表紙指揮を始める方へ指揮者を志す方へ指揮の技術音楽家を志す方へ演奏会の開き方リンクサイトマップメール掲示板
演奏会の開き方
|演奏会の開き方|演奏会の時期演奏会の予算|その他の事項|
演奏会の開き方
演奏会を開くために

 演奏会を開くために必要なことを説明します。
 まず何より大切なことは、いつ、どこで、どれだけの予算で、どんな演奏会を開くかを決めることです。
 普通、演奏会を開こうとする場合、「どんな演奏会」は決めた上で考えるものですので、それ以外のことに関して見てゆきましょう。
 
いつ、どこで

 バブルのお陰で、日本にはたくさんの演奏会場が生まれました。そのほとんどが自治体によって運営されています。そしてその多くは1年前から予約を受け付けます。ですから、いつ、どこでは、一年前より早い段階で決定することが望ましいです。この時に忘れてならないのが、指揮者、ピアニスト、ソリストなど、重要で忙しい方の予定をあらかじめ調べておくことです。運良くホールが取れたとしても、良く聞いてみると指揮者は別の予定が入っていた、などというトラブルは避けたいものです。
 時期も重要な要素です。主に来てくださる客が慌ただしい季節、例えば正月、盆は当然として、入学、卒業、受験シーズンは避けた方が無難でしょう。一般的に音楽シーズンは5〜6月、9〜11月となっていますが、演奏会を開く側としては、9月に演奏会を開くには、6月ごろから練習の追い込みとなりますが、暑い時期の練習となるので、高齢者が多い団体では、厳しいと思います。また6月中旬から7月前半は梅雨の時期となりますので、雨による観客の減少もあり得ます。
 また曜日も大きな問題で、土、日曜日は主婦層を中心に観客が期待できますが、ホールの使用料金が高くなると同時に、ホールを取りづらくなると言う問題もあります。
 このように、開催時期の選定は、大きな問題です。

予算

 もう一つ大きな問題が費用です。お金に糸目は付けない、などという方はともかく、普通は収支が合うようにしなければ、主催者の持ち出しになります。
 収支の各項目を見ていきましょう。

 支出の部。

 報酬、人件費。
 支出で最も大きな割合を占めるのが報酬、人件費です。指揮者、ピアニスト、ソリスト、エキストラなどのほかに、舞台監督(ステージマネージャー)、照明、音響、演出などの裏方、受付・もぎりなどの表方、さらに調律、楽器搬送などの報酬、人件費が派生することもあります。ここには報酬(ギャラ)の他に、遠隔地の場合ですと、交通費、宿泊費を計上しなければなりません。

 会場費。
 次に大きな割合を占めるのが会場費(ホール使用代)です。幸いなことに多くのホールは半官半民で運営され、ごく低価格で使用することができます。
 但し、楽屋、付帯設備(照明、ピアノ、山台、椅子)等の費用がかかることをお忘れなく。

 印刷費。
 次に高額なのがちらし(パンフレット)、ポスター、チケット、プログラムなどの印刷費です。

 広告宣伝費。
 新聞、雑誌などの有料広告ですが、余程人の目を引く物でないと効果が上がりません。1枚数万円のチケットならともかく、1000円や2000円程度の入場料でしたら、支出の方が大きくなりますので、なるべく無料の媒体で宣伝して貰うよう心懸けましょう。

 著作権使用料。
 著作権が生きている楽曲を演奏、プログラムなどに歌詞、楽譜などを掲載した場合かかってきます。JASRAC(日本音楽著作権協会)に問い合わせれば、金額を教えて貰えます。

 雑費。
 招待状の発送などの通信費、スタッフのお弁当代などの細々とした費用です。


 次に収入を見てみましょう。収入は支出に比べ、項目が少ないのが特徴です。

 収入

 売り上げ。
 チケットの売り上げです。余程の人気がある公演でない限り、一般に販売されることはほとんど期待できませんので、ほとんどが次項の「ノルマ」による売り上げとなります。

 ノルマ。
 普通、チケットは放っておいても売れる物ではないので、出演者等に義務的に割り当てられます。
 単純に、50人の出演者で1000人の観客を動員したければ一人20枚のノルマ、と言うことになりますが、総支出を出演者数で割って一人あたりの金額が算出されることの方が一般的です。

 助成金、広告費。
 ホール、自治体、企業などからの助成金があります。
 ホールの場合は、使用料の免除、減額などを受けられることがありますが、最近はこの特例を与えられることが減る傾向にあります。
 自治体等では、市、県などの助成金、国の文化事業支援などがありますが、条件が提示されていることが多いので、なるべくその条件を満たすようにしましょう。
 広告費はちらし、プログラムなどに掲載することを条件に、その広告面積から数千円〜数万円の広告費を貰えますが、最近は不景気のため、広告を渋る企業が相次いでいます。また、チラシの裏面などに印刷した場合、頂いた広告費より印刷費用の方が高くついた、などと言うこともありますから、よくお考え下さい。

 雑収入。
 最も有り難いのが、広告などの条件を伴わない「お祝い金」ですが、これを貰うには、日頃からのやりとりが必要ですので、たいした利益にはなりません。一方的にお金が頂ける程、世の中は甘くない、と言うことです。
 

その他の事柄

 指揮者等のスケジュール調整、交通、宿舎等の手配、裏方、表方の手配、チケットの販売方法、招待状の発送、印刷物、広告の手配など。

総論まとめ

 以上見てきたように演奏会を開くことは簡単ですが、「成功」するには些細な点をきちんと埋めていく必要があることがお判りと思います。
 各項目に関して詳しく見ていきましょう。

次へ

表紙指揮を始める方へ指揮者を志す方へ指揮の技術音楽家を志す方へ演奏会の開き方リンクサイトマップ掲示板メール