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artist : GIL SCOTT-HERON AND BRIAN JACKSON |
title : 『 BRIDGES 』 |
release : 1977年1月 |
label : ARISTA RECORDS |
tracks ( cd ) : (1)HELLO SUNDAY!HELLO ROAD! (2)SONG OF THE WIND (3)RACETRACK IN FRANCE (4)VILDGOLIA (DEAF, DUMB & BLIND) (5)UNDER THE HAMMER (6)WE ALMOST LOST DETROIT (7)TUSKEEGEE #626 (8)DELTA MAN (WHERE I'M COMIN' FROM) (9)95 SOUTH (ALL OF THE PLACES WE'VE BEEN) |
tracks ( analog ) : side A...(1)〜(4) / side B...(5)〜(9) |
members : 不明 |
producer
: GIL SCOTT-HERON & BRIAN JACKSON associate producer : TOM WILSON & LARRY FALLON |
related website : 『 The Official Brian Jackson Website 』(ブライアン・ジャクソンの公式サイト)、『 Malcolm X, Gil Scott-Heron and Stevie Wonder - Speeches, Discography and Lyrics 』(マルコムX、ギル・スコット-ヘロン、スティーヴィー・ワンダーについてのサイト。非公式?) |
(1)HELLO SUNDAY!HELLO ROAD! ▲tracks |
ディスコに堕したかのように言われかねない(1)ではあるが、僕は好きだ。この「ツッツク・タッツク」というノリがいいのだ。ウキウキしてくる。アイズリー・ブラザーズの 『 3+3 』 のいくつかの曲や山下達郎が在籍していたシュガー・ベイブの有名な「DOWN TOWN」 (『 SONGS 』 に収録) もこんな感じのノリだ。それと、イアン・デューリー&ザ・ブロックヘッヅの「DON'T ASK ME」 (『 DO IT YOURSELF 』 に収録) とも相性がいいのではないだろうか。パフォーマーとしてのイアンと、サウンドの鍵を握るチャズ・ジャンケルとの関係は、ギルとブライアン・ジャクソンとのそれと似ていることもあるし。 |
(2)SONG OF THE WIND ▲tracks |
軽快に滑り出した(1)とは対照的にマイナー調で沈鬱な(2)。しかし、これこそが彼のファンが求めて止まないスタイルの曲なのではないだろうか。日本盤なのに歌詞もその対訳も無いのではっきりとは分からないが、ライナーによると人種問題的なことについて歌っているらしい。ユッタリとグルーヴしつつも、シリアスな空気に包まれている。途中、ブレイクしてハモるあたりにハッとさせられる。結構クセになる曲。 |
(3)RACETRACK IN FRANCE ▲tracks |
お次はジャミロクワイに“敬愛されて頂戴されちゃった”(3)。ちょっと(1)にも似た感じのノリなれど、途中から何となくYMOっぽい“テクノ・ソウル”な感じに (YMOの方が後だけど) 。そして曲中「MY CHERIE AMOUR〜云々」と呟いているのだが、スティーヴィー・ワンダーもそういう名の作品を出しているので、なんか気になる。今度ギル・スコット-へロンのアルバムを再発する時は、歌詞とその対訳もつけて欲しいものだ。彼の場合どんなことについて歌っているかも重要なのだから。 |
(4)VILDGOLIA (DEAF, DUMB & BLIND) ▲tracks |
トライアングルによる緊張感、途中から出てくるバス・クラリネットによる不穏な空気、ダークにグルーヴするパーカッション。とても彼らしい(4)。そうこうする内に賑やかなホーン・セクションが登場し、メジャー感溢れるファンクに。この曲はアンチ・ドラッグ・ソングだそうだが、曲の雰囲気から何となく察することが出来そうな感じだ。最後のギルの嘲るかのような高らかな笑いと、フリーキーな演奏は何を意味するのだろうか? |
(5)UNDER THE HAMMER ▲tracks |
「これを待ってたんだぁ!」と言いたくなってしまうような、怒れるファンク(5)。スティーヴィー・ワンダーの「BLACK MAN」 (『 SONGS IN THE KEY OF LIFE 』 に収録) と繋げたくなる。本作中一番熱くなれる、文句無しにカッコいい曲。 |
(6)WE ALMOST LOST DETROIT ▲tracks |
全体的に虚しい倦怠感が漂う(6)。虚空を表現するようなエレクトリック・ピアノ、寂しげなギター、そして「サーーー」と流れる冷ややかなシンセ音。どれをとっても悲痛な響きに満ちている。ライナーによれば、核燃料プラントのことについて歌った曲だそうだ。 |
(7)TUSKEEGEE
#626 (8)DELTA MAN (WHERE I'M COMIN' FROM) ▲tracks |
スピーカーの左右を行ったり来たりするドラム・スティックか何かの音をバックにギルが多重コーラスを聴かせる、アルバムのアクセント的な(7)を挟んで、これまた悲痛な感じの(8)。ライナーによればこの曲も人種問題に言及した曲らしい。しかしシリアスさとは裏腹に、そのユッタリとしたグルーヴ感は意外に心地良い。 |
(9)95 SOUTH (ALL OF THE PLACES WE'VE BEEN) ▲tracks |
最後は、アコギがフィーチャーされたホンノリ切ない安らぎナンバーの(9)。このホッコリとした緩めのグルーヴ感が堪らなく良い。エレピの優しげで煌びやかなソロもいい。 |
ここまで聴いてきても一向に分からないのは、『 BRIDGES 』 という言葉をなぜアルバム・タイトルに冠したのかということ。いま一度言うが、日本盤として出す以上やはり歌詞とその対訳はセットで必ず付けるべきだ。そうやってまず作者の表現することをできるだけ再現して、作品として一応完結させた後で初めてライナー・ノーツをつけるべきだと思う。 |
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