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指揮の技術2、指揮棒
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指揮の技術2、指揮棒
指揮棒の選び方、指揮棒の持ち方
指揮棒について

 多くの方が指揮者というと、指揮棒を振り廻している姿を思い浮かべることと思います。
 指揮棒の使用には賛否両論あり、一概には言えませんが、学習者には使用することをお薦めします。
 それは初学者には、肘より先が一体となった運動をすることが重要だからです。このことについては後ほど詳しく述べます。
 また、指揮棒を持てば、皆さんが思い描いている指揮者のイメージに近づくこととおもいますので、指揮を勉強の励みになるかと思います。
 指揮棒には木、プラスティック、グラス・ファイバー、カーボン製があります。
 プラスティック製は日本ではお目に掛かりません。
 カーボン製は高価な割にメリットがないので、お薦めしません。
 木製は安くて簡単に折れるので安心して使えます。先端がグラス・ファイバー製に比べ鋭利にできていませんので、指揮棒が飛んでしまった時や、第九のようにソリストが指揮棒の射程内にある時、眼に刺さない限り、酷いことにはなりません。但し、比重が軽いため、空気の抵抗を受け、振りにくい憾みはあります。
 木製より少々高価ですが、振りやすさではグラス・ファイバーが勝ります。木製に比べ細く、比重が重いので、「叩き」の練習には最適です。但し折れにくいので、人を刺したりしないよう、気を付けてください。
 長さは色々な種類のものが市販されていますが、35〜40センチ位のものが使いやすいように思います。これより長いと、身長にもよりますが、棒に振り回されるような印象になりますし、左手で楽譜をめくる時、邪魔になることがあります。30〜40人位までの合奏、合唱でしたら30センチ位のもので充分です。
 握りの部分は滴型と申しましょうか、イチジク型のもので、コルク製が使いやすいように思いますが、色々試してみて、手にしっくりとなじむものをお探し下さい。



 色は見やすさの点から、白またはそれに近い色が好ましいです。
 私が普段使用しているものは小編成で32センチの木製、それ以外では38センチのグラス・ファイバー製(ピックボーイ社のJと言うタイプだと思います)を使用しますが、最近では棒を使わないことの方が多いです。



愛用の指揮棒です。
上が木製(ドイツで購入)
下がグラス・ファイバー製、
ピックボーイ J型




 指揮棒を購入する時の注意として、グラス・ファイバー製のものでは滅多に問題がありませんが、木製には、時々曲がったものが混ざってますので、棒を握りのお尻の方から先端を眺めてみて、なるべくまっすぐなものを選んでください。とは言え木製は必ず多少の歪みはありますし、使っている内に曲がってくることもありますので余り神経質ななる必要はありません。


先端が少し上に曲がっているのが見えますでしょうか。






指揮棒の持ち方

 指揮棒の持ち方で何より重要なことは、棒が手から放れて飛んで行かないように持つことです。
 何を馬鹿なこととお思いかも知れませんが、実際にやってみると、以外にこの事故はよく起こります。
 私の場合ですと、譜面代にひっかけたり、左手にひっかけたり、理由もなく飛んで行ったことが何度もあります。
 万が一、演奏者の目に当たったりすれば、一生を棒に振ることになりますので、くれぐれもご注意下さい。
 指揮棒の持ち方は、親指の腹と人差し指の第一関節で棒の部分を挟み、握りのお尻の部分が手のひらに当たるようにして、他の三本ないし二本の指で握りの部分を押さえ安定させます。
 次に両手鍋を持つようなつもりで手を軽く前に突き出します。この時、親指が天を、小指が地球を向いているかご確認下さい。
 また指揮棒が下膊(肘から先)と一直線上になるようにしてください。
 以上で指揮棒の持ち方は完成です。


左利きの方へ

 指揮棒を持つ手は右か左かと言う問題があります。一般に右利きの方は右手で指揮棒を持ちます。では左利きの場合は左でよいのか、と言いますと、世界的には僅かですが左手で指揮棒を持ち指揮をなさる方もいらっしゃいますが、極めて少数です。
 演奏者の立場からすると、普段見慣れていないので、鏡に映った姿を見ているようで不思議な気持ちがしてくる方が多いようです。
 永遠に特定の演奏者の前以外では指揮をしない、と言うことでしたら左手で指揮をなさっても問題はないかと思いますが、そうでなければ右手で指揮をする訓練をなさった方が宜しいかと思います。
 ピアニスト、ヴァイオリニストでも一般的に左利き用の楽器はありませんが、それが大きなハンディになっているという話は聞いたことがありません。指揮はそれ以上に左右のハンディが無く、多くの指揮者は左右の動きを反転させることができるはずですので、神経質になることはありません。

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