CHERISH YOU FOR WHAT YOU ARE / V.A. | 70 | ||
side A title / artist | time | ||
(1)A SONG FOR YOU / GRAM PARSONS | 4:56 | ||
(2)THE MIGRANT / TONY JOE WHITE | 3:58 | ||
(3)ALISON / ELVIS COSTELLO | 3:25 | ||
(4)ALL THE WAY / RICHARD HELL & THE VOIDOIDS | 3:23 | ||
(5)THINK / CURTIS MAYFIELD | 3:44 | ||
(6)COULD I BE THE ONE / AL GREEN | 4:10 | ||
(7)GIVE ME LITTLE MORE / CARLTON & THE SHOES | 3:32 | ||
(8)FAR EAST MAN / RON WOOD | 4:38 | ||
(9)DON'T
LET ME DOWN / THE BEATLES (WITH BILLY PRESTON) | 3:33 | ||
total time...35:19+(頭約10秒,曲間約3秒,後約16秒) | |||
side B title / artist | time | ||
(1)95
SOUTH (ALL OF THE PLACES WE'VE BEEN) / GIL SCOTT-HERON AND BRIAN JACKSON | 4:21 | ||
(2)DREAM
SONG / MIKE MAINIERI & FRIENDS | 5:33 | ||
(3)耳をうずめて
/ KIRINJI 【キリンジ】 | 5:55 | ||
(4)MADGE
/ STEPHEN BISHOP | 4:03 | ||
(5)乱れ髪
/ 大瀧詠一 | 2:16 | ||
(6)君と旅行鞄
(トランク) / はちみつぱい | 3:56 | ||
(7)LET
ME BE THE ONE 【あなたの影になりたい】 / MATTHEW SWEET | 3:26 | ||
(8)ANNA LEE / PACHECO & ALEXANDER | 4:37 | ||
(9)やつらの足音のバラード / ちのはじめ | 1:17 | ||
total time...35:24+(頭約10秒,曲間約1秒,後約00秒) | |||
side A |
(1)A
SONG FOR YOU / GRAM PARSONS taken from : 『 GP 』 ▲title / artist |
イントロを耳にしただけで、秋が空いっぱいに広がるようなA(1)。ちょっと前よりも少し高い所にある雲のようなペダル・スティール・ギター。柔らかい風に吹かれて揺れる原っぱのようなアコースティック・ギター。そして、秋の暖かな日差しのようなオルガン。そんな音達を背景にしながら、田舎の匂いのするようなフィドルやグラム・パーソンズの決してうまいとは言えない歌が漂っている。何も傷つけるものがない安息の地は、意外にも身近にあったりして。 ここで抜群にヘナヘナした歌声を聴かせる彼は、26歳で夭逝したカントリー・ロックの最重要人物。インターナショナル・サブマリン・バンド〜ザ・バーヅ〜フライング・ブリトー・ブラザーズを経て、本作でソロ・デビュー。僕が彼を聴くきっかけになったのは、ソウル・フラワー・ユニオンがアルバム 『 LOVE ± ZERO 』 で彼の「SHE」(『 GP 』 に収録)という曲をカヴァーしていたから。この「SHE」もかなりの名曲(この曲は夏の曲らしいので今回はパス)。 |
(2)THE
MIGRANT / TONY JOE WHITE taken from : 『 THE TRAIN I'M ON 』 ▲title / artist |
「アンタの小麦畑もそろそろ刈り入れの季節。でもオレは冬になる前にテキサスのパイプラインで一稼ぎしてくるぜ。あばよ、みんな、またな。そして、また落ち葉が舞い始める頃、俺は帰ってくるぜ」という、出稼ぎに出て戻ってくる男の歌。切なさや寂しさと同時に暖かさも感じる曲。 それにしても、「Goodbye, I'll see y'all」を「あばよ みんな またな」と訳した如月ゆいさん、トニー・ジョーのキャラをよく理解している!名訳だ。今時、日本でも“あばよ”なんて言うのは、柳沢慎吾くらいしかいないのではないだろうか。 そんな“あばよ”がよくに合うトニー・ジョー・ホワイトは、スワンプ・ロックを代表するシンガー/ソングライター。この曲が収録された 『 THE TRAIN I'M ON 』 では幾分押さえ気味だけど、1st 『 BLACK AND WHITE 』 や2nd 『 ...CONTINUED 』 などでは、フンパー・ストンパーと呼ばれるワウ・ペダルで「ワヨ〜ン、ワヨワヨ!」とやったり、ヤケッパチなシャウトをキメたりと大暴れている。が、しかし、このA(2)のような哀愁路線もバッチリ収録。 |
(3)ALISON / ELVIS
COSTELLO taken from : 『 MY AIM IS TRUE 』 ▲title / artist |
パンク期に登場した、メガネがトレード・マークのメロディー・メイカー〜大村崑…じゃなくてエルヴィス・コステロ。彼の1stアルバムから代表曲A(3)。 隙間だらけのサウンドの中で、リリカルに鳴るクリーン・トーンのエレキ・ギターが心癒す。偶然かもしれないが、このギター、なんとなくチャイニーズなニュアンスを感じさせるフレイジングだ。そんなギターをポワーンと包み込んでくれる控えめなエレピもいい。 そして何よりコステロの歌が切ない。僕は彼の歌い方に、ちょっと感情過多な印象を抱くこともあるのだが、この曲に関してはベストだと思う。 |
(4)ALL
THE WAY / RICHARD HELL & THE VOIDOIDS taken from : 『 BLANK GENERATION 』 ▲title / artist |
前曲に引き続き、メロウなクリーン・トーンのエレキ・ギターが印象的なA(4)。おそらく2本あるギターのうち、メロウな方の右チャンネルのギターを弾いているのはこの間亡くなったロバート・クインだと思う(そうあって欲しい!)。しかしこの曲の場合、そのメロウさは幾分ひしゃげている。そして、リチャード・ヘルの歌もヘナヘナでヘタクソだ(と断言してしまう)。間奏では、「お!パンクなのに半音転調したぞ!」と少し驚くと同時に感動してしまう。その転調したことそのものよりも、あくまでその音に対して“グッ”とくる。 この一見パンクらしからぬ曲は、フランク・シナトラの代表曲のカヴァー。ここで気になったのがシド・ヴィシャスの「MY WAY」。あの曲もフランク・シナトラの代表曲。パンク・ロッカーって、意外と昔のポピュラー音楽が好きな、センチメンタリストなのかもしれない。 リチャード・ヘル&ザ・ヴォイドイヅは、ヴォーカル、ギター・サウンド、そしてそのビート感を含めた全てがニュー・ヨーク・パンクを体現していると言っていいパンク・バンド。そのヴォーカリスト〜リチャード・ヘルはパンク・ファッションの先駆者でもある。 |
(5)THINK
/ CURTIS MAYFIELD taken from : 『 SUPERFLY 』 ▲title / artist |
ニュー・ソウルを語る時には欠かせないソウルの巨人〜カーティス・メイフィールドが手掛けたブラック・シネマのサウンドトラックから、8分の9拍子の優しいインストゥルメンタルA(5)。前曲が同系列のリズム8分の12拍子だし、エレキ・ギターもクリーンでメロウな感じなので、意外にもシックリと繋がってしまう。 そのギターやソプラノ・サックス(かそれに似たリード楽器)のフレイズ、そしてその音色が郷愁を誘う。チェレステ(と思う)のカワイイ響きも、陰ながらこの雰囲気作りに一役買っている。タイトル通りに、ふと何かについて考えたりしてしまいそうな曲。 |
(6)COULD
I BE THE ONE / AL GREEN taken from : 『 AL GREEN IS LOVE 』 ▲title / artist |
こちらもカーティス同様に、ファルセットが見事なソウルの巨人〜アル・グリーンが歌う、時が止まったようなA(6)。とにかく心に“優しest”な曲。歌詞の始めの1節にある「Could I be the one that you're thinking of」で、前曲とは“think”繋がり。そして、女声コーラスが歌う「Let me be the one」という言葉は、後々出てくるB(7)のタイトルでもある。 |
(7)GIVE ME LITTLE
MORE / CARLTON & THE SHOES taken from : 『 THIS HEART OF MINE 』 ▲title / artist |
メロウなレゲエの最高峰A(7)。木漏れ日のようなギターと、ソフトでスウィートなファルセット・ヴォイス、そして軽快でグルーヴィーなリズムがとにかく心地いい。要所要所で顔をのぞかせる、ちょっとチャイニーズなギターのオブリガードもナイス。このチャイニーズなフレイズとメジャー7thコードというのは、意外にもとても相性がいい。 彼らは元々3人兄弟のロック・ステディー・コーラス・グループだったのが、他の2人の兄弟が脱退してアビシニアンズを結成したので、この曲が収録された2nd 『 THIS HEART OF MINE 』 では作詞、作曲、アレンジ、歌(コーラスも)を全てカールトン・マニング1人がこなしている。そして彼はミキシングやプロデュースにまで関っているという八面六臂の活躍ぶり。 因みにこの曲は、今は亡き佐藤伸治が率いていたオルタナティヴ・レゲエ / ロック・バンド〜フィッシュマンズの「BABY BLUE」(『 空中キャンプ 』 に収録)の元ネタでもある。 |
(8)FAR EAST MAN /
RON WOOD taken from : 『 I'VE GOT MY OWN ALBUM TO DO 【俺と仲間】』 ▲title / artist |
前曲A(7)にも似たメロウネスを持つ名曲A(8)。しかし、こちらはユッタリとテンポを落として、とても遣る瀬ないバラードに仕上がっている。あまりうまくない“男達のコーラス”も、その遣る瀬なさを一層引き立てている。 A(7)やA(9)のような、何となく“チャイニーズ”な雰囲気を持った曲を繋ぐ、橋渡し的な曲のタイトルが“FAR EAST MAN”。この曲は、メンバーに日本人がいたバンドに在籍していたロンと、同じバンド内に日本人と結婚したメンバーがいるジョージ・ハリスンの共作で、印象的なスライド・ギターはロン、ベースはミック・テイラー、そしてドラムスはスライ&ザ・ファミリー・ストーンの 『 FRESH 』 でその名をあげたアンディー・ニューマーク。しかし、アンディー・ニューマークである必然性は感じられない。 |
(9)DON'T
LET ME DOWN / THE BEATLES (WITH BILLY PRESTON) taken from : 『 PAST MASTERS・VOLUME TWO 』 ▲title / artist |
気だるそうなサウンドとジョン&ポールの熱いシャウトが、対照的ながらも絶妙なマッチングを聴かせるA(9)。ニュー・ソウル的なメロウネスをうまく持ち込んでいるビリー・プレストンのエレピもいい。また、A(7)のコメントで言ったように、何となく中国風な歌メロとギターのフレイズの周辺にメジャー7thがかぶさるパターンの心地よさが、ここ(「Nobody
ever loved me like she does」のくだり)でも証明される。 それと、 『 I'VE GOT MY OWN ALBUM TO DO 【俺と仲間】』 のレヴューの言葉通り、A(8)と並べてみた。 |
side B |
(1)95 SOUTH (ALL
OF THE PLACES WE'VE BEEN) / GIL SCOTT-HERON AND BRIAN JACKSON taken from : 『 BRIDGES 』 ▲title / artist |
“黒いボブ・ディラン”〜ギル・スコット-ヘロンの優しい一面が現れたB(1)。彼には珍しく“夜の都会のストリート”といった雰囲気はなく、むしろ目の前に開けた景色の中に限りなく続く一本道があり、その道端に生える草が風に揺れているような、開放感がありながらも、なんとなく郷愁が漂っているような曲。歌詞を拾い聴いていると、どうやら自分の育った町と、そこから今に至る道のりについて歌っている模様(間違っていたらゴメンナサイ)。ユッタリとしたシンセ・ベースにアコギのコード・ストローク、そしてキラキラとしたエレピで構成されたユルいグルーヴ感が、秋にピッタリだ。 |
(2)DREAM
SONG / MIKE MAINIERI & FRIENDS taken from : 『 WHITE ELEPHANT 』 ▲title / artist |
前曲からさらに草原に足を踏み入れたような感じのするB(2)。爽やかなサックスとアコギ、潤いのあるピアノで始まり、後半はポコポコと心地良くグルーヴするパーカッションが活躍し、なんとなくストーンズの「TIME
WAITS FOR NO ONE」(『 IT'S ONLY ROCK'N ROLL 』 に収録)の後半部に似た感じになってくる。この曲でも“ちょっと中国風なメロにメジャー7th”というパターンが登場。ホント、和める曲。 彼らはフュージョン草創期(クロスオーヴァー)の生まれたユニットで、ブレッカー兄弟、スティーヴ・ガッド、トニー・レヴィンほか、後のフュージョン、セッション・ミュージシャンを代表するようになる面々が名を連ねている。とても自由な環境で制作されたものらしく、イントロでは微かに咳をする音が聞こえる。 '68〜'72年頃に録音、'72年に発売されたこのアルバム、全体としてはいわゆる“クロスオーヴァー”なサウンド(フュージョンではない!)から、アフロ・ロック、フォーク、スワンプ・ロック、フリー・ソウルっぽいものまでヴァラエティーに富んでいる。しかも、後のいわゆるフュージョンな感じの都会的でノッペリした感じは一切なく、フュージョン嫌いな人にもO.K.。 |
(3)耳をうずめて / KIRINJI
【キリンジ】 taken from : 『 47'45"』 ▲title / artist |
サウンドでは玄人も唸らせる高度な作・編曲を惜しげもなく、しかしサラリと見せつけ、内ジャケではハーパース・ビザールのパロディをやってみたりと、そのホノボノとしたマニアックさで、登場するや否やコアなポップ・ミュージック・ファンの注目を一気にさらったキリンジの1stアルバム。その1stとは裏腹に、ジャケのイメージやそのサウンドのせいで、一聴しただけでは地味な印象だけども、聴くたびに味が出てくる2ndアルバムから、陽だまり感覚に溢れたB(3)をチョイス。 雰囲気、特に後半のグルーヴィーな感じは前曲に似て“耳に心地良く、体にクる”感じだけど、前曲にはなかった優しいストリングスが心にも訴えかけてくる。そこに、音楽ファンなら“グッ”とこないはずがない「僕は音楽に愛されてる」というフレイズが出てくるものだから、なおさら切なくなってしまう。 |
(4)MADGE
/ STEPHEN BISHOP taken from : 『 CARELESS 』 ▲title / artist |
静かなアコギのと暖かな歌声の弾き語りに、これまた優しいストリングスが絡むB(4)。都会的な感じと、フォーキーな感じとがうまく溶け合った、ハートウォーミングな曲。途中、誰もが耳馴染みのあるイギリス民謡「ロンドン橋」のフレイズが挿入されている。 スティーヴン・ビショップは、ニック・デカロがソロ・アルバム 『 ITALIAN GRAFFITI 』 で取り上げたことで有名な「UNDER THE JAMAICAN MOON 【ジャマイカの月の下で】」をリア・カンケルと共作したシンガー/ソングライター。なお、リア・カンケル・ヴァージョンは彼女の1stアルバム 『 LEAH KUNKEL 』 に収録されている。 |
(5)乱れ髪
/ 大瀧詠一 taken from : 『 大瀧詠一 』 ▲title / artist |
クラシカルなストリングスで始まるB(5)。前曲とはストリングス繋がり。簡素だけど深い余韻を残すピアノがいい。 基本的にこのカセットは秋晴れの日をイメージして作っているんだけど、この曲は雨降り。しかも「乱れ髪のような雨」。でも、そのわりには日向ぼっこをしているような温かさがある。「割れた 鏡のなか」という、出だしのメロディーがなんとなくプレスリーの「LOVE ME TENDER」に似ている。 この曲は、映画 『 僕は天使ぢゃないよ 』 の中のワン・シーンで使われている。大瀧とはベルウッド・レコードのレーベル・メイトであるあがた森魚扮する主人公〜一郎と、その恋人〜幸子のちょっとした喧嘩の最中、幸子が投げた物が当たって鏡が割れ、それに驚いた一郎が発した「あぁ!…。…大切な鏡がぁ……。」というセリフの後に始まる。場面は変わり、ストリングスの後のバス・ドラムの音に合わせて一郎がどこかの階段を一段一段降りてくる。 |
(6)君と旅行鞄 (トランク) / はちみつぱい taken from : 『 センチメンタル通り 』 ▲title / artist |
レーベル繋がりでもあるし、ピアノ&ヴァイオリン繋がりでもあるB(6)。そのほかにも、エレピやアコーディオン、そして終わりの方にはペダル・スティール・ギターなんかも聴こえる。 しかし、なんといっても印象的なのは武川雅寛のヴァイオリンだ。限りなくカントリー・ロックのバラードなのに、その景色を一瞬のうちに“昭和40年代の日本”(厳密に言えば“東京”なのかもしれないが…)にしてくれる。そして、そんなサウンドをバックに「何も知らぬうちに全てはね 変わっていったさ さよなら風が運んだ 甘い夢」なんていう歌詞を歌われたのでは、切なくならないワケがない。 この曲は、ムーン・ライダーズの前身バンド〜はちみつぱいの、正式にはたった1枚のアルバム 『 センチメンタル通り 』 の「僕の倖せ」を改作したシングル曲。CD化の際に 『 センチメンタル通り 』 に収録されることとなる。アルバム同様、コーラスに大貫妙子や吉田美奈子が、そして録音エンジニアとして大瀧詠一が参加している模様。 |
(7)LET ME BE THE ONE
【あなたの影になりたい】 / MATTHEW SWEET taken from : 『 IF I WERE A CARPENTER 』 ▲title / artist |
イントロだけだと「この曲もはちみつぱいか?」と思ってしまう、ピアノ&スティール・ギター繋がりB(7)。曲が進むとヴァイオリンやエレピも出てくるので、益々はちみつぱいっぽくなって当然のはずなのにそうならないのは、この曲がカーペンターズの曲だから。カントリー・フレイヴァー溢れる編成で演奏しながらも、楽曲そのものは秀逸なバラード。鳥肌立ちまくりの名曲に仕上がっている。 そして、そこでピアノを弾くのは、誰あろう、リチャード・カーペンターその人なのだった!正に夢の共演とはこのこと。おまけに、リチャードはコーラスにも参加してくれている。 この曲が収録された 『 IF I WERE A CARPENTER 』 はカーペンターズのトリビュート・アルバムで、アメリカのオルタナティヴ・ロック・アーティストが中心の顔ぶれ。このマシュー・スウィートほか、個人的にオススメなのがソニック・ユースの「SUPERSTAR」、クランベリーズの「(THEY LONG TO BE )CLOSE TO YOU」、レッド・クロスの「YESTERDAY ONCE MORE」あたり。そのほか、少年ナイフやシェリル・クロウなんかも参加している。 因みに、中古レコード店にいた頃、店でかけた曲の中で問い合わせの多い曲の一つだった。 |
(8)ANNA
LEE / PACHECO & ALEXANDER taken from : 『 PACHECO & ALEXANDER 』 ▲title / artist |
家を出て行った後、訳あって久しぶりに故郷に戻ってくる“アンナ・リー”を気遣って、兄(どうやら実の兄妹ではないらしい)が周囲の者達に言う一言「どうか彼女には何も尋ねないで 一日二日休ませてやってくれ」に、なんだかジンとくるB(8)。トニー・ジョーの旅立ちソングA(2)とは逆に、“帰郷”ソング。 ペダル・スティール・ギターやピアノ、アコギなど、ウッドストックの名プレイヤー達が紡ぎだす伴奏と、壮大なサビのメロディーが醸し出す、のどかで広大な故郷の農場の景色。そんな景色やストーリーを決してうまいとは言えない歌で物語る2人。もう涙なくしては聴くことのできない名曲だ。 この曲が収録された 『 PACHECO & ALEXANDER 』 は、ヘナヘナ声のトム・パチェコと、トムよりは歌のうまいシャロン・アレキサンダーという2人によるフォーク・デュオが、たった1枚だけ残したアルバム。ウッドストックの隠れた名盤として、熱心なファンの間で聴き継がれ、そして語り継がれてきた作品。僕は聴き継いでもいなければ、語り継いでもいない“後追い派”なので、CD化されて初めて知ったクチ。まぁ、確かに“世紀の名盤”として自身満々に掲げることはできない作品かもしれないが、“歌がうまくない”の一言では片付けられない魅力を持った曲がいくつも収録されているのも、また確か。 |
(9)やつらの足音のバラード
/ ちのはじめ taken from : 『 はじめ人間ギャートルズ 』 ▲title / artist |
子供心に“寂寥感の良さ”を覚えてしまったB(9)。僕(“僕らの世代”と言っても過言ではない)には絶対に忘れることのできない名曲。こればっかりは他の誰が歌っても受け付けられないし、“2番”などはもってのほか。テレビ・サイズの時間で収まらなければダメなのである。 これまでの流れで出てきたアコギにペダル・スティール・ギター、ストリングスといった楽器に加えてリコーダー(泣けてくる!)が登場する、フォーク〜カントリー・フレイヴァーのワルツ、かまやつひろし作。 思えば、昔のテレビ漫画(アニメとは言いたくない)は、オープニングは希望に満ちた歌やハチャメチャな歌、エンディングはちょっと寂しい歌というのが定番だったような気がする。まぁ、今でもその傾向は変わらないのかもしれないが、あの頃の主題歌の“詩”のように、大人になっても心を打つものは少ないのではないだろうか。 しかし、このサントラをレジに持っていくのはちょっと恥かしかったなぁ。因みに、オープニング・テーマは保存状態が悪かったらしく、始めの30秒くらいは音がグジュグジュしている。も一つ因みに、もしビートルズがいなかったら、この作品は存在していなかったかも。なんせ“ギャートルズ”だから。 |
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