小説

著:やまももけんじ

『 方舟がキミを運ぶね 』

第十二章  i so no

目次はこちら

第十二章 〜 i so no 〜
P.6 

「・・・お帰り、今日は早いんだね」

「あぁ、ただいま。今夜は飲み会で遅くなるはずだったのに、中止になったんだ。楽しみにいてたんだけどなぁ。」

「飲み会なんて珍しいね、なにかあったの?」

「そうか、せいたろうにも関係あるかもしれないな。今日、転校生来ただろ?磯野という名前なんだが。同じ学年に来ただろ?」

それを聞いて僕はお茶を吹き出しそうになった。鮮明に今日の出来事が頭に蘇る。

「・・・どうした?転校生来ただろ?」

「その娘、せいたろうと同じクラスみたいなの。今日、せいたろうが学校の案内もしたんですってよ。」

晩御飯を運びながら母さんが話しかける。

次のページ

ページ: 1 2 3 4 5 6 7 8 9