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artist : AL GREEN
title : 『 CALL ME 』
release : 1973年
label : HI RECORDS
tracks ( cd ) : (1)CALL ME (COME BACK HOME) (2)HAVE YOU BEEN MAKING OUT O.K. (3)STAND UP (4)I'M SO LONESOME I COULD CRY (5)YOUR LOVE IS LIKE A MORNING SUN (6)HERE I AM (COME AND TAKE ME) (7)FUNNY HOW TIME SLIPS AWAY (8)YOU OUGHT TO BE WITH ME (9)JESUS IS WAITING
tracks ( analog ) : 未確認
members : TENNIE HODGES,guitar ; LEROY HODGES,bass ; CHARLES HODGES organ,piano ; ARCHIE TURNER,piano ; HOWARD GRIMES,drums ; AL JACKSON,drums ; WAYNE JACKSON ,trumpet ; ANDREW LOVE,tenor sax ; ED LOGAN,tenor sax ; JAMES MITCHELL,baritone sax ; JACK HALE,trombone ; DONNA RHODES,background vocal ; SANDRA RHODES,background vocal ; CHARLES CHALMERS,background vocal ; THE MEMPHIS STRINGS,string section.
producer : WILLIE MITCHELL & AL GREEN
string arrangement by JAMES MITCHELL & CHARLES CHALMERS.
related website : 『 AL GREEN 』(公式サイト)




 初めて聴いた時は「何だ、このノロくて単調な曲は? それにこのヘンな歌い方。」と思い、暫く放置の後、CD棚の奥へ。その後も、たま〜に引っ張り出しては聴いてみたものの、やはり棚の奥。

 しかし、“ファルセットと言えばこの人”カーティス・メイフィールドの名盤 『 THERE'S NO PLACE LIKE AMERICA TODAY 』 や、“日本人でファルセットならこの人”今は亡き佐藤伸治率いるフィッシュマンズの 『 空中キャンプ 』 や 『 宇宙 日本 世田谷 』 のような音数が少なく隙間の多いサウンド(とは言うもののその隙間にこそ濃密な“何か”が詰まっているのだが)が好きになっていた頃、暫くぶりに“たま〜に”の周期が訪れ、またもや引っ張り出して聴いてみたら!「アル・グリーンってこんなに良かったんだぁ!」と、すっかりハマってしまった。


(1)CALL ME (COME BACK HOME)  ▲tracks
 いきなり切ないコーラスで始まる(1)。この出だしでノック・アウトされてしまう (と言いつつも、自分はそうなるまで何年要したか...) 。その後を8ビートのドラムが淡々と、しかし力強く支え導く。そして、それをバックに語りかけるように歌うアル。間奏のストリングスもいい。


(2)HAVE YOU BEEN MAKING OUT O.K.  ▲tracks
 そよそよとしていながらも切なさをかもし出す風のようなストリングス、そしてバリッとして明るいホーン・セクション、それとソフトなファルセット・ヴォイスのハモりによるメロウ・チューンの(2)。タイトルのリフレインが印象的。最後の方で「ON YOUR HEART」と言っているのかもしれないが、こちらには「ホニョホ〜〜〜〜」と聞こえてしまい、少しだけ笑いを誘う。


(3)STAND UP  ▲tracks
 今度は、バリトン・サックスが加わったせいか、重厚感の増したホーン・セクションがカッコいい(3)。それにしても、この“スロウな R & R 感覚”、以前どこかで感じたことがあるなと思っていたら、何となく(あくまで“何となく”だけど)T.レックスの「THE SLIDER」 (『 THE SLIDER 』 に収録) っぽいことに気が付いた。この曲に限らず、T.レックスにはハイやスタックスといったソウルのカラーがよく顔を出す。例えば、「GET IT ON」 (『 ELECTRIC WARRIOR 【電気の武者】』 に収録) はオーティス・レディングの「THE HUCKLE-BUCK」 (『 THE DOCK OF THE BAY 』 に収録) っぽいとか。


(4)I'M SO LONESOME I COULD CRY  ▲tracks
 ノンビリとした(4)。なんでも、カントリー歌手のハンク・ウィリアムスの曲だそうだけど、そんなことは全然感じさせない仕上がりになっている。


(5)YOUR LOVE IS LIKE A MORNING SUN  ▲tracks
 再びメロウな(5)。ライナー (ソニーから'93年に再発された時のもの) には「眠くなるような単調な曲」とか「この時期のアルのつまらなさがモロに出ているタイプの曲」、「ソウル・ファンには物足らなさすぎる」と酷評されているけど、それほど悪くはない。「退屈を表現した音楽や、何も起こらないことを楽しめる者にとっては、かえって心地良い」ということもあるのだ。そして、ソウル・ミュージックとして面白くないことが必ずしも音楽として面白くないとは限らないのである。それにしても、ここのギターの人 (テニー・ホッジス氏) って、なんでこんなに静かにプレイするんだろう?無くても良さそうなんだけど、無きゃ困る、木漏れ日のようなギター。


(6)HERE I AM (COME AND TAKE ME)  ▲tracks
 マイナー調でブルージーなメロディー、重量感のあるホーン&リズム・セクション。これならソウル・ファンも少しは納得の(6)。後半はシャウトしたり、ファルセットに持っていったりと様々な歌い方を駆使して歌い上げていく。


(7)FUNNY HOW TIME SLIPS AWAY  ▲tracks
 明るいながらも切ないメロディーがとてもいい(7)。これまたカントリーの曲で、ウィリー・ネルソンのカヴァー。後半に行くにしたがって歌や演奏にも力がこもってきて、コーラスを厚くしたり、ドラムがシンプルながらもいいオカズを入れてきたりする。


(8)YOU OUGHT TO BE WITH ME  ▲tracks
 スロウな曲が続いた後ではちょっと速く感じる(8)。実際本作の中では一番テンポが速いのだけど、他のアーティストの“速い曲”からすると、そんなには速くない。ドラムは低音を多用していてとってもグルーヴィー。ヘヴィーなのに軽快な曲に仕上がっている、というのも変なので、“重快”と言っておこう。


(9)JESUS IS WAITING  ▲tracks
 レコーディングする時、リズム・キープするのが大変そうなくらいテンポが遅い(9)。「イエスは待っている」というタイトルだが、「人間は待ってらんないよ」というくらいノロい。いくら“退屈な曲好き”な人でも、この曲だけはちょっとパスかな?


 繰り返すようだけど、 カーティス・メイフィールドやフィッシュマンズ、そしてT.レックスが好きな人、もう一つ付け加えるとボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの「I'M STILL WAITING」 (『 THE BIRTH OF A LEGEND 1963-66 』 に収録) あたりが好きな人にはオススメの一枚。


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