありとあらゆるクラゲが展示されていて、アメリカ人が興味深げに水槽をのぞき込んでいる。"今月のクラゲ"なんてコーナーまである始末。さらに驚かされたのは、蜘蛛の展示スペースが結構とってあることであった。タランチュラとかそういった類の蜘蛛が何故水族館に、と我々を悩ませた。楽しかったのは、鮫に触ろうのコーナーである。ホ、ホントに鮫ってさめ肌なのかなー、とか言いながら長い列に我々も加わった。触るのは小っちゃな鮫ではあるが、それでも係の人がしっかりと押さえていてくれて、こわごわと皆触っていく。しかし鮫にしてみるとひがな色んな奴に背中を撫でられていい迷惑ではある。
予想外の規模の大きさと内容に感動しつつ外へ。このアクエリアムに隣接するように"スペイン広場"がある。ネヴィルズの誰かのソロ・アルバムのジャケ写はまさにここで撮られたもの。円形の池を囲むようにモザイクの装飾を施した壁が取り巻いている。我々が行った時には、黒人の男の子と女の子が結婚式での新郎新婦よろしくキメて、池の縁で記念撮影中。あまりに可愛かったので写真を撮らせてもらおうかと思ったが、声を掛けようと思っているうちに行ってしまってので、かわりに私が入った写真をどうぞ。この写真で地面が濡れているのを見て思い出したが、この時期のニューオーリンズは雨期だそうで、一日のうちに必ず2、3時間は物凄い雨が降る。"あ、良い天気だ。"、と思って雨具を持たずに出掛けとほほ状態、なーんてことが滞在中に何度かあった。フレンチ・クオーター内の土産物屋さんでビニールのポンチョを入手することも可能だが、雨に降られる度にポンチョを買うのも馬鹿馬鹿しいし、ストリートカー等に乗る際に濡れたポンチョというのが他人にも迷惑、自分も気持ち悪いものなので、折り畳み傘の携行をお薦めします。
さて、写真後方にあるビルがRiverwalk Market Placeである。以前ここに来た時は買い物にもそれ程興味が無く、入口周辺の店を2、3覗いただけだった。今回は中のフードコートで食事しよう、と言うこともあって一番奥まで全て見て回った。入ってしばらくの所にあるはずのテナントが何件も閉鎖中だったが、これは日本にも報道された昨年のフェリー激突事故、というスピード2を地でいくような大惨事のためである。美人妻からクリスマス・メールに張り込んで送られてきた写真があったので、ちょっと載っけてしまうが岸壁を完全に削り取ってモールを破壊したとんでもない事故の後遺症は、未だに残っていた。
とは言っても概ね復旧しているので、ウインドウショッピングを楽しむには全く問題ない。奥の方に2階に上がるエスカレーターがあり、そこを上がってしばらくのところにお菓子の実演販売をやっている店がある。これが皆役者で、キャラメルや何やら材料を練ってお菓子にしていく工程を見せるスペースは、まるっきり舞台そのものなんである。そこを幾重にも取り囲んだ客と掛け合い、やり取りをして楽しませている。さすがに出来上がって売られているお菓子は、いずれもエキストラ・スーパー・スイートっぽく、一般的日本人である私の舌には合わなそうであった。勇気のある方はぜひお試しを。
このモールのほぼ突き当たりに巨大フードコートがあり、その丁度入り口の所にマルディグラ・グッズを扱う店がある。店のウインドゥ側にはマルディグラの衣装を着せた人形の展示もあり、わくわくさせられる。人形、仮面、ビーズ飾り、その他諸々品揃えも豊富。こうしたグッズを適価で入手できるので、お薦めである。
フードコートを一巡りして品定め。メキシコ料理のコーナーが美味そうなので寄っていく。ここではソフト・シェルのようなコーンの皮で野菜、シーフード、ソースを包んだ巻物をサーブしている。皮はレギュラーと薬草のようなものを練り込んだモノの2種類から選び、シーフードはシュリンプ、ザリガニを選べる。我々のお気に入りは、ケイジャン・ラップという奴。この巻物を2つにカットしたものにピクルスを1本つけてサーブしてくれる。飲み物込みで5ドル程度だったっけ。これが結構癖になるので、後日もう一度テイクアウトしに行った位だ。
フードコートにはミシシッピー川に面したテラスがあり、食後ここで一服。それ程蒸し暑い時期ではなければここで川の流れを眺めながら食事しても楽しいかと思う。さあ、そろそろドラマー清水がやって来るころだ、というので再びバス〜ストリートカーを使って家に戻る。
彼との待ち合わせは、私の時と同じくSt. Charles Innのコーヒーショップだ。二人でコーヒーを飲んでいると一台のシャトルが。そこに降りたった胡散臭い東洋人、それが清水だ。昨日と違い、美人妻一人ではないので徒歩で家に向かう。しかし、疲れているのかもしれないがこの清水、旅の興奮とか緊張感というものを微塵も感じさせない自然体。で、部屋に落ち着いたところで撮った写真がこれ。左の乱暴な風体をしたのが清水で、右の溢れ出る知性が私である。それにしてもこの柴田邸、居心地の良さ満点で、それが仇となって後半めっきり行動力が落ちることになる私であった。
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