第十二章 〜 i so no 〜
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「あっ、もしもし?いつき?」
「ははは!せいたろう、聞こえてるよ!お前の母さんの声も聞こえてたぞ。どうした?電話なんて初めてじゃんか。どうだった?磯野さんと仲良くなれたか?」
「そ、そう!磯野さんのことなんだ!ちょ、ちょっと落ち着いて聞いてよ!あれからさ・・・」
「ははは、お前が落ち着けよ、俺だってビックリしてんだもん。アメリカの映画女優みたいだったな、あの顔、今思い出してもさぁ・・・」
「違うんだ!そのことじゃないんだよ!磯野さん、バ、バンド!!バンドやるって!!一緒にバンドやるって!!バンドやるって言ってきた!!メモ!メモで見せてきたんだ!!!一緒にバンドやりたいって!!!!」
「え、う、うそ!!!ほ、ホントに?!ウ、ウソじゃないよな!!!」
「本当なんだよ!ぼ、僕にメモ見せてくれてさ!!バンド一緒にやるって書いてあって!!」
「本当かよ!!やった!!やったぞ!!ついに動き出せるんだ!!今確信した!せいたろうと磯野さんなら、絶対世界を変えれるって!!!本当に夢じゃなくなってきたぞ!!俺、確信した!せいたろうだってそう思うだろ?!だから言ったじゃんか!これは絶対奇跡だよ!!!」
「や・・・僕は・・・」