Last Update:Jan 3,2002


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出来事

解説

2月19日

細野晴臣のソロアルバム「はらいそ」に収録された「ファムファタール」のレコーディング中、かねてから考えていたイエロー・マジック・オーケストラの構想を、参加ミュージシャンだった高橋ユキヒロ、坂本龍一に話し、その場で意気投合。グループとしての
イエロー・マジック・オーケストラが結成される

細野に呼び出された高橋と坂本は、細野の自宅でイエロー・マジック・オーケストラの構想を聞かされる。その時、こたつの上には、「マーティン・デニーの「ファイアー・クラッカー」をシンセサイザーを使用した、エレクトリック・チャンキー・ディスコとしてアレンジして45回転LP(12インチ・シングル)でリリースし世界的大ヒットをねらう。目標400万枚!」というプランを記したノートと焼おにぎりがあった。(坂本と高橋によれば、ただのおにぎりだったらしい)
「外人から見た誤解された東洋のイメージ」というテーマのキーワードとして、マーティン・デニーのエキゾティック・サウンドが挙げられ、それをモチーフにジョルジオ・モロダー風エレクトリック・ディスコ的なアレンジを行うというのが、初期のYMOのコンセプトである。
また、80年に行われた国内ツアー「テクノポリス2000-20」のパンフレットには、イエロー・マジックとは「善(ホワイト・マジック)、悪(ブラック・マジック)の対極を統一するニュートラルなパワー」であり、「二元論の悪弊を持たない東洋人こそ、今後新しい世界を創出できる、と考える人が西洋にも増えつつある」とも記されている。

4月
細野晴臣が横尾忠則約1ヶ月のインド旅行に出かける。 この旅行の記憶を元に細野晴臣のソロアルバム「コチン・ムーン」が制作される。
レコーディングは6月から開始され、坂本、高橋の他、コンピュター・プログラマとして松武秀樹が参加した。
細野曰く、「横尾さんと合わなかったらインド旅行はなかったし、インド旅行がなかったら、YMOはなかった。全てが関係しているんだ。」

4月10日
坂本龍一、ファースト・ソロアルバム「千のナイフ」レコーディング開始。 ゲストミュージシャンは、高橋悠治、松武秀樹、渡辺香津美、山下達郎。

4月25日

細野晴臣、ソロアルバム「はらいそ」(アルファ)発売。

YMOの原点とも言える作品。
アーティストのクレジットが「Harry Hosono & The Yellow Magic Band」と表記されているように、YMOの活動を想定して作られている。
坂本、高橋が参加した「ファム・ファタール」が収録されている。

5月
高橋ユキヒロ、ファースト・ソロアルバム「サラヴァ」のレコーディングを開始。 参加ミュージシャンは、細野晴臣、坂本龍一、加藤和彦、高中正義、大村憲司、鈴木茂他。

6月
「ファイアー・クラッカー」3人の演奏だけで録音する。 失敗と判断され、マルチはその場で消去された。

6月21日

高橋ユキヒロ、ソロアルバム「サラヴァ」(キング)発売。

坂本龍一が共同プロデューサーとしてクレジットされ、ブラス、ストリングス、キーボードアレンジと演奏でも参加。細野晴臣も演奏で参加している。
その他に鈴木茂、高中正義、加藤和彦、大村憲司、浜口茂外也、林立夫、今井裕、ラジ、山下達郎、吉田美奈子らが演奏で参加している。
アルバムタイトルの語源はポルトガル語で、サンバやその作者をたたえる言葉。

細野晴臣参加のコンピレーション・アルバム「パシフィック」(CBSソニー)発売。

細野晴臣、鈴木茂、山下達郎によるコンピレーション・アルバム。全8曲中、細野が3曲、鈴木が3曲、山下が2曲書いている。
参加ミュージシャンは、坂本龍一、林立夫、高橋ユキヒロ、高水健司、浜口茂外也、斉藤ノブ、佐藤準、徳武弘文、大村憲司他。ジャケット写真は浅井慎平。
細野の作品は、「最後の楽園」、「スラック・キー・ルンバ」、「コズミック・サーフィン」が収録された。これらの曲には、坂本龍一、高橋ユキヒロ、浜口茂外也が参加している。
「コズミック・サーフィン」はYMOのファースト・アルバムに収録されているものとは、アレンジがかなり違う。

7月10日

ファーストアルバム「イエロー・マジック・オーケストラ」レコーディング開始。

アルファレコード「スタジオA」で開始されたレコーディングは9月5日まで行われた。
ゲストミュージシャンは、
  ・高中正義(ギター)
  ・橋本俊一(シムーンのヴォーカル)
  ・松武秀樹(コンピュータ・プログラマー)
  ・ぬのいともこ(中国女の女性の声)
2月には構想段階であったマーティン・デニーの「ファイアー・クラッカー」を収録するにあたり、細野は「ファイヤー・クラッカーに興味があって、エキゾティック・サウンドとシンセサイザー音楽が、グワーッと頭のなかで一緒になって、これはやりたいと思った。」と語り、また「初めは林立夫、佐藤博とやるつもりだったけど、彼らが別のことを始めたので、坂本と高橋にYMO構想を話したら乗ってくれた。」と言っている。この頃は、あくまで”細野晴臣とイエロー・マジック・オーケストラ”なのであり、バンドとしての方向性は手探り状態であった

7月21日

南佳孝のアルバム「サウス・オブ・ボーダー」(CBSソニー)発売。

坂本龍一が南佳孝と共同でサウンドプロデューサーとしてクレジットされ、全曲のアレンジとキーボードプレイも行っている。
細野晴臣、高橋幸宏は演奏で参加。
ジャケットデザインは池田満寿夫。

9月20日
細野晴臣、ソロアルバム「コチン・ムーン」(キング)発売。 プロデュースは横尾忠則。

9月26日
矢野顕子の「ト・キ・メ・キ・コンサート」に細野晴臣、坂本龍一、高橋ユキヒロがバックミュージシャンとして参加。
(中野サンプラザ)
 

10月18日
FM東京主催「サウンド・カーニバル」公開録音にYMOとして出演。初ライブを行う。
(芝、郵便貯金ホール)
サポート・メンバーは、矢野誠、渡辺香津美、林立夫。
共演は、富田勲とバッハ・レボリューション。

10月21日

大貫妙子のアルバム「ミニヨン」(RVC)発売。

全10曲中5曲のアレンジを坂本龍一が担当。残りの5曲は瀬尾一三。
細野晴臣、高橋幸宏は演奏で参加。

10月25日

坂本龍一、初ソロアルバム「千のナイフ」(日本コロムビア)発売。

YMOのライブで演奏された、「サウザンド・ナイブズ」、「ジ・エンド・オブ・エイジア」が収録されている。細野晴臣が参加。
アルバム・ジャケットで着ているコスチュームのコーディネートは高橋ユキヒロ。
坂本龍一、初ソロアルバム「千のナイフ」発売記念ライブを行う。
(六本木ピットイン)
坂本龍一&イエロー・マジック・オーケストラの形でステージに立つ。その他に渡辺香津美、矢野誠、高中正義、浜口茂外也が参加した。

10月26日
坂本龍一、初ソロアルバム「千のナイフ」発売記念ライブを行う。
(六本木ピットイン)

11月25日

記念すべきファーストアルバム「イエロー・マジック・オーケストラ」(アルファ)発売。

このアルバムのクレジットは”細野晴臣&イエロー・マジック・オーケストラ”となっている。高中正義(サディスティクス)、橋本俊一(オルケスタ・デル・ソル)、布井智子(アルファ・レコード社長室秘書)が参加。
ライナーノーツには、
 ・sexyなリズム→踊らずにはいられない!
 ・fantasticなメロディ→ハートにくる!
 ・metallicなコンセプト→前頭葉マッサージ!
という有名なフレーズが記されている。

12月5日

アルファ・レコード主催の「フュージョン・フェスティバル」に出演。(新宿、紀伊國屋ホール)

このライブの直前に「イエロー・マジック・オーケストラ」のアメリカ発売が決定する。

ファースト・アルバムの曲を中心に、ピンクレディの「ウォンテッド」、坂本龍一の「サウザンド・ナイブズ」、「プラスティック・バンブー」、さらに「ビハインド・ザ・マスク」も既に演奏されている。この頃のステージでは、細野がメンバー紹介を行っていた。
サポート・メンバーは、矢野誠、渡辺香津美、松本弘、風間幹也、松武秀樹。
当時、アルファ・レコードはフュージョンのレーベルであり、会社の方針でYMOはこのライブに出演した。しかし、見たこともない山のような機材をバックに、聞いたこともない音楽を演奏するYMOに対し、とまどう観客の反応について、細野は「YMOは、人を混乱させ、反応を呼びさますような何かがあるなと思った」と発言している。
また、来日中だった米A&Mレコードのプロデューサー、トミー・リピューマがYMOを観て「私はこの音楽を世界に広めなければならない」と言い、その日のうちにYMOの海外発売が決定したという有名な話があるが、実はこのライブより前に決まっていたらしい。
YMOがファースト・アルバムをレコーディング中に、A&Mの日本での発売権がキングからアルファに移っており、細野は「A&Mで出ちゃうな」と思ったという。実際に海外発売決定の話を聞いた細野は、「デジャビュというか特殊な体験だった。トミー・リピューマが出したいと言った時は、来た来た!という感じだった」と語っている。
この公演は後に「ライブ・アット・紀伊國屋ホール1978」としてCD化された。

12月10日
アルファ・レコード主催の「フュージョン・フェスティバル」に出演。(新宿、紀伊國屋ホール) この日の公演は後に「ライブ・アット・紀伊國屋ホール1978」としてCD化された。

12月21日
3人が参加した、ラジのアルバム「ラブ・ハート」(CBSソニー)発売。  

12月31日
「オールナイト・ジャズ・フェスティバル」に坂本龍一が参加。(渋谷パンテオン) 渡辺香津美とのセッションで「東風」を演奏した。

 

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