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音楽家を志す方へ
音楽家になるには

 ここで言う音楽家とはクラシック音楽に携わる人のことで、ポピュラー、演歌などについては詳しくないので、その事を知りたい方はしかるべきサイトをご訪問下さい。
 音楽家になるには当然のことですが、何か楽器を演奏する、または歌う事が必要です。作曲、音楽理論をする場合でも同様です。
 例外はありますが、いずれの場合でも「楽譜が読める」と言うことは必要ですので、まず楽譜が読める訓練は怠らないで下さい。
 
基礎訓練以前

 子供を音楽家に育てようと、小さいうちから教師の門を叩く方がいらっしゃいますが、必ずしも小さいうちから始めればよいと言うわけではありません。例えば3歳から読み書き、足し算を教えたからと言って、東大に入れる優秀な子供になる訳ではありません。
 ただ耳の機能が発達するのは幼児期ですから、その意味では個人差はありますが、3、4歳から始めるのは良いことです。
 特に絶対音感を持たせたければ、遅くとも6歳までには訓練を始める必要があります。しかし絶対音感は必ずしも音楽家に必要な能力ではなく、むしろ弊害となることもありますので、それが身に付いていないからと言って悲嘆することはありません。
 音楽的に優秀な子供を育てるには、まず家庭環境が大切です。家庭に音楽を楽しむ環境がない限り、子供が音楽好きになれるはずがありません。
 しかし何よりも大切なことは、人間としてバランスの取れた心を育てることです。心がゆがんで育てば、その人間の奏でる音楽が人を楽しませることは出来ません。

ピアノ

 将来何かの楽器を学ばせたい、あるいは作曲をさせたいと考えていらっしゃる方、または自分がその道に進みたい方でも、ピアノの学習は重要です。
 音楽大学の入試では、どんな学科(楽器、声楽、作曲)を専攻しても、ピアノの試験は必修です。日本の音楽大学ではソナチネ程度が弾けることが入学の条件となっていますから、ピアノはしっかり練習して下さい。ピアノを触ったことのないおとなの方でも、2年間熱心に練習すれば入試に通る位までには上達します。
 作曲、指揮、音楽理論(楽理)を専攻する場合はそれ以上の熟練が必要で、バッハの平均率を弾ける能力が要求されます。

その他の訓練

 音楽大学の入試では、楽譜を読んだり、音を聴き楽譜に書き取る能力が要求されます。これをソルフェージュと言います。
 初めて見る楽譜を音名、または階名(ドレミ)で歌うことを「初見視唱」といいます。同様に初めて見る楽譜を演奏することを「初見視奏」と言います。
 入試では多くの場合、1〜数分、楽器のない所で楽譜を見る時間を与えられた後、試験官の前で演奏します。いずれの場合も正確な音程、リズムで止まらずに演奏することが要求されます。
 これをこなすためには、熱意の他に多少の才能が必要ですが、特別な学校を除き、2年程度熱心に勉強すれば入試を通る程度には上達します。
 これに似たものですが、コール・ユーブンゲンと言う課題があります。これはコール・ユーブンゲン(合唱練習)と言う曲集の中の曲を、正確な音程、リズムで歌うものですが、曲は限られていますので1年程度勉強すれば何とかなります。
 ピアノなどの楽器で演奏される(または録音が流れる)音を楽譜に書き取ることを「聴音」と言います。
 これは「初見視唱」の裏返しのような作業ですが、まず楽譜を書くことに慣れる時間が必要です。入試に合格するにはやはり最低2年間の学習は必要です。
 以上のもの、特に初見と聴音に関しては小さい内から学び始めた方が圧倒的に有利ですが、おとなになってからでも努力さえすれば、ある程度にはなります。
 初見の能力は社会に出てからとても重要になります。この能力が強いと割の良いスタジオなどの仕事が取れますので、熱心に勉強することをお薦めします。
 但し、初見が利いてしまうために演奏が表面的になる、との弊害も囁かれていますが、これはあくまでも本人の姿勢の問題だと思います。
 もう一つしなければならないのが「楽典」の勉強です。これは音楽の理論や音楽用語などを机上で勉強することです。実はこれが出来ないと楽譜を読むことすら出来ませんので、音楽大学に進まない方でも必ず勉強する必要があります。とは言え内容は余り多くないので独学でも1年程で身に付きます。
 以上のことは、最近では音楽大学の入試から外されているものもありますが、それにかかわらず、音楽を職業としようと志すものには必要なことばかりですので、入試にないからと言って、決しておろそかにしてはなりません。

専攻

 「基礎訓練以前」の所でも述べましたが、専攻に関しては早く始めればよいと言うばかりではありません。声楽などは30歳過ぎて初めて声帯が完成すると言われるくらいですし、作曲、指揮、理論などは40を過ぎても間に合います。
 大切なことは偏りのない勉強をすることで、例えば音楽大学のピアノ科の学生にベートーヴェンの田園交響曲を聴かせた所、「きれいな曲ですね。これは誰の曲ですか」などと言われないように、専攻以外の音楽についても接する機会を持つことです。
 また音楽だけでなく、運動、旅行、読書、美術鑑賞など心を養うことを忘れていては、人を感動させる音楽はできません。

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