第十二章 〜 i so no 〜
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「・・・お帰り、今日は早いんだね」
「あぁ、ただいま。今夜は飲み会で遅くなるはずだったのに、中止になったんだ。楽しみにいてたんだけどなぁ。」
「飲み会なんて珍しいね、なにかあったの?」
「そうか、せいたろうにも関係あるかもしれないな。今日、転校生来ただろ?磯野という名前なんだが。同じ学年に来ただろ?」
それを聞いて僕はお茶を吹き出しそうになった。鮮明に今日の出来事が頭に蘇る。
「・・・どうした?転校生来ただろ?」
「その娘、せいたろうと同じクラスみたいなの。今日、せいたろうが学校の案内もしたんですってよ。」
晩御飯を運びながら母さんが話しかける。